食品のカラクリシリーズ サケ弁当/魚介類
そんなバカな!ニジマスを使っていても「サケ弁当」の表示がOK
これではいつまでも回転寿司店でニセモノ魚・深海魚を食べさせられる
■消費者庁は業者の圧力に負けて表示問題でも“腰抜け状態”
メニュー適正表示ガイドラインの説明です。中でも、最大に疑問、許せないと思うことは、消費者庁がニジマス(サーモントラウト)を使っていても、「サケ弁当」“しゃけ弁”の表示をOKとしている点です。理由は、ニジマスを「サケ弁」と表示しても、「消費者が勘違いしない」ことを挙げています。いや、消費者は「サーモン」を使っていると思っている方が大半と思われます。昨今の偽装表示問題から、サケ弁はニジマスを使っていることを知ったのではないでしょうか?
ごくごく簡単に説明すれば、「トラウト」は鱒(ます)類を指し、淡水で育てればニジマスと呼び、概ね25cmぐらいの体長です。一方、海水で養殖すれば70cmの大きさになり、主に南米チリなどで育てられ、「サーモントラウト」と呼ばれます。消費者庁は、生物学的には全く同じであり、ニジマス(トラウト)を使っても「サケ弁」表示OKといった、無理・強引な解釈です。
その背景には、「ニジマス弁当」では売れなくなるといった水産業者・飲食店・回転寿司業界などの厳しい抵抗があったとされます。一方、主婦連や消費生活関係者は、「使った食材の名前を、正しく表示させることを基本とすべき」「サーモントラウトを使用していることを積極的に表示して、美味しさを伝えるべきだ」「今までいわゆるニジマスであることを知らずに食べていたのだから、業者は消費者の認識を変える努力をすべき」などの声が挙っています。
■これでは今後も回転寿司は本物の魚ではない「偽装魚」ネタが続く
普通、日本では、鮭(さけ)は国産のシロザケやノルウェーから輸入されるアトランティックサーモン(タイセイヨウサケ)を指します。そもそも弁当チェーンや回転寿司店などの飲食店には、JAS法などの表示義務がありません。従って、今後もニジマスを使いながら、堂々?と「サーモン握り」などのお品書で売ることでしょう。全く消費者庁の“腰抜けぶり”(消費者よりも、業者の立場にたった姿勢)は、これからも延々と続くでしょう。
実はサケ弁表示の問題は、ほんの小さな部分です。投稿者が危惧していることは、消費者庁がこんな考え方なら、飲食店や回転寿司店の「偽装魚」は解決しません。回転寿司が安いのは、ほとんどが本物の魚を使っておらず、偽装魚と呼ぶ外国の別種魚や深海魚だからです。言わばニジマスをサケと呼んでもよいなどと言っているようでは、日本人は今後もニセモノ魚、インチキ魚を食べされ続けるでしょう。
▽消費者庁メニュー適正表示ガイドライン (前出)
消費者庁が食品偽装に対するメニュー適正表示ガイドラインを公表