少数派シリーズ/東京オリンピックの危うさVOL.103
ROUND7 国民の命を守るため東京オリンピックの中止を!編 28
朝日新聞特筆◇何人もの閣僚が「五輪中止」直言も拒む菅首相“やめる訳にはいかぬ”
■菅首相の強気、いらだち、自信が揺らぐ様を克明に表しています
まずは投稿者の文章/6月25日付の朝日新聞・第1面の記事を、下記に紹介します。周到な取材をされたのでしょう。菅首相の強気、いらだち、自信が揺らぐ様を克明に描いています。スクープ記事とも言える内容ですが、見出しなどが控えめになっていてもったいない。その特筆は、『何人もの閣僚が五輪中止を直言した』という事柄。中止を直言した閣僚とは、あてずっぽうですが、西村大臣、田村厚労大臣、河野大臣らでしょうか? 直言した大臣を褒めるより、それをもってしても言うことを聞かぬ菅首相の傲慢さに呆れます。本文にある菅首相の、「五輪は、やめるのが一番簡単なんだ。でも、ここまで来た。全部やめるわけには、やっぱりいかない」。適切な判断をせず先延ばしにしてきたのは、紛れもなく当の菅首相です。既号の識者の記事をご案内したように、旧日本軍戦犯の東条英機首相、終戦直前・原爆を投下されても昭和天皇のお言葉にも従わなかった軍部と全く同じです。コロナ禍の五輪開催を「戦時下と同じ」と識者が指摘したことが、菅首相が今まさに発した言葉によって立証されました。戦争もコロナ禍開催も、狂った指導者が生み出した結論なのです。朝日新聞のこの企画タイトルのように、もう1度首相に投げ掛けます。『五輪は誰のため』
■首相発言「やめるのが一番簡単、でもここまで来たら全部やめるわけにはいかない」
ここから朝日新聞記事(ピックアップ箇所)/東京五輪の観客のあり方を決める「5者協議」を翌日に控えた6月20日、菅首相は周囲に言い放った。「分かってるよ。(緊急事態)宣言になったら、(観客の入場を)やめればいいんだろ」。宣言下なら観客は入れられない。首相はいら立ちを隠さなかった。東京などの緊急事態宣言が延長された5月半ば以降は、首相に中止を求める直言も相次いだ。「この状況を考えれば、中止も仕方ありません」「中止で支持率はマイナスになりません」。何人もの閣僚らが、この1か月ほどの間に首相に五輪中止の決断を迫ったと証言する。だが、そうした声はみな退けられた。「ワクチン接種を加速させる」「感染者数は6月に減るはずだ」。首相はそんな決意の言葉を繰り返したという。首相は、長く東京大会の準備を重ねた(安倍)前政権の継承者でもあった。五輪から身を引けば、自らの足もとがどうなるか。
「見直し」と「実施」のリスクをはかりにかけ、首相の針はなお実施の側に振れた。先の主要7か国首脳会議(G7サミット)で五輪への支持をとりつけ、ワクチン接種も軌道に乗る。「首相は楽観シナリオを信じている」。首相周辺は、五輪に突き進む首相の様子をそう語る。だが、東京には「第5波」の予兆がちらつく。首相が繰り返し強調するワクチンの効果は、政府内でも「五輪には間に合わない」(官邸幹部)との見方が一般的だ。自民党内では、首相の先行きを危ぶむ声がじわりと広がる。党幹部は「『安心・安全』を実現できなかった責任をとって退陣となるかもしれない」。閣僚経験者は「薄氷の上にいる自覚があるのか」といぶかる。当の首相は最近、周辺にこんな考え方も漏らした。「五輪は、やめるのが一番簡単なんだ。でも、ここまで来た。全部やめるわけには、やっぱりいかない」。
■強気一辺倒の菅首相も五輪リスク評価に「尾身さんがなぁ」と周囲にこぼす
「観客はできるだけ入れたい。だから、ギリギリで判断したい」。首相は周囲にそんな考え方を語っている。五輪で国民の一体感を作り出したい首相にとって、観客は欠かせない要素だ。「2万人もありうる」、政権や大会関係者の間には、つい10日前まで、そんな数字が飛び交っていた。ただ5者協議が近づくにつれ、強気一辺倒だった様子に変化が生じた。「尾身さんがなぁ」。6月15日、官邸で会談した加藤官房長官や丸川五輪相らにそうこぼした。首相が心配したのは、政府分科会の尾身会長らによる五輪のリスク評価だった。尾身氏らは18日、五輪の無観客を推奨する提言を政府などに提出。観客を入れる場合でも、制限は一般の大規模イベントよりも厳しくするといった「注文」もつけた。
組織委などは開会式などの観客について、別枠(五輪ファミリー・外交関係者・スポンサーなど)を含め2万人を上限とすることも検討していた。安倍前首相や森・前組織委会長に近い議員らは、「五輪は特別だ。一般のイベントと同じ扱いにすべきではない」といった「上積み論」を主張している。首相はコロナ禍にオリパラを開く意義について「まさに平和の祭典」「安心・安全の対策をしっかり講じる」などと繰り返す。言葉通りに実現できるのか。観客のあり方をめぐる7月上旬の判断が、試金石の1つになる。
投稿者によって、タイトル付けを行いました。
次号/五輪開催混迷の「張本人」は安倍首相だ!任期中開催・完全開催にこだわり収拾できず
前号/与良政談★菅首相「五輪に勝負を賭けた」一か八かは菅政治の本質、でも国民の命は
ROUND7 国民の命を守るため東京オリンピックの中止を!編 28
朝日新聞特筆◇何人もの閣僚が「五輪中止」直言も拒む菅首相“やめる訳にはいかぬ”
■菅首相の強気、いらだち、自信が揺らぐ様を克明に表しています
まずは投稿者の文章/6月25日付の朝日新聞・第1面の記事を、下記に紹介します。周到な取材をされたのでしょう。菅首相の強気、いらだち、自信が揺らぐ様を克明に描いています。スクープ記事とも言える内容ですが、見出しなどが控えめになっていてもったいない。その特筆は、『何人もの閣僚が五輪中止を直言した』という事柄。中止を直言した閣僚とは、あてずっぽうですが、西村大臣、田村厚労大臣、河野大臣らでしょうか? 直言した大臣を褒めるより、それをもってしても言うことを聞かぬ菅首相の傲慢さに呆れます。本文にある菅首相の、「五輪は、やめるのが一番簡単なんだ。でも、ここまで来た。全部やめるわけには、やっぱりいかない」。適切な判断をせず先延ばしにしてきたのは、紛れもなく当の菅首相です。既号の識者の記事をご案内したように、旧日本軍戦犯の東条英機首相、終戦直前・原爆を投下されても昭和天皇のお言葉にも従わなかった軍部と全く同じです。コロナ禍の五輪開催を「戦時下と同じ」と識者が指摘したことが、菅首相が今まさに発した言葉によって立証されました。戦争もコロナ禍開催も、狂った指導者が生み出した結論なのです。朝日新聞のこの企画タイトルのように、もう1度首相に投げ掛けます。『五輪は誰のため』
■首相発言「やめるのが一番簡単、でもここまで来たら全部やめるわけにはいかない」
ここから朝日新聞記事(ピックアップ箇所)/東京五輪の観客のあり方を決める「5者協議」を翌日に控えた6月20日、菅首相は周囲に言い放った。「分かってるよ。(緊急事態)宣言になったら、(観客の入場を)やめればいいんだろ」。宣言下なら観客は入れられない。首相はいら立ちを隠さなかった。東京などの緊急事態宣言が延長された5月半ば以降は、首相に中止を求める直言も相次いだ。「この状況を考えれば、中止も仕方ありません」「中止で支持率はマイナスになりません」。何人もの閣僚らが、この1か月ほどの間に首相に五輪中止の決断を迫ったと証言する。だが、そうした声はみな退けられた。「ワクチン接種を加速させる」「感染者数は6月に減るはずだ」。首相はそんな決意の言葉を繰り返したという。首相は、長く東京大会の準備を重ねた(安倍)前政権の継承者でもあった。五輪から身を引けば、自らの足もとがどうなるか。
「見直し」と「実施」のリスクをはかりにかけ、首相の針はなお実施の側に振れた。先の主要7か国首脳会議(G7サミット)で五輪への支持をとりつけ、ワクチン接種も軌道に乗る。「首相は楽観シナリオを信じている」。首相周辺は、五輪に突き進む首相の様子をそう語る。だが、東京には「第5波」の予兆がちらつく。首相が繰り返し強調するワクチンの効果は、政府内でも「五輪には間に合わない」(官邸幹部)との見方が一般的だ。自民党内では、首相の先行きを危ぶむ声がじわりと広がる。党幹部は「『安心・安全』を実現できなかった責任をとって退陣となるかもしれない」。閣僚経験者は「薄氷の上にいる自覚があるのか」といぶかる。当の首相は最近、周辺にこんな考え方も漏らした。「五輪は、やめるのが一番簡単なんだ。でも、ここまで来た。全部やめるわけには、やっぱりいかない」。
■強気一辺倒の菅首相も五輪リスク評価に「尾身さんがなぁ」と周囲にこぼす
「観客はできるだけ入れたい。だから、ギリギリで判断したい」。首相は周囲にそんな考え方を語っている。五輪で国民の一体感を作り出したい首相にとって、観客は欠かせない要素だ。「2万人もありうる」、政権や大会関係者の間には、つい10日前まで、そんな数字が飛び交っていた。ただ5者協議が近づくにつれ、強気一辺倒だった様子に変化が生じた。「尾身さんがなぁ」。6月15日、官邸で会談した加藤官房長官や丸川五輪相らにそうこぼした。首相が心配したのは、政府分科会の尾身会長らによる五輪のリスク評価だった。尾身氏らは18日、五輪の無観客を推奨する提言を政府などに提出。観客を入れる場合でも、制限は一般の大規模イベントよりも厳しくするといった「注文」もつけた。
組織委などは開会式などの観客について、別枠(五輪ファミリー・外交関係者・スポンサーなど)を含め2万人を上限とすることも検討していた。安倍前首相や森・前組織委会長に近い議員らは、「五輪は特別だ。一般のイベントと同じ扱いにすべきではない」といった「上積み論」を主張している。首相はコロナ禍にオリパラを開く意義について「まさに平和の祭典」「安心・安全の対策をしっかり講じる」などと繰り返す。言葉通りに実現できるのか。観客のあり方をめぐる7月上旬の判断が、試金石の1つになる。
投稿者によって、タイトル付けを行いました。
次号/五輪開催混迷の「張本人」は安倍首相だ!任期中開催・完全開催にこだわり収拾できず
前号/与良政談★菅首相「五輪に勝負を賭けた」一か八かは菅政治の本質、でも国民の命は