魚を大事にしない日本人シリーズ R7-7
ROUND7 怖い!マグロのダイオキシンとメチル水銀
ダイオキシン禍は母乳にまで及び赤ちゃんの身体内は制限値の18倍に
■それでもWHOは免疫機能を備えるため母乳で育てるべきとの見解
ダイオキシンの怖さ6/ダイオキシンについての最後は、母乳による赤ちゃんへの汚染です。母乳は、お母さんの血液が濃縮されたものです。母親に蓄積されたダイオキシン類が血液を通じて母乳となって出てくるので、「ダイオキシン類の耐容1日摂取量」に当てはめてみます。母乳には、0.7pg/gのダイオキシン類が含まれています。赤ちゃんに1日500g(ml)の母乳を与えると、ダイオキシン量は350pgです。体重1kgに対し制限値は4pg(下記)なので、例えば5kgの赤ちゃんの制限値は20pgです。そうなると母乳は、制限値の17~18倍に相当します。
しかし母乳で育てるなという意味ではなく、WHO(世界保健機関)の見解でも、細菌やウイルスなどの免疫機能を備えるために、できる限り母乳で育てるべきだとしています。皮肉なことに母乳を飲ませると、母親に蓄積していたダイオキシン類は半年で40%、1年で60%が赤ちゃんに移行します(母親から抜けていく)。母乳と人工乳(粉ミルク)の子とでは、母乳で育てた子供のほうがアトピー性皮膚炎の割合が1~3割多いようです。それでもトータル的には、母乳に優るものはありません。
赤ちゃんへの母乳をやめてもお乳が出れば、絞って捨てることが少しでも身体内からダイオキシン類を抜く手立てです。統計上は、「3人以上出産した女性は長生き」が証明されています。(下記リンク参照・母乳や臍帯を介して我が子へと危険物質が移動し蓄積することを知る)。要は、母親は妊娠中にダイオキシン類の多い食品を減らす、満遍なく食べ偏食しないことです。本当はそれでは遅く、独身の早い頃から、身体内にダイオキシン類を溜めないような食事対策が求められます。
▽WHO(世界保健機関) ダイオキシン類を生涯摂取しても影響のない耐容1日摂取量 (前出)
4pgTEQ/kg(体重)/日 ※pg(ピコグラム)は、1gの1兆分の1
ダイオキシン類を生涯摂取しても影響のない耐容1日摂取量200pgTEQ(体重50kgの場合)
(体重5kgの赤ちゃんなら、20pgTEQが制限値です)
数値等は専門的なので、詳細は覚える必要はなく概要程度として把握して下さい。
食品のカラクリシリーズ(詳しい内容)
母乳や臍帯を介して我が子へと危険物質が移動し蓄積することを知る
■「沈黙の春」著者レーチェル・カーソン女史の教えが今や回転寿司に
レーチェル・カーソン氏を、ご存じですか? 1960年代に、農薬・DDTなどの危険性・残留性、生態系への恐れを告発した米国の生物学者です(1964年没)。著書「沈黙の春」はあまりにも有名で、投稿者は数十年前に読み多いに環境問題を触発されたものでした。日本でも1970年代後半に、有吉佐和子氏が「複合汚染」を著わしました。お二方とも当時は変人扱いされ、農薬・化学薬品などの関係業界から厳しい圧力を受けました。
それから半世紀前後、お二方が訴えた化学物質の恐怖と対策、自然環境の保護は、少しずつ世界の人々の理解を得て動き出しました。ダイオキシン類と言えば、ベトナム戦争で米軍が使用した“枯れ葉剤”が有名です。その影響で、ベトちゃんドクちゃん~上半身が2つ・下半身が繋がった結合双生児が産まれ、世界中が驚愕しました。国内でも食用油にPCBが混入、色素異常を発症した“黒い赤ちゃん”が産まれるなど1.4万人が被害を訴えた、カネミ油症事件を忘れる訳にはいきません。投稿者として、従来から食を通じての化学物質の怖さを、当ブログ「食品のカラクリシリーズ」や別ブログで回転寿司を食す方々にお伝えしております。できれば「沈黙の春」「複合汚染」をお読みになり、趣旨をご理解頂ければと存じます。
書籍「沈黙の春」から回転寿司へ一挙に話を飛躍することは、世界初?ではないでしょうか(苦)。もちろんレーチェル・カーソン氏は、当時、日本独自の回転寿司はご存じなかったと思います。マグロや多くの魚介類がダイオキシン類やメチル水銀で汚染されるにつけ、お二方がおっしゃったことが身に染みます。
レーチェル・カーソン日本協会/HP
食品のカラクリシリーズ(詳しい内容)
食品のカラクリシリーズは有吉佐和子著「複合汚染」が原点