偽装魚の実態シリーズ 魚卵の偽装 いくら
偽装魚卵名 マス子・人造イクラ
いくらは偽装卵のマスコが使われるか質の悪いロシア・アラスカ産
危険な薬剤や食品添加物で誤魔化すのであまり食べないこと
■「マスコ」(鱒の卵)が偽装されかつては製薬会社が開発した人工卵
イクラの偽装卵問題は、昔から絶えません。イクラネタの最近の動きは、さながら「卵(乱)世」の時代を迎えています(オヤジギャグ!)。マスコ~鱒子(鱒の卵)が、かなり使われていることです。一般のお客は、中々分からないことをいいことに、回転寿司店は使い放題です。あるいは本物のイクラを使ったものでも、質の悪いロシア・アラスカ産です。
かつては、ご存じの人工イクラ(人造イクラ)でした。製薬材料会社が、錠剤の開発中に偶然できたものです。カラギーナンという、天然でも発ガン性や催奇形性の危険が高い食品添加物の増粘安定剤で作られます。あるいは、サラダ油・アルギン酸ナトリウム(増粘安定剤)・着色料で作る方法もあります。「コピーイクラ」ほど、お客をバカにしたネタはありません。ロシア・アラスカ産が安くなったので、人工イクラは淘汰されてしまいました。
時々、知人から自然のままの新鮮なイクラをもらうのですが、その際は醤油やみりんだけを足します。しかし回転寿司店のもう1つの問題は、質が悪いイクラを使うために、危険度(発ガン性・慢性毒性)ではトップクラスの発色剤の亜硝酸ナトリウムで赤みを保ちます。酸化防止剤も当然入っているでしょう。さらに還元水飴・アミノ酸調味料・魚介エキスなどを塗します。
■回転寿司のイクラは食べ過ぎないようにご忠告申し上げます
亜硝酸ナトリウムは、ハム・ベーコン・ソーセージなどが黒ずむの防ぎ、ピンク色に保つように添加されています。かなり強烈な毒性のため、大手食肉製品メーカーは使用基準を守っています。怖いことは、ただでさえ亜硝酸ナトリウムは摂り過ぎる上、水産加工業者には法律(基準)無視、あるいは知識が乏しいまま過剰に添加される恐れがあるからです。
回転寿司に限らず、激安食品を歓迎する向きもありますが、安い→食材の質が悪い→危険度の高い食品添加物で補う・法令を無視して不明な薬剤を使うなど、食品の裏側を見れば、「安さ=怖さ」であることが見て取れます。イクラファンは多いのでこの程度にしておきますが、あまり偏って回転寿司のイクラは食べるべきでないと思います。
最後に、イクラとスジコの違いは、膜に包まれているかどうかと思っている方が多いようです。もちろん、どちらも鮭(さけ)の卵には変わりありません。鮭の“未熟卵”を、卵巣膜に包まれたまま塩漬け(塩蔵)したのがスジコです。イクラは、産卵前の“塾卵”を卵巣膜から剥がして塩蔵したものです。
■本物・イクラのミニ情報/日露戦争時キャビアの代用から広まる
イクラは、元々ロシア語で魚卵全般を指す言葉が、いつからか日本ではバラバラになった鮭の卵を言うようになったようです。雲丹(うに)と同様に、軍艦巻きの人気ネタとしての歴史は戦後生まれです。そもそもイクラは、日露戦争時代にキャビアの代用にされたのが始まりで、今日の醤油漬けに変化していきました。
以前、勤めていた会社の近くの飲食店では、鮭とイクラの“海鮮親子丼”が名物でした。メニューには大きな字で鮭とイクラと書いてあっても、初めて入店した客は鶏と卵の親子丼と思い、しょっちゅうトラブルを起こしていました。この原稿を書いていたら、おいしかった昔を思い出しました。
回転寿司店を始め激安居酒屋・弁当チェーン・ファストフード店・惣菜店など
の安さの秘密は、こういう魚やネタを使っているからです。
偽装魚とは、本物魚の味や食感に似た外国の別種魚や深海魚のことです。