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五輪パラ組織委は点字による入場券購入方法を作成せず視覚障害者にも不誠実/東京五輪の危うさR6-8

2021年04月30日 | 東京五輪の危うさ
Oiympictp2 少数派シリーズ/東京オリンピックの危うさVOL.69
ROUND6 オリンピック精神を忘れた2020東京オリンピック編 8
五輪パラ組織委は点字による入場券購入方法を作成せず視覚障害者にも不誠実

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ブログを移転したため、投稿日と記事の日時・状況と整合性がありません。記事は2019年10月、旧ブログに投稿したものです。アスリートファーストの尊重は微塵もなく、政治家・経済界・五輪関係者などは己の思惑・利益・保身のために、東京オリンピックの悪用が目に余ります。年月が経過しても、ブログにてその検証や事実を残しておく必要があると考えます。

■猛暑パラリンピックに体温調節が難しい障害者が参加、車椅子は照り返しを受けやすい
五輪(オリ)パラ組織委員会(東京オリンピック・パラリンピック組織委員会)が「アスリートファースト」支援に至ってないことを、散々、申し上げてきました。この期に及んで、オリンピックとパラリンピックのチケットの購入方法について、点字による説明資料が作成されていないことが判明しました。アスリートファーストに続き、「障害者ファースト」についても不誠実な方針に、視覚障害者団体からも不満が出ています。今号はこの件の他に、②東京の猛暑は健常者以上に障害者へ負担が掛かる、③パラリンピックの公式記録映画を製作する計画がない、④遅ればせながらパラリンピックの名前の由来をご説明致します。パラリンピックは22競技540種目、過去最高の4400人が参加予定です。ボッチャ・ゴールボールなど独自の競技、視覚障害者の5人制サッカー、下肢障害者のシッティング・バレーボール、一般種目でもルールを変えて行われます。

視覚障害者参加に欠かせない五輪・パラの点字案内が作成されず
大会のチケット購入方法について、点字による説明資料や必要な情報を音声で案内するCDが作成されていないことが分かってきました。視覚障害者団体は、オリパラ組織委自ら定めたバリアフリー化の指針「公共的な文書は、全て点字・テキストデータ・拡大文字または音声形式での提供することが望ましい」と規定」)に反していると批判しています。東京都盲人福祉協会がオリパラ組織委に点字表示を求めたところ、「HPの音声読み上げ対応をしており点字資料の作成はしない、配慮が必要な人の専用ダイヤルを設置した」との回答に反発しています。協会は、「高齢障害者を中心にパソコンやスマホを使えない人が多い」 「音声読み上げには時間が掛かり、専用ダイヤルの案内に行き着くのも困難」 「購入方法の要点やダイヤルの電話番号だけでも点字やCDで案内して欲しかった」としています。

オリパラ組織委員会が掲げる「多様性と調和」~共生社会の実現を目指す~から大きく掛け離れています。オリンピック競技においても杜撰な対応ばかりで、パラリンピックでも全く障害者のためになっていません。確かに点字資料やCDはHPと異なり、追加・変更など状況が変わっても案内ができない欠点があるのは分かります。抗議があったにもかかわらず、組織委は当初の方針を全く変えず、視覚障害者無視を貫いています。障害者にこそ、適宜、きめ細かい対応をしてこそ共生社会の実現ではないでしょうか。何度も書きますが、“政治家上がり” “役人上がり”で権力を振り回すだけのオリパラ組織委メンバーでは、障害者の気持ちなどに全く気が回らないでしょう。今更、こんなレベル?とビックリします。特に視覚障害者団体の全国組織・日本盲人会連合も、反発しています。誰のためのオリンピック、パラリンピックなのでしょうか?

残暑でも体温調節が難しい障害者や車椅子は照り返しを受けやすい
パラリンピックは、オリンピック終了後の8月25日から9月6日まで行われます。残暑の季節とはいえ、依然、35℃以上が予想される「猛暑」状態です。選手によっては体温調節が難しい障害者~例えば頸髄(けいずい)損傷者がいて、健常者以上に高温による影響が懸念されます。また車椅子によるマラソン、パラトライアスロンのクラス(ハンドサイクル)によっては仰向けに寝そべる姿勢でレースを行います。そのため路面から数十cmしか離れておらず、照り返しは尋常ではないと言います。オリンピック選手でも過酷な大会と叫ばれる中、障害者は熱中症・熱中症死する恐れがさらに高いのです。そのような条件にもかかわらず、日本選手の金メダルは22個以上が目標だと騒ぎ立てています。障害は個々に異なり、目標も様々です。メダル至上主義が蔓延れば、大会が目指す多様性の否定に繋がる恐れがあります。

オリンピックは記録映画が義務付けされているがパラリンピックにはない
オリンピック記録映画と言えば、市川崑監督の「東京オリンピック」(前回)、1936年・ベルリンオリンピック「民族の祭典」(日本名)、冬季大会は「白い恋人たち」1968年・グルノーブルが有名です。投稿者は、皆、観ました。今度の東京五輪でも公式記録映画が製作されますが、パラリンピックは計画がないそうです。オリンピック映画は1912年ストックホルム大会から始められ、IOCは製作を義務付けています。一方、パラリンピックは義務付けておらず、過去の大会でも作られていません。でも東京オリパラの基本コンセプトの1つは、「未来への継承」です。独自に製作したらどうでしょうか。あるいは、オリンピック・パラリンピック一体の記録映画もいいのでは。IOCやIPC(国際パラリンピック委員会)とで、協議してもらいたいものです。組織委は7年間の時間があったにもかかわらず、提唱あるいは独自企画してこなかったことは怠慢です。

■パラリンピック名の由来、当初は「下半身マヒ」・現在は「もう1つの」を意味する
障害者スポーツの始まりは、1948(S23)年、英国ストーク・マンデビル病院で第二次世界大戦の負傷者のリハビリとして、アーチェリー競技大会を行ったことによります。その後、国際大会化・種目も拡大、1960(S35)年、ローマオリンピック後に「パラプレジアオリンピック」として開催されました。そして1964年、東京オリンピックで初めて「パラリンピック」の名称が使われました。但しこの場合のパラは、パラプレジア(paraplegia=下半身まひ)を意味しました。前回の東京パラリンピック開催に当たり、国内では“障害者を見せ物にしていいのか”と批判がありました。当時は、そうした時代感覚でした。その後、下半身まひ者だけでなく、障害者の枠が広がっていきます。そして1988年ソウルオリンピックではパラリンピックの解釈を改めることになり、「もう1つの」 「並行する」意のパラレル(parallel)として使われ、今日に至ります。

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