ひびのあれこれ・・・写真家の快適生活研究

各種媒体で活動する写真家の毎日。高円寺で『カフェ分福』をオープンするまでの奮闘記、イベント情報などをお伝えします。

マルコ・ベロッキオとティム・バートン

2010年05月08日 | Weblog
今週は映画を2本見た。
どちらも(ある意味)気が狂ってる監督(もちろん賛辞)という意味でひと括りに。

マルコ・ベロッキオの「母の微笑(2002、伊)」は、気の狂い方の方向は異なるけれどオリヴェイラに近しいものを感じる。
没落貴族が聖家族として人生の"保証"を得ようとすったもんだする物語(超意訳)だが、宗教的シンボルに疎い私にはキーとなるカットの意味が読み取り切れない。
ただ、全編に漂う禍々しさや胡散臭さから、「宗教の先生(イレーネ)」の登場するシーンだけが完全に解放されている。
主人公(エルネスト)のアトリエに忍び込んだイレーネと、エルネストがすれ違うシーンの切なさ、ラスト間際で追いかけっこするシーンの無邪気さがとても印象的。
カットも絶妙で、いつまでも見ていたいと思わせる心地よさだった。

ティム・バートンの「アリス・イン・ワンダーランド」は、3Dではないバージョンを見た。
ディズニー映画だとは!遅まきながら劇場で初めて知った。
もったいぶったタメがなくって小気味よく展開。
ジョニー・デップは相変わらずチャーミング、チェシャ猫もいい味出してる。
悪の権化「赤の女王」と平和の象徴「白の女王」の境界の曖昧さがバートンらしく危うく描かれている。
娯楽映画として大いに楽しめた。