掛川城竹の丸に建つ「旧松本家住宅」の離れ二階の「貴賓室」です。三方の窓が開け放たれていたため風がよく通っていて、しばし涼んでいました。
「貴賓室」の南ベランダより主屋の屋根を見ました。屋根が二重に見えますが、下の屋根は庇屋根です。
「貴賓室」の南ベランダより南を見ると、右奥に掛川城天守が見えます。竹の丸の位置が城の北側であることが理解出来ます。
望遠モードで撮影した掛川城天守。
「貴賓室の」隣の「座敷」に移って東の窓から景色を見ました。住宅地の向こうに平坦な丘陵地が見えました。あれが掛川城が築かれる前の古城、すなわち掛川古城です。
その掛川古城へは、平成の始め頃、20代前半の頃に一度行ったきりでしたので、今回はあれにも行ってみるか、と思い立ちました。
竹の丸を辞して道を東へまっすぐに150メートルほど進むと、南に小学校を見下ろす丘陵地にあがります。城跡にはいま龍華院という寺があり、古城の中枢部の殆どがその境内地になっています。上図はその龍華院へ登る参道ですが、道から左に分かれる形です。とりあえず、右側のゆるやかな登り坂を進みました。
右側の道も、かつての城内通路であったのかはよく分かりませんが、右下に広がる小学校の敷地がかつての館跡であり、道の左に高さを見せる切岸などに郭の連なりが望まれました。
平坦地や切岸が並んでいかにも中世戦国期の土造りの城郭の雰囲気が濃厚でした。
郭の要所はさらに高く造られてありました。土塁でしょうか。
やがて左側に大きな堀切が見えました。掛川古城の本丸の直下を大きく遮断する防御線です。堀底は散策路になっていました。
道から左にそれて、この公園地にあがりました。ここも掛川古城の遺跡で出郭にあたる場所であったようです。公園の名称が「龍華院子角山公園」ですので、ここも龍華院の境内地に含まれるのかもしれません。
かなり広い公園で周りが住宅地なのですが、暑さのせいか、遊びや憩いの人影は全く見当たりませんでした。木立ちの中から吹き抜けて芝生をなでてゆく夏風が、あおあおした匂いをもただよわせて、空にかけてゆくのみでした。 (続く)