へそ曲がりおじさんのひとり言

常識にとらわれるのが嫌い。
他人と同じ事が嫌い。
世の中、別な角度から見ると新しい物が見えるから。

偽りの省エネ

2009年12月14日 03時34分31秒 | Weblog
時節柄、各地で中止ていたものを再開したものや規模を拡大したものなど、様々なイルミネーションが華やかに点灯されているのだが、これって「省エネに逆行している」と思わないのだろうか。
単純に考えれば「LEDは電力の消費量が少ない」と言う事で「省エネ」と言うことにはなるのだろうが、これはあくまでも「従来の電球をLEDに交換した場合」の話で、廃止していたものを復活させたり、規模を拡大した場合などは「省エネにならない」と言うことが忘れられている。
極端な話ではあるが、電力消費量が「10分の1」になったとしても、数が10倍に増えてしまえば元も子もなくなってしまうのである。
温暖化ガスの排出削減が求められている今日この頃、一般家庭で灯すイルミネーションもバカにならないだろうが、それ以上に「人集めのための豪華なイルミネーション」を考えなくてはいけないだろう。
不景気の影響を受け、各地の繁華街や商業施設が競って人集めのための豪華なイルミネーションを施しているのだが、一般家庭であれば、収入が減少すれば「無駄なものを減らして対応する」と言うことになるのだろうが、これが売り手側になると話が逆になるから困るのである。
更に困った事に「どこかが派手なイルミネーションで人を集めると、必ずと言ってよいほど他所も真似をする」と言う事で、言わば「見栄の張り合い」と言った感じになり、結果的には「温室効果ガスの増大」と言う悪影響しか残らないのである。
鳩山総理が打ち出した「温室効果ガス25%削減」、この目標を達成する事がどれほど難しい事かはこのことを見てもわかるだろう。
世界各国で省エネのための技術開発が進んでいるのだが、皮肉な事に「省エネ技術の発達が温室効果ガスを増加させる」と言うことには考えが及んでいないのである。
「まさか?!」と思うだろうが、一つの代表的な例として「電気自動車」を考えてみると良くわかるだろう。
「電気自動車は温室効果ガスを出さない」とは言うものの、「動かすための電気を作る発電所では温室効果ガスを排出する」と言う問題を抱えており、電気自動車の開発が比較的簡単なために「中国では沢山の電気自動車を作る会社が出来ている」と言う問題がそれに拍車をかけることになるだろう。
???、と思うかもしれないが、「比較的簡単に電気自動車が作れる」と言う事は、「安価でも売れる」と言うことになり、従来の車では価格が高いため買うことが出来なかった人たちでも買えるようになり、結果として「車の台数が増える」と言うことになり、必要な電力量も増加する事になるのである。
これは正に「いたちごっこ」と同じ事で、「新たな技術開発が新たな需要を掘り起こす」と言うことを忘れているからである。
ヨーロッパ諸国が比較的排出削減に成果を上げているのは、「出来るだけ車に乗らない」と言うことに努力している結果で、温室効果ガスの排出削減を真剣に考えるのであれば、「技術開発に頼る」より「出来る限る使わない」と言うことのほうが確実に成果を上げることが出来るだろう。
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