ここにいない、という空白が
恐ろしかった
暖かい飲み物を口に含んだ
味なんてなかった
心臓の騒音で眠れやしなかった
がたがた震える窓と奥歯
どうすれば良かった?
柔らかい毛布は冷たくて
あなたの物で溢れた部屋に
あなた以外のすべてが取り残されていた
自然分解とはいかなくて
まさに産廃だった 散々だった
さっさと埋めるしかなかった
産声をあげた記念碑も更地にして
世界一くだらない夜を積み上げた
胸をかきむしる
いらついた
なんの感情も湧かないはずなのに、
なんの脈絡もなく激昂した
勿論なんの秩序もなかった
だから、からっぽの部屋で朝を迎え
それが偽物だと気づいたとき
二度と日が昇ることはないと知った
【おわり】