優しさも思いやりも、いらなければ暴力だ。むなしい。どうしてという言葉が次々と口の端で泡立った。
喜んでほしい、欲を言えば感謝されたいという下心は下品なのだろうか。
怒りがこみ上げる。身勝手だ。独りよがりだ。思い上がりだ。頭ではわかっているつもりなのに、どうしても止まらなかった。
不器用ながらのへたくそな真心が、犬も食えないゴミのように扱われたようで、悲しくて悔しくて惨めだった。
きっと自分自身の物事を捉える道理がすでに狂っていたんだろう。ピントの合わない眼鏡をかけて、野を走り回る幼子のように、最初から何もかも危険で全く不適切だったんだ。
はじめから、ずっと。
【おわり】