児童文学作家を目指す日々 ver2

もう子供じゃない20代が作家を目指します。ちょっとしたお話しと日記をマイペースに更新する予定です。

歪み歪み

2022-06-04 | 物語 (電車で読める程度)

優しさも思いやりも、いらなければ暴力だ。むなしい。どうしてという言葉が次々と口の端で泡立った。

喜んでほしい、欲を言えば感謝されたいという下心は下品なのだろうか。

怒りがこみ上げる。身勝手だ。独りよがりだ。思い上がりだ。頭ではわかっているつもりなのに、どうしても止まらなかった。

不器用ながらのへたくそな真心が、犬も食えないゴミのように扱われたようで、悲しくて悔しくて惨めだった。

きっと自分自身の物事を捉える道理がすでに狂っていたんだろう。ピントの合わない眼鏡をかけて、野を走り回る幼子のように、最初から何もかも危険で全く不適切だったんだ。

はじめから、ずっと。



【おわり】