児童文学作家を目指す日々 ver2

もう子供じゃない20代が作家を目指します。ちょっとしたお話しと日記をマイペースに更新する予定です。

お誕生日の夜

2022-06-29 | 物語 (電車で読める程度)
うぎゃあ
大きな声がして少年は飛び上がりそうだった。慣れないことは何度くりかえしても慣れない。
また兄が「いらんこと」をしたんだ。
少年のお母さんは「いらんことする子はウチにはいらん。」といつも言っていた。
「いらんこと。」とは少年にはあまりよくわからなかったが、とにかくお母さんがしてほしくないことなんだとおもっていた。

学校に行きたくないとおもっていた。
いっても意味ないからだ。
だから算数なんかじゃなくて、仲直りの方法を知りたい。教えてくれるなら、今すぐにだってあの学校にいくのに。

なにか大きな音がして、少年はふと恐竜のマグカップを買ってもらったときのことを思い出したのだった。


【おわり】