うぎゃあ
大きな声がして少年は飛び上がりそうだった。慣れないことは何度くりかえしても慣れない。
また兄が「いらんこと」をしたんだ。
少年のお母さんは「いらんことする子はウチにはいらん。」といつも言っていた。
「いらんこと。」とは少年にはあまりよくわからなかったが、とにかくお母さんがしてほしくないことなんだとおもっていた。
学校に行きたくないとおもっていた。
いっても意味ないからだ。
だから算数なんかじゃなくて、仲直りの方法を知りたい。教えてくれるなら、今すぐにだってあの学校にいくのに。
なにか大きな音がして、少年はふと恐竜のマグカップを買ってもらったときのことを思い出したのだった。
【おわり】