ひとすくいの掌編 2024-02-17 | 物語 (電車で読める程度) 辞書ほど厚い紙束。明日には裁断しなくちゃいけない。仕方がないけれど、一方でこの作品たちに意味はないのだともおもう。そうおもうことで心に蓋をした。作品たちが産み出されるとき、内側の物語に耳を澄ませ、誰かに喜んでほしいと言葉にするのだ。そんな瞬間だったのだとおもった。その思い出はきっと彼らの誰かにとってはひとすくいの宝物になるだろう。ならば悪くはないかもしれない。小学4年生の自分が右端の座席で鉛筆を走らせていた。【おわり】