船長、俺悔しい。
こんな宇宙船本当は乗りたくて乗った訳じゃない。今ごろどうせ兄弟は地球で楽しくやってる。これからどんな星に辿り着いたって、好きな人に告白したり、友だちとしゃべったりできないんだ。そもそもお母さんは俺にばっかり厳しい。いつも何かルールを決められる。それをなんとか守ってきたのに、どうして俺が宇宙に行かなきゃいけなかったんだ。どうしたらよかったんですか。教えてください。
それは私にはわからない。ただひとつ言えることは君が成長するためには君の意思が必要だ。何故ならこれは君に課された特別任務であるからだ。そう強く信じなさい。そして彼方果てで君は君にしかわからない幸せを掴みなさい。
地球の夜空に浮かぶ星に紛れた宇宙船。
誰も探すことはなかった。
【おわり】