おおみそか。紅白歌合戦を聞きながら読書。先の幕末・維新を読み終える。本当に面白かった。しかし疑問もわき上がる。先に紹介したように世界が見えていたのは江戸幕府であった。しかし負けた。過激攘夷では通用しないことを急速に学んだのである。幾多の犠牲を出して。そして大人になった。列強の傲慢に未開国として如何に対応するか。忍耐と粘り強い交渉。そして実は日本は占領することが西欧列強の戦略ではなかった、ということに救われたのだと。この後者の解釈は全く新しい、しかし説得的である。
明治政府の急速な改革は大規模な叛乱を招き、最後は西南戦争で収まるが、その血を流した過程とそこでの人間模様が手にとるように見える、歴史書であった。幕末封建時代は本当に悪だけだったのか?じゃ、なぜ250年以上も安定が続いたのか?という私の長年の疑問も少し解けた気がする。明治維新の攘夷思想が最後は壮絶な第2次世界大戦となり、「明治以降は日本ではない」とする司馬遼太郎の思いと通ずるものがある。
この時以降、日本は急速に西欧文明を取り入れるが、日本を未開国、そう馬鹿にする西欧への怨嗟。その構図は今も根底にはある。日本の科学は世界を圧巻しなければならないという政治の要請、経済の要請。その根底的思想は「攘夷」である。
しかし怨嗟から出発すると、それを成し遂げたかに見える時、傲慢が生まれる。日露戦争のとき、そして第2次世界大戦開戦期、80年代日本の経済バブルの時、それがあった。もう一度道を間違えたくないものである。
明治政府の急速な改革は大規模な叛乱を招き、最後は西南戦争で収まるが、その血を流した過程とそこでの人間模様が手にとるように見える、歴史書であった。幕末封建時代は本当に悪だけだったのか?じゃ、なぜ250年以上も安定が続いたのか?という私の長年の疑問も少し解けた気がする。明治維新の攘夷思想が最後は壮絶な第2次世界大戦となり、「明治以降は日本ではない」とする司馬遼太郎の思いと通ずるものがある。
この時以降、日本は急速に西欧文明を取り入れるが、日本を未開国、そう馬鹿にする西欧への怨嗟。その構図は今も根底にはある。日本の科学は世界を圧巻しなければならないという政治の要請、経済の要請。その根底的思想は「攘夷」である。
しかし怨嗟から出発すると、それを成し遂げたかに見える時、傲慢が生まれる。日露戦争のとき、そして第2次世界大戦開戦期、80年代日本の経済バブルの時、それがあった。もう一度道を間違えたくないものである。