人物で語る物理入門 (上)岩波書店このアイテムの詳細を見る |
行き帰りの通勤読書。一気に読んだ。
この本はおもしろい!とくに重要な論争の部分の記述と論点の描きが実にうまい。一気に17世紀から20世紀初頭までの物理の主要なジャンプがわかる。とくにどのような自然観や方法論の転換や飛躍をもたらしたかがすーっと入ってくる。原子論をめぐるマッハとボルツマンの激烈な闘争の描き方など抜群だね。ともすると物理にうとい地球科学を学ぶものにとっては実にいい入門書であるね。昨年春、いったウイーン大学前の風景を思い出しながら読むと、歩く姿が目に浮かぶようだ。(ボルツマンはウイーン出身である)
私の顔となってくれている彫刻はそのウイーン市庁舎の中の1つである。眼鏡をかければ、ちょっと自分に似ているかなってね(ちょっと脱線:ちなみに欧州地球科学連合大会は今年も4月にウイーンである)。
これと18世紀末からの地質学の成立、20世紀に入っての地球物理学の発展、そして20世紀後半のプレートテクトニクス成立から現代へつづく地球科学の歴史と照らし合わせると実におもしろい。
下巻もたのしみである。