スペースシャトルが爆発し、アメリカ国内に墜落した。
調査機関がバラバラになった破片を調べたところ、なんと細菌のような謎の生命体が付着していることがわかり、防疫の責任者であるタッカー(ジェレミー・ノーサム)は驚愕する。
調査現場から引き上げようとしたとき、少女が拾ったという破片を差し出されたタッカーは、それを手に取ろうとして誤って怪我をしてしまう。
その後帰宅したタッカーは、束の間の睡眠中、“変化”を起こす…。
精神科医のキャロル(ニコール・キッドマン)は、元夫タッカーから、息子オリバー(ジャクソン・ボンド)への面会要求を受けていた。
離婚してから全くオリバーに興味を示さなかったタッカーの突然の要求に戸惑うキャロル。
その頃、彼女の周囲で不可思議なことが起こり始める。
夫が別人になってしまったと、なじみの患者が訴える。
また、車で通りかかったトンネルで、女性が謎の言葉を発しながら車に轢かれるのを目撃するが、やってきた警官は事故の目撃証言は要らないと言う。
そしてキャロルは、オリバーをタッカーの元へと送り出すのだが…。
おっと!
簡単に冒頭からの筋を書いたが、キャロルの友人であり“現在もっとも大事なひと”である医師、キャロルを愛する男ベンを演じるダニエル・クレイグが出てこなかった。
それはともかく、ウィルスのような大きさの知的生命体という設定は面白い。
「カサンドラ・クロス」や「アンドロメダ」を思い出したが(古~!)、地球で誕生したものではないところがミソ。
原作はSF小説で、これで4回目の映画化とか。
「遊星からの物体X」(ジョン・カーペンターの方)のように、ひとつの生命体が次々相手を変えていくのではなく、ウィルス状の生命体が人間に入り込み、DNAを書き換えて侵略していくというのは怖い。
寝ている間にDNAが書き換えられるので、既に“侵略”された夫から生命体を移された(押さえつけて咳を吐きかけるのだが、汚いっちゅうねん!)キャロルが不眠不休で戦う姿は、こちらが眠りたくなる錯覚に陥る。
この生命体が“侵略”すると、人間らしい感情が無くなってしまうのだが、それによって争いの無い世界が生まれるというところは意味深。
“侵略”された人間曰く、
「受け入れれば戦争も犯罪もない、平和な社会が訪れる」
と、新興宗教の勧誘のように“侵略”されていない人間に迫る。
ダニエル・クレイグの説教くさいシーンがうるさいのだが、他の生命体にDNAレベルで書き換えてもらわないと、この世から戦争や犯罪は無くならないのだ!と訴えかけているよう。
アメリカを中心に生命体の侵略が進むところはなんとも皮肉。
他国に戦争をふっかけて自国の産業を振興することばかりやってるアメリカに対する嫌味だね。
んー、なにやらいろんな映画のモチーフがてんこ盛りな感じもする、可も無く不可も無い作品であるが、ニコール・キッドマンは相変わらず美しいのでヨシとする♪
「
インベージョン」
2007年/アメリカ 監督:オリバー・ヒルシュビーゲル
出演:ニコール・キッドマン、ダニエル・クレイグ、ジェレミー・ノーサム、ジェフリー・ライト、ジャクソン・ボンド、ベロニカ・カートライト