面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「ロボゲイシャ」

2009年11月21日 | 映画
どうにも冴えない少女・ヨシエ(木口亜矢)は、美しい芸者の姉・菊奴(長谷部瞳)の付き人として、芸者置屋でこき使われる日々を過ごしていた。
ある日、菊奴の馴染の客である影野製鉄の御曹司・ヒカル(斎藤工)に密かに持っている高い戦闘能力を見込まれたヨシエは、菊奴と共に夕食に誘われる。

自宅兼会社である影山製鉄本社に赴いた二人は、ヒカルと彼の父親である影野挙山(志垣太郎)とともにシャブシャブをご馳走になった。
その席で、影野製鉄が実は裏家業として様々な兵器開発を行っていることを知り、驚くヨシエと菊奴の前に、突然ナゾの二人組「天狗軍(テングン)」が現れ、姉妹を拉致してしまった。
拉致された姉妹が送り込まれたのは、影野製鉄が裏家業の一環として作り上げた「殺人芸者マシーン」の養成所であった。
そこでは、武術を磨くだけでなく、様々な武器を芸者の体に装備する改造も手がけていて、強くなりたい姉妹は自分達の体に次々と改造を加えていくのだった。

日本髪に仕込んだマシンガン、脇の下やお尻に仕込まれた刀などを武器に、優秀な暗殺“芸者”として成長するヨシエだったが、ある任務をキッカケに影野製鉄の陰謀を知って衝撃を受け、市民グループと共に反旗を翻す。
一度は影野製鉄に敗れたヨシエだったが、戦車に変身する下半身(「ゲッターロボ」のゲッター3か!?と突っ込んでしまった)を得て、影野の野望を打ち砕くために、巨大ロボットと化した影野製鉄本社“城”に立ち向かっていく…

「片腕マシンガール」の井口昇監督の最新作。
待望の作品だったのだが、大阪では天神橋筋六丁目にある映画館一館のみの上映でしかも短期間という“過酷な上映スケジュール”のため、危うく見逃しそうになった。
いや~!無理してでも観に行ってよかった♪
相変わらず奇想天外な改造女性がわんさか登場する“SF伝奇痛快娯楽映画”。

「全世界唖然!前代未聞の新型ガールズ・ムービー」というコピーは、まさにそのまんま。
「片腕マシンガール」よりも、バカバカしさ・くだらなさはパワーアップ!
そこへ、志垣太郎の大仰な演技と、「笑いながら怒る男」や「ヘミングウェイの物まね」をやっていた頃を思い出させる竹中直人の“独り言系”ちまちま演技が花を添えている。

全編に失笑が満ち溢れた怪作。
パンフレットが売り切れていたのが心残り…


ロボゲイシャ
2009年/日本  監督・脚本:井口昇
出演:木口亜矢、長谷部瞳、斎藤工、志垣太郎、竹中直人、生田悦子、松尾スズキ