『植物 オヤジ』

日々出会う植物たちの「たくましさ」と「美しさ」を再発見する、ハードボイルド・ボタニカルライフ。音楽、美食なども。

お彼岸

2014年09月28日 | 日記
お彼岸も開けた。
今日から夜が長くなる。
夏の日差しでぐったりした植物たちには朗報だ。
街のあちこちで頑張っていた日々草は勢いをなくし、サルスベリも役目を終えた。
今はコスモスやキクの仲間が元気だ。



彼岸花。
葉っぱを持たず、真っ赤な怪しげな花を咲かす。
どこかネガティブな印象がぬぐえないが、それは理由がある。
アルカロイド、天然の強い毒をもっている。
毒を宿した赤なのだ。
第一印象には理由があったのだ。
人間もそうだ。
立派なことを言っていてもどこかうさんくさいヤツ。
どこが問題なのかわからないが、なんか違和感のあるヤツ。
いるねえ。
第一印象は自分が生まれてこのかた蓄えてきた総合力だ。
Yes or No.
のるか、そるか。
生きるための一番大事な感覚だ。



ところで、彼岸花には種類があった。
ここ、名古屋に来て初めて知った。
なんと、上品に白いヤツや、黄色なヤツがいた。
白はいつも走っている公園にも自生していて、黄色は植物園にいた。
黄色はかなり珍しいようだ。
お彼岸より遅れて咲くらしく、なるほど今日きれいに咲いていた。
赤は役目を終えてしょぼくれていた。



赤は毒々しいが、白や黄色はかなりきれいで心ひかれた。
なるほど、これはトラップだ。
毒は赤と同じく宿しているらしい。
柔らかい色彩で人を安心させて企みを成就させるつもりらしい。
(何の企みだ?)
あぶない、あぶない。
世の中はトラップに満ちている。
同時にチャンスにも満ちている。
毒を喰らわば…ともいう。
少しの毒は幸福のスパイスでもある。
多少の毒を含んだヤツの方が面白みがあるのも確かだ。
つるつるした退屈なヤツが一番つまらない。

嗚呼、ボタニカル!