雨の朝。
ベランダ越しに公園の桜を見下ろす。
あいにくの雨ではあるが、ひんやりと湿った風のなかで花を見るのも悪くない。
雨のおかげですべてが落ち着いて見える。
昨日カルセオラリアに小さなハチが遊びにきた。
風船みたいな花を割ろうと刺しにきたようにも見える。
のどかだ。
先日冬を室内で過ごしていたヤツらを戸外に出した。
さみしくなった部屋の中を飾る小さなデンドロビウム。
清楚である。
匂いも可憐だ。
フレームの中の少女は竹久夢二の絵はがき。
なかなかマッチしている。
花を見ているのか夢見ているのか。
夢のような桜の季節はもうすぐ終わる。
嗚呼、ボタニカル!