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首都圏で富士山の降灰対策 大噴火想定し、1年めどに提言
政府の中央防災会議は11日、富士山の大規模噴火に伴う首都圏の降灰想定や火山灰の除去対策策定に向け作業部会の初会合を開き、議論を始めた。噴火直後から時系列で降灰の状況をシミュレーション。深刻な事態が懸念される公共交通などインフラへの影響も検証し、具体策につなげる。1年をめどに提言をまとめ、自治体の防災計画などに反映させる考えだ。富士山噴火で国が首都圏の対策づくりに乗り出すのは初めて。
1707年に起きた宝永噴火を基本に、火山灰の噴出量や噴火の期間、風向きなどを変えて複数のケースを試算。交通のほか電気、水道への影響なども議論する。
がんの3年生存率、平均71% 膵臓は15%と部位で差
2018年9月12日00時05分
国立がん研究センターは12日、がんと診断された人が3年後に生存している割合を示す「3年生存率」を初めて公表した。全てのがんの平均は71・3%。膵臓(すいぞう)がんは15・1%と差があり、治しにくいがんについて、新たな治療法の効果を5年を待たずに評価できるようになると期待されている。
全国のがん拠点病院や国立病院機構などの330施設のうち、生存率を9割以上把握できている268施設のデータを解析。2011年にがんと診断された約30万人を追跡、ほかの死因を除き調整してまとめた。
対象者は70歳代が最も多く、約9万7千人(32%)、次いで60歳代が約8万8千人(29%)。手術や内視鏡によってがんを切除した人の生存率は88%だった。部位別に見ると、膵臓が15・1%、肺49・4%、食道52・0%、肝臓53・6%。胃74・3%、大腸が78・1%、乳房(女性のみ)95・2%だった。
これまで治癒の一つの目安とされてきた、診断から5年後の生存割合「5年生存率」についてもまとめた。今回は08~09年に診断された約50万人のデータを分析した。5年生存率は10%程度のがんもあり、5年よりも早く、有効な治療法かどうか評価できる目安が求められていた。同センターの若尾文彦・がん対策情報センター長は「5年生存率に3年生存率が置き換わるものではないが、速報値としてがん治療の様子を確認することができる」。東尚弘・がん登録センター長は「いち早くデータが分かれば、難治がんについて、より現状に近いデータで対策を議論することができる」と話す。
17年度からの国のがん対策の指針「第3期がん対策推進基本計画」は、膵臓がんやスキルス胃がんなど難治性がんの有効な診断・治療法の開発推進を目標の一つに掲げる。
静岡がんセンターの山口建総長は「がんは、再発するかどうかの経過観察が必要な病気。データが今後蓄積すれば、がんの種類によっては3年たてば治癒の予測ができるようになる可能性がある」と話す。(月舘彩子、土肥修一)
部位ごとのがん生存率
3年 5年
全体 71.3% 65.8%
胃 74.3% 71.1%
大腸 78.1% 72.9%
肝臓 53.6% 39.6%
肺 49.4% 40.0%
乳房(女性) 95.2% 92.7%
食道 52.0% 43.7%
膵臓(すいぞう) 15.1% 10.0%
子宮頸部(けいぶ) 78.8% 75.6%
子宮体部 85.5% 82.5%
前立腺 99.0% 98.4%
膀胱(ぼうこう) 73.5% 70.9%
※診断は3年生存率が2011年。5年は08~09年。国立がん研究センターの報告書から
がんの進行度別の3年生存率(%)
全体 1期 2期 3期 4期
胃 74.3 96.1 74.4 55.3 14.1
大腸 78.1 96.7 92.9 83.6 30.3
肝臓 53.6 76.4 62.8 22.7 5.9
肺 49.4 88.0 59.4 33.6 11.8
乳房(女性)
95.2 100 98.0 88.3 54.4
食道 52.0 88.1 59.3 31.9 15.8
膵臓(すいぞう)
15.1 54.8 29.4 11.8 2.6
子宮頸部(けいぶ)
78.8 96.0 86.5 70.5 30.1
子宮体部
85.5 98.2 94.2 81.4 29.4
前立腺 99.0 100 100 100 72.6
膀胱(ぼうこう)
73.5 92.2 65.2 54.6 26.0
診断は2011年。国立がん研究センターの報告書から