英国のウィリアム王子が13日、6月に開館した「ジャパン・ハウス・ロンドン」を訪れ、開館記念式典に出席した。スピーチ冒頭では「ミナサマ コンニチワ」と日本語であいさつ。ジャパン・ハウスは王子一家が住むケンジントン宮殿に近く、「私の玄関先に日本の創造性と革新の拠点が開館し、うれしく思う」と話した。

 館内では、麻生太郎副総理らとともに日本の工芸品を見学したり、特別展が開かれている新潟・燕三条の金工技術に触れたり。日本料理店では弁当について説明を聞き、サケの刺し身を試食。「とてもおいしい。ランチにまた来ないと。妻はすしが好きです」などと話した。地元の子どもたちと参加した、箸を使って枝豆を器に移し替えるゲームでは、スムーズな箸裁きで周囲を驚かせていた。

 ジャパン・ハウスは日本政府が海外への情報発信拠点と位置づける施設で、ロンドンはブラジルのサンパウロ、米ロサンゼルスに続く3カ所目。地上2階建てに地下もあり、展示スペースや物販、図書室などが入る。建築費は1500万ポンド(約22億円)で、年間の運営費は700万~800万ポンド(10億2千万~11億6千万円)。年間来館者の目標は12万7千人で、すでに12万5千人が訪れたという。