国土交通省は18日、7月1日時点の基準地価を発表した。住宅地、商業地、工業地などを合わせた全用途の全国平均が前年(0・3%下落)より0・1%上がり、1991年以来27年ぶりに上昇に転じた。訪日客でにぎわう観光地や再開発が進む都市部で上昇が続き、地方の主要都市でも高い伸びを示した。

 商業地は全国平均で1・1%上がり、前年に続き上昇した。上昇した都道府県は19となり、前年の17を上回った。上昇率トップ10のうち、半数の5カ所は京都市が占めた。訪日外国人客の増加でホテルや店舗の開業が相次いでいるためだ。地方でも「札仙広福」と呼ばれる札幌、仙台、広島、福岡の主要4市の商業地は9・2%上昇した。日本銀行の大規模金融緩和による超低金利で、不動産の投資資金が地方の都市にも流れ込む動きが続いている。

 全国の商業地の最高価格は東京・銀座2丁目の明治屋銀座ビルで、1平方メートルあたり4190万円。7・7%上昇し、2年連続でバブル期(1990年、91年)の3800万円を超えて最高額を更新した。

 一方、主要4市をのぞく地方圏の商業地は0・6%下落した。下げ幅は前年(1・1%)より縮小したものの、交通の便が悪く、人口減に歯止めがかからない地域の地価は伸び悩む。

 住宅地は全国平均で0・3%下がり、27年連続で下落したが、下げ幅は前年(0・6%下落)よりも縮小。上昇した都府県も11と、前年の8都府県より増えた。上昇率トップ10のうち、上位3地点は海外のスキー客に人気の高いニセコ地区を抱える北海道倶知安町が占めた。