交通事故データと事故予防

2007-01-21 13:05:48 | 自動車保険
警察庁、国土交通省道路局、交通事故総合分析センターで、交通事故に関する様々なデータ分析がなされています。

有料のものもあると、以前にいやみなことを書いたことがありましたが、訂正します。データは充実しています。
もっと、陽の目を見る形といいますか、生活者の利便に即応する普及の方法があるといいですね。

生活情報の普及という観点では、テレビや新聞などの報道機関の役割とともに、自動車運転教習の教育カリキュラムや、損害保険会社の代理店などを通じた自動車運転者への情報伝達などが考えられます。
特に損害保険会社の役割は、保険契約者の募集と保険事故の補償を主業務と考えるあまり、交通事故予防施策がコストパフォーマンスの計算がしにくいために、力点が置かれない。・・・いや、やっているけど見えないのかもしれない。
損害保険会社のお客は代理店であり、個々の自動車保険契約者ではない外観によるものかもしれません。車の販売会社経由で多くの自動車保険の契約があるとすれば、さらに情報普及が間接的になる可能性があります。

予防医療がなければ、病院と医師がパンクする。
防犯教育がなければ、裁判所と警察・刑務所がパンクする。
人権教育がなければ、イジメは減らない。
家庭教育にお手本の普及なければ、子の自立は遅れる。
(これまで、いろいろなテーマで書いてきましたが、フレームはおんなじかも・・・)

交通事故の予防教育の普及施策を、再検討する時期が来ているってことでしょうね
情報化社会に適応した普及方法のような制度
運転は技能検定制度なんですが、道路や車の性能が問題となる時代ではないので、様々な類型の運転者の心の問題という観点で、予防施策を考えて・・・

対症療法的施策や制度と違って・・・これが、難しいのね、たぶん・・・






自動車運転の心理

2007-01-20 14:30:28 | 自動車保険
今日までに「自動車保険」のカテゴリーでは、交通事故の責任割合(過失割合)などの理解が、高齢者等の自動車運転に必要であろうという考えで書いてきました。

同時に、高齢者ばかりではなく、車を運転する人の様々な心理に影響する理解であることも。

考えてみるに・・自動車運転の必要性はいろいろで、運転者の動機や嗜好のようなものも一つであることはない。
運転適性検査は、自動車運転教習所などで実施されていることは承知していますが、テストの結果に基づいて何か特別な改善処置がなされることを聞いたことがないので、心理学的な処置のプロセスが、途中で中止されたまま運転教習を終えていることになります。結果の悪かった人に、「注意しましょう」だけで終わるからです。

交通事故における当事者の責任割合は、教習所で明確にされることはありません。
経済的にも社会的にも影響が大きい交通事故であるにもかかわらずである。
そして、その「影響の度合い」は、間違いなく事故の状況、つまり双方の責任割合にあるのに、理解が普及していないことは、教育プログラムの単純ミスとも。

乱暴な運転、危険な運転、カッコイイ、スピードマニア・・・事故現場で責任のなすりつけあいの喧嘩や示談交渉のトラブルなど・・・
そういう性格の人がいる・・・人の性格として、それらの性向の心理があって、抑制しようがない・・・などという議論ではなく、運転者の責任割合の理解があれば、客観事実の比較だけで、少なくとも声の大きさ比べでのトラブルは無駄なことになるかもしれません。

人の社会性として重要なことは、「謝罪」という行為です。
運転者双方に責任割合が特定されるとき、3割の謝罪と7割の謝罪・・ということにはならない。被害の状況にもよるからです。責任割合が高い運転者側に死亡・障害があるときは・・・など

昨日書きました「著しい過失」「重過失」がないかぎり、
喧嘩両成敗じゃないけど、事故ったことは双方に責任ということで、お互いに謝るか慰謝の気持ちで接するルールが運転教習所の教本にあるといいかもしれない。
(ないしは、責任割合の判定までは、謝罪は責任割合の判定の証拠となりえないなどのコンセンサス・・かな)

こうした「事故現場での謝罪」論議は、自動車運転においては大変重要かもしれません。
被害者が、過度な被害者意識から・・・威迫、恫喝、脅迫、暴行などの、新たな犯罪を生む可能性が想定できるからです。


まぁ・・・一理あるかも、なんて思う人もいるかもしれないと、うぬぼれて書きましたが・・・
心理学などの考察が、実生活でもっと応用できて、交通事故の社会学のようなもので普及・・・

交通事故の過失相殺

2007-01-19 08:56:21 | 自動車保険
自動車保険で保険金が支払われるには、過失割合(交通事故の責任割合)が、事故の状況によって支払われることを知っていることは無駄なことではないと、前の記事では書きました。高齢者の車の運転だけでなく、歩行者の過失割合の事例も書きました。

こうした基準は、どこにあるのでしょう。

「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」東京地裁民事交通訴訟研究会編
過失相殺率の認定基準の“バイブル”として損害保険会社や専門の弁護士等が利用しているはずです。

概要は5グループの分類

 第1 歩行者と四輪車・単車との事故
 第2 四輪車同士の事故
 第3 単車と四輪車の事故
 第4 自転車と四輪車・単車との事故
 第5 高速道路上の事故

細分化して最終的に全273通りの類型に分類されます。
この中から最も似ている類型を探し、
さらに、個別具体的な状況で修正する作業となるそうです。

今日はこの修正部分から・・・

著しい過失:通常想定の事故の程度を超える過失
        酒気帯び運転、脇見運転等著しい前方不注視
        急ハンドル・急ブレーキ等の操作不適切
        携帯電話、画像注視の「ながら運転」
        時速15km以上30km未満のスピード違反
        
重 過 失:著しい過失よりもさらに重い、故意等の重大な過失
        酒酔い運転、居眠り運転、無免許運転
        過労・病気及び薬物の影響等で正常運転不能
        時速30km以上の速度違反

だいたい・・・こんな感じ

バイクの場合は・・・ヘルメット不着用
自転車の場合は・・・二人乗り、無灯火、傘差しなどの片手運転

要するに、事故の形態で過失割合の基本があるけれど、極端なスピード超過や飲酒などでは、その割合も関係なくなる。

相手の被害者は救済されるけど、加害運転手がたとえ人身傷害保険に入っていても、重過失では支払われない。


こんなこと・・・覚える必要はないけど・・・

聞いたことあるわ程度の認識でも、
著しい過失や重過失の運転を止めさせようという気には・・・なったでしょ。

30キロ以上オーバーの運転中に・・・
「おとうさん!重過失よ!」
・・・じゃ済まないんだよね、
飲酒運転と同じく・・・
「人殺し運転!なのよ! おとうさん!」

高齢者の交通事故3

2007-01-15 18:50:40 | 自動車保険
想像したことを確認する意味で、交通事故のデータを調べてみました。

とっさの判断が必要な場合に事故が起きる・・・と前にこのタイトルで書きましたが、交通事故の86%(H17年データ)は車両相互の事故です。
類型別に比率が高いのは3つ・・追突、出会い頭、右左折。

やはり・・・なのです。

年齢別では、50歳代、30歳代が抜き出て多く、平成14年から60歳以上の比率は漸増しています。

運転機会の多い職業と年齢の人が事故の確率が高いのですが、判断力の低下による高齢運転者の事故率が今後も増加することは予想できます。

まぁ・・・そんなことは損保の代理店か、交通事故専門の行政書士や弁護士の方々に情報が蓄積されているでしょうから、どうでもいいのですが・・・

事故を起こしたときに、最初にどうするのか・・・?

以前、飲酒運転やひき逃げ事件が毎日報道されていたときにも書きましたが、
自動車学校で事故後の救護活動を免許取得試験で重要視しろ、というような主旨
だったと思います。

血だらけの被害者を遠くで傍観する加害車両の運転者・・・何をしてよいのか分からない・・・それでも何の罪もない・・・救急車を呼ぶ手配するだけでの人と、応急処置できる人で結果が異なる可能性があるように・・・

さて、追突は前の車との車間距離・・・正しい表現では、相互の車の速度の感覚のかな・・・高齢者が運転しておられるのを見ると・・・まぁ、そういう心配をするわけです。右足でのブレーキ操作に神経が伝達する感覚の想像とともにです。

最近の体験で、被害者の救護より前にしなければならないことがあります。
豊かさのお陰で整備された立派な道路が多いので、車の速度が速くなっていることと関連するのでしょうが・・・
事故が起きた時に、一番初めに・・なさねばならないこと

二次災害防止のための避難です。
片道二車線道路の追い越し車線側で、追突したまま両方の運転手が中央分離帯で平和に挨拶していました。

案の定・・・二次災害を誘発しました。後続車の急ブレーキで次の追突事故。

判断能力が高い人でもその事故は起きます。

事故発生と同時に、避難場所を探すという・・これはとっさの判断能力でなく、
賢明さだよね・・・

お願い!
おばちゃん!おじいちゃん!・・・そんなところで話し込まないでよ

も~ちょっとで、死ぬとこだったわ!

高齢者の自動車事故2(歩行者)

2007-01-11 09:28:15 | 自動車保険
前の同タイトル記事の続編です。

自動車を運転する高齢者は、
→とっさの判断力が低下しているので事故率が高くなる
→とっさの判断力が必要な右折や車線変更など、能動的な変更動作をする車が、
 自動車保険の責任割合が高い
→自動車事故において、ぶつけた側の車の責任割合が高いとは限らない
→高齢者は、生命保険や介護保険だけでなく、自動車保険も点検しようね

・・・と、まぁ、こんな流れでした。

損保会社が一斉検査で保険料の未払いを大量に指摘されました。ピックアップ型の一罰百戒方式の検査でなく、一斉に・・・

こうした事件の後で予想できることは、
損保会社は「保険料の未払いを出さない」ように清く正しい営業をする。
・・・と予想したいものですが、
自動車事故における責任割合ルールの運用を、より適切にするようになる。
・・・と予測します。
そうすると・・・未払い保険料もさることながら、トラブル回避のために適当に支払っていた保険料の厳格運用も行うだろう・・・ということ。

自動車×自動車、自動車×自転車、自動車×歩行者
それぞれの場合で、自動車保険は事故ごとに責任割合を決定して支払う。

高齢者でなくともですが、少なくとも幼少年のように保護者を必要としない高齢者において、歩行者として自動車事故に遭遇した場合・・・
えっ!?歩行者の責任割合って・・・あるの?

そりゃ・・・そう。
急な飛び出しや信号無視の歩行者・・・まぁ・・・そうだね。

高齢者の交通事故の形態などの統計があれば・・・、さらに保険金の支払い実態などの統計があれば・・・生活に生かせるのにね

統計は、あるところで有料で提供していることがネット検索できます。
有料です・・・おそらく関係役所からの天下り人の組織とは思われますが・・・

もしも膨大な経済統計が有料だったら・・・と同じ発想ができないのかしらね

(探し足りないのかな・・・もっと探してみましょか)

高齢の歩行者を守る制度と施策・・・??
交通事故における歩行者の責任割合に、年齢や判断力の判定基準・・・基本はない

歩行者の交通事故は、何保険だろ?
・・・同居の誰かの自動車保険で人身傷害かな

何でも調べると・・・面白い
(数値は基本的なもの個別で異なります)

Q信号がない横断歩道で歩行者と車or青信号で横断の歩行者と赤信号車
A・・・歩行者:0%
Q青信号で進入する自動車が、赤信号で横断歩道を渡る歩行者にぶつかりました
A・・・歩行者:70%

ねっ!
責任割合って・・・知ってたほうが・・知らないよりいいでしょ

何?・・・歩行者黄信号は?ってかい・・・車赤信号でも10%!

まだまだ、この手の話は尽きないわ・・・

高齢者の自動車事故

2007-01-09 17:52:41 | 自動車保険
おじいちゃんが保険のことを考えています・・・

ガンになったら、医療費が高いだろうなぁ・・・
糖尿病でも生命保険に入れるのだろうか・・・
死亡保険金より医療や介護の費用の心配をします。
同居の家族の世話にできるだけなりたくないし、負担をかけたくないから。

80歳のおじいちゃんは、保険の外交員の説明を聞いても判断できないで迷います。
退職間もない60歳の世帯主も・・・心配事の一つになります

あなたな~ら♪ど~する♪

その年齢では、病気での死亡・傷害も心配だろうけど、交通事故の死亡・傷害を先に考えましょう・・・何十年車運転してきて、自信はあるでしょうが、判断力は低下していますよ。


高齢者の自動車事故は、とっさの判断が遅れることで起きることはご承知!
とっさの判断力は、運転中のどういう場合に必要なのでしょうか?

・右直事故(直進車が信号青の交差点で右折車と事故)
・一時停止違反(一時停止違反をした車の事故)
・優先道路での事故(優先道路の直進車と、狭い道から出てきた車の事故)
・高速道路での合流点での事故(高速道路の本線の直進車と合流車の事故)
・同幅の丁字路での事故(同幅丁字路で直進車と突き当りから出てきた車の事故)
・車線変更時の事故(片側2車線の道路で車線変更をした車の事故)

このほかにもあるでしょうが、能動的な立場の車、すなわち状況判断力の必要の度合いが高い方が、自動車保険では過失割合が高くなります。

上の事故における過失割合の判例
(損害保険会社が過失割合を決める参考にする過去の判例の基本)
※下記数値は基本の数値らしいものです。個別の状況により異なります

右直事故
直進車の過失:右折車の過失 30:70・・・♯やっぱ右折は気ーつけよ

一時停止違反
直進車の過失:一時停止違反車の過失 20:80・・・♯左右確認しても!一時停止しても!一時停止ラインがある方の過失割合高い

優先道路での事故
直進車の過失:狭い道から出てきた車の過失 20:80・・・ぶつけた車の方が軽い場合だね、知らなかったわ

高速道路での合流点での事故
直進車:合流してきた車 20:80・・・これもぶつけられても文句言えない

同幅の丁字路での事故
直進車の過失:突き当たりから出てきた車の過失 20:80・・・これも、ぶつけた車の責任は軽いよ

車線変更時の事故
直進車:車線を変更した車 20:80・・・やっぱ、車線変更の判断だよね


・・・そう!
自動車保険における過失割合の意味を・・・ちょっとだけ考えて運転してね
人徳も学歴も、過去の経歴、現在の社会的地位も関係なく・・・
この手の判断力は昔のようにはいきませんから・・・


でもまぁ・・・後部座席専門の社長さんは必要ない知識かも・・・

保険金が支払われない事故死報道?

2006-12-22 12:39:25 | 自動車保険
今朝のニュースで、二車線道路の反対車線に侵入した車の運転手Aが対向車Bと衝突(直前に対向車が追越をかけて、先にセンターラインを超え対向してきた。それを避けるために反対車線に入るが、追越をかけた車が元の車線に戻ったため正面衝突。警察はBの直前の追越行為を調査しなかったため、Aの100%過失となったという警察批判の報道)

そのとき、専門家らしい人や弁護士も同席のコメントがありました。
Aは自賠責も任意保険も支払われない・・・これはかわいそうだから、保険会社は支払うようにすべき・・というような内容・・・

Aの過失割合が100%であれば、Bが契約する自動車保険は支払われません。Aの契約する保険で、「相手の損害」対物(Bの車)と対人(Bも怪我をした場合)の損害に保険金が支払われます。対物は自賠責保険と自賠責の限度を超えるものは任意保険から。対人は任意保険から支払われます。

さて、報道では、「任意保険でも支払われない」と何度も繰り返していましたが、この説明表現は誤りです。

Aが任意保険で「自分と家族」の人身傷害保険、又は自損事故特約、搭乗者傷害保険を契約していれば・・・たいていの場合・・この種の保険は加入しています、死亡保険金が支払われます。Aの責任割合にかかわらずです。

したがって、「たいていの場合は任意保険で人身傷害保険等を付けているので支払われますが、たまたまAさんは人身傷害や搭乗者傷害も付けていなかった為」・・・と説明しなければならないはずです。

また、目撃証言があるのであれば、警察の事故調査をやり直すよう請求が可能で、その場合は、Bの保険で対物と対人保険が責任割合分支払われます。粛々と事を進めればよいだけの話。

「警察のズサンな捜査」や「自動車保険の制度不備」を、ことさらに強調することが目的の報道、ということに・・・結果として、なってしまう。

しかし、故意、重過失、飲酒運転などには保険金は支払われません。これを保険会社は「免責」という不遜な表現で説明しています。自分を主語にした保険会社中心の考え方が現れた用語です。「顧客第一」は言葉ですら実現していないことを、思いつきもしない、変えようともしない・・・。

飲酒運転事故や高齢者の交通事故がこれだけ毎日のように言われる中で、自動車に限りませんが、増加する犯罪に対しても、社会生活一般のトラブルに関しても、保険の知識が、誤解され、又は情報普及不足であっては・・・ならないし、不幸ですよね。

交通事故と保険のテーマは、いくつかありそうなので、今日からカテゴリータイトルを新設しました。