JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

楽しい昼休み

2006年12月06日 | y-その他

今日は、久しぶりに知り合いの喫茶店で昼食をとりました。
「バブさん、秋吉敏子のビックバンドなんて、なんか持ってる?」
以前にも話をしたことがあったと思いますが、このマスターもなかなかのジャズ好きで、店内に流れるBGMもジャズ中心です。

「秋吉敏子が、ジャズマスター賞とかいうのをとったんだってね。」
今朝、マスターが仕事前にテレビを見ていると、小倉智昭の番組に秋吉敏子が出演して、生演奏を披露したそうなんです。
「へぇ~、朝に秋吉敏子ねぇ」

「いやね、それを見ながらよくよく考えてみたら、コンボ演奏は聴いたことあるんだけど、ビッグ・バンドって、ほら、俺、あんまり聴かないでしょ。バブさんならなんか持ってるかと思って」
ということなのです。

昼食後は、しばらく秋吉敏子の話で盛り上がりました。
「マスター、去年だったか、NHKの教育で秋吉敏子が毎週なんかやってたの知ってる?」「知らない、知らない、何それ?」

家に帰って確認してみたら、昨年ではなく、一昨年の6月から7月にかけての番組でしたが、NHK人間講座で『私のジャズ物語』と題して、秋吉敏子の番組をやっていたのです。偶然にも、私は毎回ビデオに録画しており、本も買っておりました。

「ビック・バンドは、俺も『孤軍』くらいしか持ってないけど、そのビデオと『孤軍』と・・・・モカンボのジャムセッションでも持ってこようか?」
「お願いできる?コーヒー一杯おごるから、ところでモカンボってなに?」

正確には「THE HISTORIC MOCAMBO SESSION '54」というアルバムですけど、日本の「ミントン・ハウスのチャーリー・クリスチャン」と呼ばれる、横浜のクラブ「モカンボ」で1954年に行われたジャム・セッションの記録アルバムであります。(以前に我がHP『ジャズ四方山話』でも取り上げていますので、よろしければご覧下さい。)

ともかく、ザッとそんな話をすると、こんどはマスターが店の奥から何かを持ってきました。
「バブさん、こんなの知ってる?」
『20世紀日本ジャズ大系 』なる、12枚組という、何だか凄いCDボックスでありました。
「なんじゃこりゃ」

お借りしてまいりましたので、内容はゆくゆく紹介するとして、日本のジャズ・バンドをほとんど聴かない私には、新鮮に聴けるかもしれません。
頼まれ品は、明日にでもお届けしましょう。

それにしても、秋吉敏子が「ジャズ・マスター賞」「ジャズの生きた伝説賞」に選出されたのは10月、日本人が選ばれる事はまず無いだろうと言われていた賞ですから、なんだか私まで誇らしく思います。
そんな話や、ジャズ喫茶『ちぐさ』の話やらで、昼休みはあっという間に終わってしまいました。

さて、ということで今日の一枚は、「孤軍」です。
秋吉敏子に、「ジャズ・ミュージシャンとしての私が創るものは、私の歴史でなければいけない、同時に私の日本人としての歴史であるべきで、さらにユニバーサルなものでなければいけない。」と気づかせてくれたのは、デューク・エリントンだったそうです。
そんな想いでできあがったのが、このアルバムなのでしょう。

彼女のビッグ・バンドが、ニューヨークに進出するきっかけとなったのも、このアルバムです。MJQのジョン・ルイスにこのアルバムを聴かせ、1975年、『モンタレー・ジャズ・フェスティバル』に招待を受けました。そしてさらにルイスの推奨で1977年、すでにニューヨークに会場を移していた『ニューポート・ジャズ・フェスティバル』に出演、これが、彼女のビッグ・バンド、初のニューヨークでの演奏でした。
まさに、その後の彼女の活躍は、このアルバムに始まったのでした。

KOGUN
1974年4月4日録音
TOSHIKO AKIYOSHI - LEW TABACKIN  BIG BAND
1.ELEGY
2.MEMORY
3.KOGUN
4.AMERICAN BALLAD
5.HENPECKED OLD MAN

追伸、
個人的趣味で言わせていただくと、私はコンボでの秋吉敏子を好みます。ビッグ・バンドを解散され、ピアニストとして、もう一度挑戦するという、彼女の心意気には頭が下がりますし、指の病気、年齢にも負けずに今後も活躍されることを、一ファンとして期待しています。