JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

しょせん昭和のサラリーマン

2008年11月17日 | s-u

今日は期待していなかった太陽さんが顔を出してくれて、満天の青空とまではいかなかったものの良い天気でした。これがいずれ冬晴れになり、静電気ビリビリの季節へと巡っていくわけですが、はや11月も半ばとなればそれもいたしかたないでしょう。

またまた新聞の記事話になりますけど、毎週けっこう楽しく読ませていただいている土曜版朝日新聞beの「サザエさんをさがして」、今回は1968年2月29日の同新聞に掲載されたサザエさんがお題でした。

パチンコで「タバコ三つか、もとを引いても百円のもうけだ!」と喜んでいるマスオさん、かたや「あの土地のもうけがたった六千万円か!もうひとおしすりゃァよかった」と後悔するおじさん、二人が電車で隣りあわせになって、マスオさんは鼻歌まじり、おじさんはシュンとした顔、そんな最後のコマに「こういう性格のほうが、長生きするんですって」という説明がマスオさんを指しているという4コマ漫画です。

先日の我がブログ「有っても苦労、なくても苦労」にも相通じるようなお話でありますが、「昭和のサラリーマンとして日々、マージャンやパチンコをたしなんだマスオはしかし、根っからの賭博者の素養は備えていなかったらしい。」とは記事を書かれた保科龍朗氏の弁。

牧野さん(パチンコ博物館館長)によると、戦前のパチンコの原型機は菓子を賞品にした子供の遊技機だった。戦後のパチンコは、大人が子どもの遊びをとりあげたようなものなのだ。さらに80年に恐るべき大量出玉のフィーバー機が出現した。
「ギャンブル性にこそパチンコの醍醐味ありきという真実が、とうとう露見してしまった。歴史はそこで、いったんリセットされたのです。」
マスオはついに、パチンコの真実に触れることはなかったのである。

と記事は締めておりました。

まっさすがに私も1968年にはパチンコを打ってはおりませんでしたが、手打ちパチンコから電動式に移行する頃、70年代中頃には「タバコはパチンコで取る」てな時代があって、ちょくちょく打っていました。(年齢は言わずもがな、補導員の目を気にかけながらのパチンコ打ちでした。笑)

そもそもパチンコのルーツは、アメリカの「コリントゲーム」、フランスの「マシン・ア・スー」等々諸説有る中、「イギリスの「ウォールマシン」という遊技機が大正時代に日本に伝わり、パチンコの原型となった。」というのが最も有力な説なんだそうで、戦後、かの正村竹一氏によって『正村ゲージ』が考案されてから、大人の身近な娯楽として広まっていったというのは有名なお話です。

私がちょっとしたお小遣いやタバコ、ピエールカルダンのグラスやカップ、モーター音のうるさいパタパタ時計(そう呼ぶのかどうかは分かりませんが、)なんかをとっていた頃は手打ち専門でやってました。支柱にハンカチを巻いて手をかけ「パチンパチン、チーン、ジャラジャラ」ってね。(笑)


パタパタ時計はこんなカッコイイもの
じゃありませんでしたが、
グラスはこれこれこういうヤツ(笑)

掛け金だって千円超えると「えらい散財しちゃった」みたな、それでいてそれほど入らなくても千円もやればかなりの時間をつぶせたんですよ・・・・・
私が好きだったのは、天穴から中央に玉が入るとヤクモノの中で玉が跳ねて、真ん中の穴に入るとチューリップ全開、右の穴だと右の、左の穴だと左のチューリップが開くっていうオール15の機種だったと思います。(いやぁ懐かしい)

それな私もフィーバー機の出現でほとんどパチンコをやらなくなった時期がありました。おそらくはそのギャンブル性に恐れを成したのでしょう。
最近もたま~にやることはありますが、なかなか時間つぶしとまではいきませんし、なにしろかかる金額が・・・

「子どもの遊戯具まで戻さなくても、手打ちの時間つぶしくらいまでパチンコの世界も戻ってくれれば」なんて思うのは、私がマスオさん同様「根っからの賭博者の素養は備えていな昭和のサラリーマン」だからなのでありましょうかねぇ

さて、今日の一枚は、お久しぶりのマッコイ・タイナーです。
BN-LAの第一弾アルバム。
ジャケットどおりマッコイのアフロ・アフリカンの意識がヒシヒシと伝わってくる、いかにもマッコイらしい(この頃の)アルバムであると思います。

ただ、アリス・コルトレーンのハープはいかがなもんでしょうかねぇ????
私には時々異音にきこえる部分があったりするのですが、これは修行不足でしょうか?(笑)

対照的にウェイン・ショーターとゲイリー・バーツ、この二人のサックスは、私好みかどうかは別としても、グイグイ前に出ていて圧倒されます。

これを聴いて、アフリカの広い草原を思い浮かべるのか、あるいはアフリカの生命力を感じるのか?どちらにしても、チマチマとパチンコで暇をつぶそうとか、逆に「ギャンブル性こそパチンコの醍醐味」とばかりに大金をつぎ込むとか、そんな考えを吹き飛ばしてくれるエネルギーを感じ取れる一枚であると思いますよ。

EXTENSIONS / McCOY TYNER
1970年2月9日録音
McCOY TYNER(p) ALICE COLTRANE(harp) WAYNE SHORTER(ts,ss) GARY BARTZ(as) RON CERTER(b) ELVIN JONES(ds)

1.MESSAGE FROM THE NILE
2.THE WANDERER
3.SURVIVAL BLUES
4.HIS BLESSING