JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

実験だって良いじゃないか

2010年07月18日 | a-c

昨日は7月17日、そうジョン・コルトレーンの命日、『マイ儀式』の日です。

あいにく、昨日はMさんのお店のヘルプが入っておりましたので、いかに夜中の12時前に帰宅し、儀式を執り行うかが問題でありましたが、サントリー・ホワイトとセロリを一本・・・・準備を整え、その時を迎えました。

現地時間はまだ17日だとばかり、日を跨ぎながら聴いたコルトレーンは、もちろんAB面すべてとはいきませんでしたが、アルバム数で10枚あまり、朝の4時まで独り飲み続けました。

今朝たたき起こされても、確実に残るホワイトの香り、そして頭の中ではやむことなくコルトレーンのサックスが鳴り響いています。
いわゆる「しばらくもういいか常態」ですかね。
ところがほら、ね、前の晩にどれほど飲もうと、翌日の夕方にはしっかり晩酌をこなす、あれですよあれ、コルトレーンもまた私にとってはそんな存在なんでありまして、今日も夕食後、こんどは冷や酒をチビチビやりながら昨夜(正確には今朝)聴かなかった「A LOVE SUPREME」を聴いているのでした。(笑)

てなことで、今日の一枚は、レコードではなくCDの「A LOVE SUPREME - DELUXE EDITION」です。
と、その前に、『料理当番、本日の一品』をすませちゃいましょ。

鶏のトマトソース煮をベースにグラタンっぽく仕上げました。
ところが、ビールには良かったんですけど、日本酒に切り替えるのにこれはねぇ

というわけで、じつに統一性のないこんな一品が加わりました。生ワカメと温泉卵です。あんがい相性が良かったりして。

さて、では今日の一枚をあらためて、

「A LOVE SUPREME (至上の愛)」は、好きだ嫌いだと意見は様々でしょうが、コルトレーンの代表アルバムであることは、まぎれもない事実です。
そんな「A LOVE SUPREME」には、幻のテイクというのがありまして

「また、残念ながら今回発売されなかったテイクのレコーディングに参加してくれたアーチー・シェップとアート・ディビスの、これまでの、そして現在の労力に対して深く感謝したい。ここで始まった試みを今後さらに追求できることを願っている。」
12月10日に行われたシェップとアート・ディビスを加えたセッションは何だったのか?何のためのものだったのか?そしてその内容は・・・・・・

なんだか、ドキュメンタリー映画のつかみ文句みたいでありますが、この1964年12月10日の「A LOVE SUPREME」二回目の録音は、まさに謎に包まれた演奏であり、だからこそ興味湧く存在でありました。

録音技師ルディ・ヴァン・ゲルダーですら、記憶を無くしてしまっているシェップとディビスが加わったテイクは、パートⅠ、つまり「承認」だけとされています。そして、その音源が残されているのは唯一コルトレーンの手元にあった試聴テープだけとされておりました。それがマイケル・カスクーナがEMIのアビーロードスタジオに初版の製作用マスターが眠っているのを発掘、それがこのCDの音源です。

はたして、再度録音するほどの意味があったのか?
誰しもが「一回目の録音で完成されている、これ以上のものは望めない」と認め、げんにアルバム化されたときにこのテイクは含まれていなかったことを思えば、じつに無駄な録音ということになります。
シェップ曰く、「あれは実験だったのだと思う」
だとすれば、電話一本で呼び出されたシェップとディビスはもちろん、再度招集されたレギュラーメンバー、ヴァン・ゲルダーも、コルトレーンのワガママに付き合わされただけだったのか?

では、じっさいに聴いてみましょう・・・・・てんで、だった2テイクのためだけにこのCDを買うハメになってしまうのであります。(笑)

実際に聴いてどうかといえば、当然、本編にかなうものではない事は言うまでもありません。
ただ、以降晩年に向けてコルトレーンが進もうとした一つの方向が、すでに「A LOVE SUPREME」録音直後には浮かびつつあった、いや、じつはもっと前に、たとえば「OLE」や「AFRICA」の時点で漠然と浮かび上がった考えが、「A LOVE SUPREME」という一つの完成形を作り上げたとき、「今なら、もっと明確化出来るかもしれない」と考えたから、すぐにでも実験してみたかったんじゃないか、てな薄っぺらな考えをもって聴くと、CDを買ったことにとっても満足だったりして・・・(笑)

ともかく、以降のコルトレーンは、生き急ぐがごとく、1967年7月17日まで突っ走り続けるんでありますから、ここでの2,3千円の出費が何ですか、ねぇ、みなさんもこの2テイク18分半だけのために、ぜひとも御出費あれ

ちなみに、ディスク2の1-5は、以前チラッと触れた1965年の夏フランスはコートダジュールで行われた「アンティーブ・ジャズ・フェスティバル」の初日ライブ盤「LOVE SUPREME」と同テイクです。

A LOVE SUPREME - DELUXE EDITION - / JOHN COLTRANE
1964年12月9日(DISC 1), 1965年7月26日(DISC 2, 1-5), 1964年12月10日(DISC 2, 8-9)録音
JOHN COLTRANE(ts) McCOY TYNER(p) JIMMY GARRISON(b) ELVIN JONES(ds)
ARCHEI SHEPP(ts) ART DAVIS(b)[DISC 2, 8-9]

DISC 1
1.PART Ⅰ - ACKNOWLEDGEMENT
2.PART Ⅱ - RESOLUTION
3.PART Ⅲ - PURSUANCE
4.PART Ⅳ - PSALM

DISC 2
1.INTRODUCTION BY ANDRE FRANCIS
2.PART Ⅰ ACKNOWLEDGEMENT
3.PART Ⅱ RESOLUTION
4.PART Ⅲ PURSUANCE
5.PART Ⅳ PSALM
6.PART Ⅱ RESOLUTION (ALTERNATE TAKE)
7.PART Ⅱ RESOLUTION (BREAKDOWN)
8.PART Ⅰ ACKNOWLEDGEMENT
9.PART Ⅰ ACKNOWLEDGEMENT



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