JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

無理に勧めるのはよしましょう

2009年11月23日 | d-f

朝方まで降っていた雨はスパッとあがり、雲一つ無い青空へと変わりました。
暖かかったですねぇ、良いですねぇ、これで夜のお勤め(笑)が無ければなおさら良いんですが、
「夜があるからなぁ、何処かに出掛けるわけにもいかん。」
嘘をついちゃいけません。
「出掛ければ金はかかるし体力も使う、おとなしく家にいるのが一番。」
たんなる怠け者なだけなんであります。

世に言う食わず嫌いとは誰しもが一つ二つは持っているものでございます。
「私の場合は、酒に女に金、特に女なんざぁまさに食わず嫌いだね。」
なんてぇことを言いますてぇと、
「まぁそこまで分かりやすい嘘なら許せるけどね、こと女に関しては、あんたの場合は食わず嫌いというより食えず嫌いだろうよ。

なんだか「饅頭こわい」の枕のようになってしまいましたが、親しい者に「嫌いだ、嫌いだ」って言う物を無理矢理食わせてみたいと思うのは、あれ何故なんでしょうねぇ?
「好き嫌いは身体のために良くないから」
なんてぇのは立前で、おそらくは人間の何処かに潜むSの心がそうさせるんじゃないでしょうか。

前置きが長くなりました。
今朝、眠い目をこすりながら食卓に着くと、私の目の前になめこおろしがドーン。
「あっ、ごめんごめん、嫌いな人は食べなくていいから。」
私の茸嫌いは半端なものじゃありませんで、昔「これくらいなら分かるまい」と隠し味に入れられたインスタントの松茸のお吸い物をみごと嗅ぎ分け、一切食べなかったという強者です。
爽やかな朝に、その私の目の前に、メインディッシュの塩鮭より手前に、大好きな納豆なんか遠~~くのほうに置いときながら、事もあろうにな・め・こ・お・ろ・しって・・・・・
(「イジメだぁ、家庭内イジメだぁ~~~!!」)
「せっかくKさんにいただいたからね、旬の物だし、嫌いな人は無理して食べなくて良いよ・・・・・・あらま美味しい、なんでこんなに美味しいものが嫌いなんだろねぇ」
「うるさい!」
場所をトレードした納豆をこねくり回しながらおもわずにらみつけてしまいました。(笑)

そういえば、この納豆が嫌いだという方にもまれに出会うことがあります。
かつて、いわゆる糸引き納豆は関東以北の食べ物で、関西では塩味の乾燥納豆『大徳寺納豆』くらいしか無かったので、関西の方に嫌いという方が多かったようですが、今では大阪のビジネスホテルでも平気で朝食に出てきますから地方差は昔ほどではないのでしょうね。

この納豆ですが、私は、ともかくこれでもかと言うくらい練らないと気が済まないのでありまして、
「もういいんでねぇか?」
逆に母は練りすぎが嫌い、朝の納豆は個人盛りでない我が家では練り方でしょっちゅうもめるんであります。(笑)
「なにをおっしゃいますか、納豆は練れば練るほどポリグルタミン酸の旨味が増すんだから」
なめこおろしの仇を納豆で取る・・・食卓は戦場だ!(なんじゃそりゃ)

いずれにしても、嫌いな物をむりやり勧めるのはよくありませんよね。
「飲めないひとに酒を勧める誰かさんもね。」
「ファ~~イ、気をつけま~~す。」

さて、今日の一枚は、帝王マイルス・ディビスですが・・・・・・

嫌いなひとに無理に勧めるのも悪いですけど、自分が嫌いな物を勧めるのもいかがなものですかねぇ。
ハッキリ言います。このアルバム嫌いです。(笑)
いかに油井正一氏が「歴史を変える傑作」と言おうと、「この壮大な音楽、人間のさまざまな感情を極限にまで表現した圧倒的かつあまりにもヒューマンな音楽」と中山康樹氏が熱く語られても、私は嫌いです。(笑)

電子音もさることながら、例えば、マイルスのトランペットがアタッチメントマイクで拾われた音をアンプから出した音、直接ミキシングボードに取り込んだもの、そして通常に拾ったもの、これをさらにコロンビアのエンジニアが開発した機材で、ディレイ、エコー、なんたらかんたら・・・って、やっぱり私の小さなバッファーではこなしきれないのだと思います。
最後には「オレは陳腐な、バッファーすら持たない古いプリンターで充分、プイ」みたいなね。

フリーへの変革にはそれなりについて行けた私も、このマイルスの歴史的変革にはついて行けなかった、ということなのでしょうか?

それでもこうしてたまに聴くことは聴くんですよ、でも必ず
「もし、コルトレーンが生きていればいずれこの方向へと向かったのだろうか?だとしたら確実に私はコルトレーン・ファンを止めていたに違いない。いやいや、晩年のコルトレーンを聴けば彼がこの方向へ向かうことはけして無かったと断言できる!」
と、一面だけを聴き終えて、すぐにコルトレーンの「THE OLATUNJI CONCERT」を聴き始め、最後はどっと疲れて終わるんです。今日もそうでした。(笑)

ともかく、このアルバムを愛する方には大変申し訳ないのですが、未だに「マイルスが好き」と公言できない私、このアルバムはその原因を作った代表的一枚であることはたしかだと思います。

BITCHES BREW / MILES DAVIS
1969年8月19,20,21日録音
MILES DAVIS(tp) WAYNE SHORTER(ss) BENNIE MAUPIN(bcl) JOE ZAWINUL, LARRY YOUNG, CHICK COREA(elp) JOHN McLAUGHLIN(g) DAVE HOLLAND(b) HARVEY BROOKS(elb) LENNY WHITE, JACK DeJOHNETTE(ds) DON ALIAS(ds,cong) JUMMA SANTOS(shaker,cong)

1.PHARAOH'S DANCE
2.BITCHES BREW

1.SPANISH KEY
2.JOHN MCLAUGHLIN
3.MILES RUNS THE VOODOO DOWN
4.SANCTUARY



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