JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

終着駅は公園前駐車場?

2007年11月08日 | g-i

今日もとても良い天気で、狭苦しい店でランチというのもいささかもったいないと、公園駐車場での昼食となりました。車中で弁当を食べた後は公園内で腹ごなしです。

もともとこのあたりの紅葉は、それほど綺麗でないことで有名なのですが(寒暖差が少ないから、つまりは過ごしやすい季候ということなのですけどね)、今年は特にその傾向が強いように思います。それでもちらほらと紅くなったカエデや黄色いイチョウ、落葉も目立つようになってきました。

「♪落葉の舞い散る停車場は 悲しい女の吹きだまり だから今日もひとり明日もひとり 涙を捨てにくる・・・・・♪」
「何ですかその歌?」といっしょにいたO君
「えっ?おまえ奥村チヨしらねぇ~の?????」
「・・・・・・っていうか、バブさんはジャズが好きなんだから、ここはやっぱり♪枯葉よぉ~枯葉よぉ~~♪でしょ」
「なんだかねぇ、『終着駅』は知らなくても、『枯葉』は知ってるって・・・・しかも、『枯葉』の歌詞は♪枯葉よぉ~~♪じゃねぇと思うよ。みんなそう歌うけど」
「だって、♪枯葉よぉ~~♪しか知りませんもん」

フランス語では「Les Feuilles mortes」、英語では「Autumn Leaves」、日本語では「枯葉」、シャンソンの名曲として、ジャズのスタンダードとして、この時季一度は耳にする曲でありますけど、たしかに日本語の歌詞を完璧・・いやいや、途中まででも歌える人には滅多にお逢いしたことがありません。ほとんどの人が「♪枯葉よぉ~~♪」の連発で最初から最後までいってしまうみたいな(笑)
ものの本によれば、これにも原因と思われることはあるようです。

もともとのフランスではジャック・プレヴェールが付けた歌詞があり、アメリカでもキャピトル・レコードの創立者ジョニー・マーサーが付けた歌詞がスタンダードとなりました。ところが日本の場合は、幾人かの作詞家や歌手によっていくつもの歌詞が付けられ、統一性が無くなってしまったようです。

♪ 暮れゆく秋の日よ 金色の枯葉散る
  つかの間燃え立つ 恋に似た落ち葉よ
  いつの日か抱かれて 誓いし言葉よ
  はかなく ただ散りゆく
  色あせし落ち葉よ ♪

これは、岩谷時子による歌詞ですが「♪枯葉よぉ~~♪」なんて何処にも出てきやしません。しかもこれは途中からの歌詞で、というのもシャンソン「Les Feuilles mortes」では出だしが皆さんご存じのあのメロディーでは始まらないわけでして・・・これはシャンソンの前説的部分、ヴァースという部分がカットされたコーラス部が、我々に耳慣れたあのメロディーであるからです。

それじゃ、あの「♪枯葉よぉ~~枯葉よぉ~~♪」の歌詞はどこから来たのか?
ここからはまったく根拠のない「たしか昔聞いたことがある」程度の話ですので、信じずにお聞きください。
原因はテレビのバラエティーにあるのだとか、やったのはクレージー・キャッツじゃないかとも聞きましたので、「シャボン玉ホリデー」か「ザ・ヒットパレード」か、その中で「♪枯葉よぉ~~枯葉よぉ~~♪」の連呼で同曲を歌ったのが起源で、だからそれ以外の歌詞が浮かばないんだというのです。
何度も言いますが、これは確信のない話です。もし、このあたりの情報をご存じの方がいらっしゃいましたら教えて下さい。

ともかく、落ち葉が舞い散る頃、『枯葉』のメロディーは良いとして、「♪枯葉よぉ~~枯葉よぉ~~♪」の歌詞よりは「♪落葉の舞い散る停車場は 悲しい女の吹きだまり・・♪」のほうが心にしみてくるんですよねぇ私の場合。(笑)

さて、ということで今日の一枚は当然『AUTUMN LEAVES』を選んでみたわけです。
マイルス、ウイントン・ケリー、ビル・エバンス、チェット・ベイカー、サラ・ヴォーン・・・・・・何にするか迷ったのですが、紹介済みのものも多く今日はエロール・ガーナーにしました。

このアルバム、全体をとおして「秋向きか」と訊かれれば「そうだよ!」とは言いかねるところがあります。というのもガーナーという人は「MISTY」なんていう美しいロマンチックな曲を作るわりには、演奏が「美しい」というより「乗りの良い」といった感じの人だからです。これは左手のリズムが他に比べ少々激しさがあるからでしょうか?「ビハインド・ザ・ビート」と呼ばれる癖のせいでしょうか?

おっと、勘違いしないで下さい。このアルバムが悪いという話ではないのですよ。あくまで「秋らしいアルバムか?」との問いに関する答えです。

内容は「このライブは、楽しくて飽きないライブだったろうなぁ」と思わせる、満足いく一枚です。おそらくはA、B面連続で聴いても一気に行ってしまえるそんなアルバムだと思います。
肝心の『AUTUMN LEAVES』もひっそり感傷にふけるというよりは、もっとダイナミックな、そうフルカラー・ワイドスクリーンみたな(これも古いですねぇ)そんな感じ。聴き終えて満足感を感じられる『AUTUMN LEAVES』だと思います。

CONCERT BY THE SEA / EROLL GAMER
1955年9月19日録音
EROLL GAMER(p) EDDIE CALHOUN(b) DENZIL BEST(ds)
1.I'LL REMEMBER APRIL
2.TEACH ME TONIGHT
3.MAMBO CARMEL
4.AUTUMN LEAVES
5.IT'S ALL RIGHT WITH ME
6.RED TOP
7.APRIL IN PARIS
8.THEY CAN'T TAKE THAT A WAY FROM ME
9.HOW COULD YOU DO A THING LIKE THAT TO ME
10.WHERE OR WHEN
11.ERROLL'S THEME


おきな草に目をやれば

2007年11月07日 | g-i

昨日は少々腹の立つことがありまして、真っ直ぐ家に帰る気になれず、かといって一人で飲むのも寂しいような・・・・珍しく私がMさんを誘って飲みに行ってしまいました。
「へぇ~~~バブ君でも頭に来るなんてことあるんだぁ」
おかげさまで気も晴れ、今朝は今日の空のように爽やかな気分で起床できました。
Mさん、お付き合いいただいてありがとうございました。

この時期の代表的な花と言えば菊ということになるでしょうか。我が家の狭い庭にも、幾種類かの菊が咲いています。私はどれが何という種類の菊なのか全くわからないのですが、菊の呼び名にはなんとも雰囲気のあるものが多いことは知っています。
「星見草」「契(ちぎ)り草」「百夜草」「おきな草」
誰が付けたか知りませんけど粋なネーミングじゃござんせんか。

山のように垂れ下がった懸崖(けんがい)づくり、存在感抜群の大輪、あげくは人形にまで仕立て上げるなど思い思いに手をかける愛好者も多いですよね。それも菊が日本人にとっていろんな意味で象徴的な花であればこそなのでしょう。

『菊人形』といえば、福島県二本松市の霞ケ城で開催展示されるものが、日本でも一、二の規模であるそうで、私も何度か観に行ったことがありました。
期間中、菊人形の維持管理は大変なことと聞いたことがあります。たしかに手間をかけたそれらはみごとなものではありましたが、私はお土産に買った『玉嶋屋』という和菓子屋さんの『玉羊羹』のほうが印象的で、真ん丸のゴムに包まれた一口大のそれを、ようじでプチンって刺すとプルンって丸い羊羹が出てくる、甘い物があまり得意でない私でもそのかわいらしさにおもわず食べてしまったという・・・・菊にはまったく関係のない話ですね(笑)。


これが玉嶋屋さんの玉羊羹
ネットでも買えるようですので、よろしければどうぞ

『菊人形』といえばもう一つ思い出すのが、頭に『お』のつくあの人形です。
大正7年8月15日、北海道在住の鈴木永吉さん(当時18歳)は、札幌で開催されていた大正博覧会を見物した帰りに、当時3歳だった妹の菊子ちゃんへのお土産にと、着物を着たオカッパ頭の日本人形を買って帰りました。菊子ちゃんは大喜びし、毎日のようにその人形と遊び、寝る時も一緒、とても可愛がったそうです。
ところが翌年の1月24日に、風邪がもとで菊子ちゃんは幼くして亡くなってしまいました。
悲観にくれた永吉さんは遺骨と人形を仏壇に奉り、生前の菊子ちゃんを思い出しながら朝夕拝んでいました。すると奇妙なことにその人形の髪の毛が少しずつ伸び始め、オカッパだった髪が肩にかかるほどになったのでした。家族は皆「菊子の霊が乗り移った」と信じるようになり、さらに大切に奉ったそうです。
その後、『お菊人形』は永吉さんの樺太移住等々で、北海道栗沢町の萬念寺に預けられたものの髪はさらに伸び続けたという・・・・・お・そ・ろ・し・や

完全に話は菊から離れてしまいました。(笑)

そうそう、長生きを望むなら菊に宿った露をなめることをお勧めします。
えっ?そんな話聞いたことないって?
中国は周の時代のお話・・・・・・え~~い、面倒ですからお能の『菊慈童(きくじどう)』のあらすじでも調べて読んでみて下さい。
ともかく、菊の露をなめると七百年生きられるそうでありますのでお試しあれ(笑)、これが汚いと思う方は、沖縄の泡盛に『菊之露』ってえのがありますんで、そちらクイっといってもらえば良いんじゃないでしょうかね。

さて、今日の一枚はエルモ・ホープです。
ホープというと不遇のピアニストというイメージがついつい湧いてしまいますが、前年に結婚したベルサとディオを聴かせてくれるこのアルバムを吹き込んだ頃が、最も幸せな時期だったのかもしれませんね。ベルサはホープの悪癖(麻薬)をどう受け止め、どう考えていたのでしょう?

カリフォルニアから再びニューヨークに活動拠点を移したホープが、実力どおりの活躍を出来なかったのは悪癖のためだったのか、それとも活躍できなかったことが悪癖を助長したのか、玄人受けする彼のピアノは充分な活躍も無いままに7年後に消えていきました。

今日のアルバムは、ホープの魅力が存分に出ている一枚だと思います。13才年下の奥様とのピアノの掛け合いもとても大人な感じ、絶対に聴くべきだとは言いませんが、ホープを少しでも知っている方なら必ず聴きたくなる一枚ではないでしょうか。

HOOP-FULL / ELMO HOPE
1961年11月9, 14日録音
ELMO HOPE(p)
BERTHA HOPE(p)[2, 5, 7]

1.UNDERNEATH
2.YESTERDAYS
3.WHEN JOHNNY COMES MARCHING HOME
4.MOST BEAUTIFUL
5.BLUES LEFT AND RIGHT
6.LIZA (All the Clouds'll Roll Away)
7.MY HEART STOOD STILL
8.MOONBEAMS


私だって可愛かったんだから

2007年11月05日 | g-i

昨晩は「休もうかと思っていた」というママに、『ブリ照り』と『タコサラ』持参を餌にむりやり店を開けてもらい飲んできてしまいました。まったくワガママなお客さんです。


ずらっとマッカランが並んでいるのにバーボンを飲んでしまう私・・・

先日、息子が残していったガラクタを整理していたら、「捨ててもいいよ」と言ってた荷物の中から消印のない4,5枚の封書が出てきました。ふと差出人を見ると女の子の名前、
「ひょっとして、ラブレターかい?」
もちろん、中は読まずに取って置いてやることにしましたが、あのバカ息子でもラブレターをもらっていたなんてねぇ・・・「えへへへへへ」って、私が照れることはないんですけど

今の子はラブレターなんて書くんですかねぇ?メールかなんかで済ませてるのかなぁ????
そっと渡されたラブレターにドキドキする、いいもんですよねぇ、ぜったいにメールにはない味わいがあると思います。
かく言う私だって、若かりし頃ラブレターを書いた覚えがあります。ところが、夜、盛り上がって書いたときには名文だと思い込んでいたのが、翌朝読み直すとまったくの駄作に思えて破り捨ててしまう、実際に渡したラブレターは1,2通だったような気がします。

ところで、『五大力』ってご存じでしょうか?えっ?ラーメン屋だろうって、違います違います。
『五大力菩薩』を略した文字で、昔、女性が恋文を相手以外が開けないようにと封じ目にこの文字を書いたのだそうで、国を守るとされる五人の菩薩、无量力吼(むりょうりくく)、雷電吼(らいでんく)、無畏方吼(むいほうく)、龍王吼(りゅうおうく)、金剛吼(こんごうく)にお祈りすれば、その手紙も守ってくれるというおまじないのようなものであったそうです。余談ですが、果ては女性が愛する男性への貞操の証として、あるいは二世を契った夫婦の誓いの言葉として、櫛や簪(かんざし)、煙管(きせる)、三味線など日用身の回り品に『五大力』と彫ったり書いたりするといった使い方までされた文字でもありました。

いずれにしても、ラブレターを他人に見られるというのは、いただいた方も書いた方もよろしくないわけで、家に帰ってゆっくり読めば良いものを、早く読みたいもんだから、帰りがけに人気のない神社の石段かなんかで、まわりを気にしながらそっと読む、じつに整った綺麗な字が彼女の性格さえもあらわしているようで、文字を見ただけで「ポッ」として、『好き』だの『恋』だのの文字が目に入ってきたひにゃあーた「デレー」ですよ。
かわいかったなぁ~~~~バブちゃん。

んっんっんっ、ともかく、息子のラブレターは大切に取って置いてやろうかと思います。

さて、今日の一枚は、31才という若さで亡くなったアルト奏者、アーニー・ヘンリーの最後のリーダー・アルバムです。
そういえばヘンリーもモンクと活動を共にした時期がありましたね。「BRILLIANT CORNERS」で聴くことが出来ます。「BRILLIANT CORNERS」なんかでは、ロリンズにも負けない存在感を示していました。そうそう、これも余談ですが、同じモンクから多くを学んだどうしということからでしょうか、コルトレーンの「THEME FOR ERNIE」(「SOULTRANE」)は、コルトレーンがヘンリーに贈った追悼曲です。

このアルバムは、題名の通り、7曲のスタンダードと自作のブルース1曲というラインナップ。全曲で爽快なアルトを楽しめるアルバムだと思います。(リズム・セッションも文句なしのメンバーですものね。)


SEVEN STANDARDS AND A BLUES / ERNIE HENRY
1957年9月30日録音
ERNIE HENRY(as) WYNTON KELLY(p) WILBUR WARE(b) PHILLY JOE JONES(ds)

1.I GET A KICK OUT OF YOU
2.MY IDEAL
3.I'VE GOT THE WORLD ON A STRING
4.SWEET LORAINE
5.SOON
6.LOVER MAN
7.SPECIFIC GRAVITY
8.LIKE SOMEONE IN LOVE


やっぱり好きなんだなぁ

2007年11月04日 | m-o

先日モンク話で「「THELONIOUS MONK '63 IN JAPAN」の映像が見たい」と言ったところ、swing a-go-goさんから「YouTubeに公開されているのでは」とのコメントをいただき、なるほどなんでも公開しちゃってるYouTubeならばあるかもしれないと検索してみると
・・・・ありましたありました。
「EVIDENCE」「BLUE MONK」「JUST A GIGOLO」「BOLIVAR BLUES」「EPISTROPHY」全5曲の内、モンクのソロ演奏「JUST A GIGOLO」を除く4曲が公開されていました。

コメントをいただいてすぐに確認して、今日の午後、パソコンをアンプにつなぎゆっくりと拝聴しました。
映像の大きさは少々寂しいですが、十数年ぶりに見るその映像に感動です。
こう言っちゃなんですけど、内容は先日WOWOWで放映になったヨーロッパツアーの演奏より数段上だと思います。

モンクはもとより、チャーリー・ラウズもじつに勇ましくみえます。モンクのそぞろ歩きも前記のヨーロッパツアーと比べて、タイミングも様子もとても良いし(笑...これも映像の醍醐味?)、テーマ→テナー・ソロ→ピアノ・ソロ→ベース→ドラム→テーマというおきまりパターンも陳腐化をまったく感じません。この時期のモンク・カルテットは、このメンバーでの絶頂期であったのでしょう。
ひょっとすると東京産経ホールでの「MONK IN TOKYO」より、こちらの方が良いかもしれないと思うほどです。(これは映像が有る無しの差かもしれませんけど)

「やっぱり、俺はモンクが好きなんだなぁ・・・・・」
一人つぶやいておりました。

さて、今日の二枚目はもちろんモンクです。コロンビア移籍第一弾アルバムであり、ラウズを迎え活動し始めたオリジナル・モンク・カルテットの代表アルバムでもあります。

以前に「モンクは身勝手なようで、じつは気遣いの人だ。だから他のメンバーに気遣いせずに済むソロが私は好きだ」といったことを書いたかと思います。ラウズが加わって最大のメリットは何かと考えると、以前ほど気を遣わずにおもいきってモンクらしくいけるようになった、ということだと思います。モンクは自由に想像できる環境をこのカルテットで得たのかもしれません。

でも、どうして今までこのアルバムを私は紹介しなかったんだ??????

MONK'S DREAM / THELONIOUS MONK
1963年10月1日, 11月1, 2, 6日録音
THELONIOUS MONK(p) CHARLES ROUSE(ts) JONE ORE(b) FRANKIE DAUNLOP(ds)

1.MONK'S DREAM
2.BODY AND SOUL
3.BRIGHT MISSISSIPPI
4.FIVE SPOT BLUES
5.BOLIVAR BLUES
6.JUST A GIGOLO
7.BYE-YA
8.SWEET AND LOVELY

おまけ、
本日は日曜日、『料理当番、今日の一品』いきましょうか。

まずは、ブリの照り焼き、詳しいレシピは書く必要もありませんよね。

こちらは、昨日いただいたタコをマリネにして、サラダ風にしてみました。

私は箸を付けずに、最近もらい物の多いママへお土産にして・・・・・飲みに行ってきま~~~す。(笑)


罪と罰・・私には難しい

2007年11月04日 | p-r

 

昨日は珍しく仕事が入り、恒例の散歩も夕刻になってしまいました。夕日を眺めながらまたも疲れ気味の目をいたわってみたものの相変わらずの肩こり、昨晩はPCはおろかTVも見ずにレコードで一杯を決め込んで早寝をしました。おかげで、今朝は7時前に起床、趣味部屋の掃除を朝食前に済ませてしまうほど爽快な目覚めを迎えることが出来ました。

話はコロッと変わりますけど、先日スペインだったでしょうか「懲役4万年の求刑」というニュースがありましたよね。列車爆破で死者191人、負傷者1820人、それぞれをそれぞれの罪の刑で合算すると約4万年の懲役という計算になるそうです。実際は何万年の刑になろうとも約40年で仮出所ということになるのだそうですが、罪の重さを本人にも世間にも知らしめるというパフォーマンス的要素が大きいということなのでしょう。
しかし、191人の遺族はそれに納得するのでしょうか? だって、ちょっと違うかもしれませんけど麻原 彰晃が40年で仮出所するようなものでしょ、いかに求刑が4万年でもなんだか腑に落ちない気もします。
もちろん、私は死刑推進論者ではありません。どちらかといえば死刑反対の方だと思います。がしかし、遺族の心情もまた理解しなければいけないと考えています。

「やっぱ流刑の復活だな、どっかの島を逃亡不能にして、自給自足させるわけよ。ほんでもってそこでおっ死のうと、殺し合いしようと、「そんなの関係ねぇ」にしちゃってさ、とんでもなく恐ろしい地獄の島にしちゃうわけさ。そうすりゃおめえ「そんな島行きたくねぇよぉ」ってんで、犯罪も減るんじゃねぇか」
とまぁ、そう簡単ではありませんけどね。
昔、アメリカのパロディー映画で「てめぇ、いうことをきかねぇと、成田に送り込むぞ!」(成田闘争まっただ中のお話)と脅すシーンがありましたが、少なくとも刑には犯罪を抑止する恐ろしさも無いといけないとは思います。

そのイタリアを中心に「死刑の執行停止を求める決議案」が国連に提出されたそうですし、死刑を10年以上執行しないなど事実上廃止している国を含めた死刑廃止国は133カ国、一方、死刑存続国は日米や中国など64カ国・地域だそうですから、日本もいずれ近い将来、死刑に関して今よりなお考えなければいけない日が来るのでしょう。

4万年の刑といえば、ギリシャ神話で3万年の刑をゼウスから受けた神がおりました。プロメテウスという『先見の明』がある神だったと思います。

コーカサスの山に鎖で縛られたプロメテウスは、日中、大鷲に肝臓をついばまれ、夜中に肝臓を復活(神ですから)、また翌日これを喰われるという毎日を3万年続けるという刑です。(じつに陰湿で恐ろしい、ある意味ゼウスらしい刑であります。)

では、彼はいったいどんな罪でこの刑に伏したのか?
じつは、人間に『火の使い方』を教えた罪でありました。
「まぁ、なんとひどい!」とお思いか?
それは、我々が人間であるからで、神にしてみれば火は神の神聖なパワーであって、「外道の人間に教えたら使い方を誤る(事実、戦闘に火はつきものですし)に違いない、なんという罪を犯してくれた!」と怒るのも当然なのです。

あれ?何を言いたかったんだっけ???????
そうそう、結局、罪というものは「どちらの方向から見ても罪である」という事が難しいものも多いということ、「人間に便利な火の使い方を教えてくれたプロメテウスに、それほどの罪を与えるとはゼウスという神はなんちゅう神だ!」とも思えるし、「いやいや、その後、人間達がその業で犯す罪は計り知れない、それを大きな観点で先読みしたゼウスこそ神たらん」とおもうのか、私には判断できません。
そんな中で『裁判員制』が導入され、我々が人の生死を決定することがあったら・・・・・・
『罪と罰』は人間の傲が無くならないかぎり永遠に続く大命題なのでありましょうか。

さて、今日の一枚は、ポール・クイニシェットです。
今朝ね、早起きしたもので、私がメンタマ焼きを作ったんですよ(というより、朝食を私が作ったんですけどね)、それでついついこの盤を選んでしまったという・・これは余談(笑)

クイニシェットはもちろんスイング時代から活躍した『副大統領』(レスター・ヤングはプレス・大統領、クイニシェットはバイス・ブレス・副大統領であります。)、ベイシー楽団のスターでもありました。
このアルバム、なんといっても構成が面白いですよね、テナー、トロンボーン、それにアルトが二本という4管セッション。デビューしたてのジョン・ジャンキンス、ソニー・レッド、カーティス・フラー(前回も説明しましたが)を従えて、新旧の感覚がとても良くマッチした一枚に仕上がっていると思います。

主に私はB面を良く聴くのですが、5曲目「MY FUNNY VALENTINE」はなかなかの名演であると思いますよ。

この頃の『副大統領』は、若手との共演がお好みだったのでしょうか?この一週間後には新人ジョン・コルトレーン(もちろん当時という意味ですよ)と「CATTIN’WITH COLTRANE& QUINICHETTE 」を吹き込んでいます。
しかし、発売はコルトレーンの名前が売れてから、2年後になってしまいました。プレスティッジは『副大統領』の名だけでは売れないと判断したのでしょうかねぇ?これには彼も「失礼な!」と怒っていたのではないでしょうか。

ウエッブスター・ヤングの「FOR LADY」をはじめ、プレスティッジに残る『副大統領』の参加アルバムには好きなものが多く、私は隠れ『副大統領』ファンなのかもしれません。

ON THE SUNNY SIDE / PAUL QUINICHETTE
1957年5月10日録音
PAUL QUINICHETTE(ts) CURTIS FULLER(tb) JOHN JENKINS, SONNY RED(as) MAL WALDRON(p) DOUG WATKINS(b) ED THIGPEN(ds)

1.BLUE DOTS
2.CIRCLES
3.ON THE SUNNY SIDE OF THE STREET
4.COOL-LYPSO
5.MY FUNNY VALENTINE


無駄にしないぞ!

2007年11月02日 | d-f

このあたりも今晩は少々冷え込んでいます。
昨晩は借金を返しにS君とともにいつものバーへと行ってきました。あいかわらずS君は深酒が駄目なようで、早々に引き上げていきました。私もお昼頃(12時ですよ)には切り上げ、入浴、風呂あがりのビールを飲んで1時半には床につきましたので、今朝は目覚めパッチリ、やはり遅くてもお昼ぐらいに引き上げるのがベストかもしれません。

最近どうもママにいただき物ばかりしているようで、昨晩も
「こんなんあったから、ジャズ好きのバブちゃんにどうかなぁ、なんて思ってね。」
と、こんなタイピンをいただきました。
そもそもタイピンをあまり使わない私ですが、ありがたくいただき、ときおり愛用させていただきます。

タイピンの下に写っているのは『ジャズ批評』の今月号、上に見えているのが、今私が読んでいる永江朗著『暮らしの雑記帳』です。この本がなかなか面白い。
目次を幾つか紹介しますと
チューインガムと玄米・コーヒーと袴・おやつと万年筆・椅子とデイパック・掃除と茶屋・クルマと帽子・iPodとステテコ・泡盛とインターネット などなど

私はウォークマンが気に入らなかった。音楽を一人だけで聴く、ヘッドフォンをして他人に聞こえないように聴くというのが、音楽本来のありかたとして違うんじゃないかと思ったのだ。

ウォークマンを「敗北主義的」といった音楽評論家の影響が大きかったからそう思っていたとおっしゃる作者も、電車通勤の苦痛を紛らわそうとウォークマンを購入されたのだそうで

ウォークマンを使ってみて、オーディオの基本がいくつかわかった。オーディオでいちばん重要なのは、聴く環境である。
<中略> 
劣悪な住環境(作者は近所を気にして蚊の鳴くような音しか出せないとか、そういった環境をおっしゃってます)でオーディオを聴くぐらいなら、ウォークマンで聴いたほうがはるかに素晴らしい音に感じる。暗くジメジメした部屋で聴くよりも、昼下がりのベンチで聴いたり、車窓から流れる風景を見ながら聴いたほうが楽しい。

学生の頃、千駄ヶ谷のジャズ喫茶『ピーターキャット』へよく通ったという作者の雑記が、じつに心地よく「うんうん」と読めてしまい、同世代の私としては楽しませていただいております。

そんな『暮らしの雑記帳』のなかに「ブックダーツ」のことが書かれておりまして、なんだかとても興味が湧いたので、今日文具店に行ってみたのです。
・・・・・・・・・・やっぱり田舎だからでしょうか?置いてないんですよ。
無いとなると、なんとも欲しくなるじゃありませんか、ネット注文しちゃいましたよ。しかも単品でそれ一つだと気が引けるので、来年の「手帳」と「外付けペンホルダー」もいっしょに・・・・・・・・これは久しぶりの衝動買いかな?
いやいや、物覚えの悪い私は、本の気になった部分を何度も読み直す必要があり、「付せんだらけになっちゃったぁ」みたいなことがままあるわけで「ブックダーツ」は必需品になるはずです。なるとも、なるかなぁ、
・・・・無駄にはしないぞ「ブックダーツ」!(笑)

さて、今日の一枚は、ママにトロンボーンのタイピンをいただきましたので、カーティス・フラーを選んでみました。

しかしこの年のフラーは、大忙しでありました。
ニューヨークへ出てきた直後、5月にプレスティッジに3枚のリーダー・アルバム「NEW TROMBONE」「CURTIS FULLER WITH RED GARLAND」「CURTIS FULLER AND HAMPTON HAWES WITH FRENCH HORNS」、6月にクリフ・ジョーダンの「CLIFF JORDAN」でブルーノート・デビューをすると、同じ月にリーダー・アルバム「THE OPENER」、7月にはソニー・クラークの「DIAL S FOR SONNY」、8月にはバド・パウエルの「BUD !」翌日に今日のアルバム、さらにリー・モーガン「CITY LIGHTS」、ジミー・スミス「HOUSE PARTY」、翌月はまたもソニー・クラーク「SONNY'S CRIB」、ジョン・コルトレーン「BLUE TRAIN」、11月は無かったものの、12月には3枚目のリーダー・アルバム「CURTIS FULLER Vol.3」、ルー・ドナルドソン「LOU TAKES OFF」。
いやぁ、凄い半年ですよね。

8月に四年ぶりにブルーノートに戻ってきたバド・パウエルは、フラーとの共演に「こてつはデキるぜ!」とアルフレッド・ライオンに言ったそうです。そしてその翌日録音された今日のアルバムは、フラーがライオンに紹介したデトロイト時代の共演者テイト・ヒューストンを迎えての低音二管フロントという、ちょっと冒険とも取れる一枚です。

題名もトロンボーンの「BONE」、バリトン・サックスの「BARI」、なんだかいかにも重そうじゃありませんか。
ところが実際に聴いてみると、ソニー・クラーク、ポール・チェンバース、アート・テイラーというリズム・セッションのおかげでしょうか、そういったいやらしさは感じません。

もちろん、フラーの歌心溢れるトロンボーンも良いのですが、私は「AGAIN」のテイトのソロがみょうに好きな一枚です。

BONE & BARI / CURTIS FULLER
1957年8月4日録音
CURTIS FULLER(tb) TATE HOUSTON(bs) SONNY CLARK(p) PAUL CHAMBERS(b) ART TAYLOR(ds)

1.ALGONQUIN
2.NITA'S WALTZ
3.BONE & BARI
4.HEART AND SOUL
5.AGAIN
6.PICKUP