JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

『酒教』の修行?

2008年03月06日 | g-i

れいのごとく昨晩もS君の甘い誘いに乗ってフラフラと夜の街に消えてしまった私、せいぜい午前様は週に一回くらいに止めないと季節の変わり目に体調を崩す結果になりそうですので、反省して今晩は自宅でゆっくりバーボンでもいただくことにします。(そんなら休肝日にしろ!)

ちなみに昨晩のコースはといいますと、まずは小料理屋で「ツブの刺身」「どんこの胆」などなどをつまみながら『ぬる燗』をキュッといきまして、一人ならいつものバーへしけ込むところを同級生4人の飲み会でしたので、カラオケ有りの女性も若干いーのてなお店で『竹鶴』をロックでグビグビといただき、嫌いなカラオケも3曲ほど唸り(ふつうはこれを嫌いとは言わないようですが....笑)ついでにお嬢様の手を握りながら手相を見ちゃったりして・・・んんんんん。
いつものパターンだとこのあたりで「ボクちゃん帰る」と言い出すS君が、昨晩は何故かもう一軒行くと言いだし、S君が『マッカランの18年』をボトルキープしているというお店へ、またもロックでガッパガパ。ここでついにS君は帰ると申されるので彼を見送った私はいつものバーで『ハーパー』のロックをチピッといただいて〆という・・・・・・これだけ飲めば酔わないほうがおかしいわけで、それでも帰宅後ひとっ風呂浴びてバタンキュー、まさに「それでいいのかおとっさぁん」であります。

根っからの酒飲みで知られた古今亭志ん生師匠が
「酒がいちばんいいね。酒というのは人の顔色をみない。貧乏人も金持ちも同じように酔わせてくれるんだ。「あいつは酔わせないよ」てなこと言わねぇとこがいいじゃねぇかい。乞食にも厭な顔をしぬぇからなぁ。」
なんておっしゃっておりましたが、まさにその通り、私のようなゲスな人間でも酒の神バッカスは見捨てることなく酔わせてくれる、ありがたいじゃござんせんか。
もちろん反省はしていますよ。
でもね酒に逃げるのは良くありませんが、バッカスからの贈り物を堪能して酔っぱらうことは、精神衛生上じつによろしいわけでして「これがなかったら私ゃぁ生きていけやせんよ」と居直りつつ、これからも酔っぱらいを続けるのでありましょうね、私は。(笑)

酒の力を借りて女性をおとしめたり、酔いに任せて他人に迷惑をかけたり、これは平等に酔いをプレゼントしてくれる酒に対して失礼なことですら、酒飲みたる者がやっちゃいけません。・・・・いや、めったにやっちゃいけません。(笑)

酔いに感謝しつつ最後の一滴まで味わい、酒の神の慈悲に身を任す・・・あ~あ、なんと素晴らしきかな、世に『酒教』があったなら、私は第一の信奉者として身を捧げるでありましょう。(お~~い、まだ酔っぱらってんのかぁ~~~~)
世の中で、一番の常識知らずが官僚諸氏で、一番の嘘つきが政治家なら、そんなみなさんも酒のようにあまた平等に尽くす心が欲しいもの、私は「官僚も政治家も良き酒であれ!」と叫ばずにはいられない・・・・・・って、なんじゃそりゃ

え~~本日は「よくもまぁ毎日毎日酒飲んで、ブログに綴る話も『酒話』ばっかじゃないの」と称される方々に「私が何故に酒を飲むのか」について、全て『酒教教徒』としての修行であるという、簡単ではありますが言い訳にもならない言い訳を述べさせていただきました。
ご静聴ありがとうございましたぁ。

さて、今日の一枚は、ディジー・ガレスピーです。おそらくは私が彼のアルバムを取り上げたのは初めてではないかと思います。
このレコードもしばらく聴かずに放置されていた一枚でありまして、ガレスピー云々というよりは二人のソニーを目的に「DUETS」とともに入手した一枚でした。

久しぶりに聴いてみると、悪くありませんねぇ。
「THE ETERNAL TRIANGLE」でのロリンズとスティットのテナー・バトルはなかなか聴き応えがあります。どちらがロリンズでどちらがスティットか聴き分ける楽しみもあったりして、ぜひみなさんもやってみてはいかがでしょうか。
「ON THE SUNNY SIDE OF THE STREET」でのガレスピーのボーカル(?)は、ちょっといかがなものかとも思えますが、二人のソニーを格上として引っ張るあたりはさすがといったところでしょう。

これもほったらかしにするには少々もったいない一枚だったと感じています。

SONNY SIDE UP / DIZZY GILLESPIE
1957年12月19日録音
DIZZY GILLESPIE(tp) SONNY STITT(ts) SONNY ROLLINS(ts) RAY BRYANT(p) TOMMY BRYANT(b) CHARLIE PERSIP(ds)

1.ON THE SUNNY SIDE OF THE STREET
2.THE ETERNAL TRIANGLE
3.AFTER HOURS
4.I KNOW THAT YOU KNOW


娘への想いは何処へやら

2008年03月04日 | g-i

昨日は「桃の節句」というより、私にとっては大切な娘の誕生日。電話でおめでとうを告げましたが、なんだか電話だけというのも寂しい気分で「こんな時はやっぱりお酒に頼っちゃおう」といつものバーへ出かけてしまいました。

「ママ、今日は娘の誕生日だから、いっしょに乾杯してくれる?」
「あっ、そうか、今日はお雛様だもんね、SOちゃんの誕生日だぁ・・・・それじゃSOちゃんおめでとうカンパーイ!!」
なんてことありません、娘の誕生日にかこつけて酒を飲みたかっただけじゃないかという「娘への想いは何処へやら」父親失格でありますね。(笑)

しばらくママとダベリながら飲んでおりますと、一人の男性のお客さんが入ってみえました。
「あっ、そうだ、バブちゃんこの前の頼み事忘れちゃったでしょ」とママ。
「えっ????なんだっけ???????」
前回酔っぱらってしまった私はなんのことか全く分かりません。
「ほら、これだぁ、あのね、コルトレーンのアフリカを持ってるなら録音して欲しいって頼んだでしょ、こちらのお客さんに言われていた話だったのよ。」
「あっ!そういえばそんなこと言われたような・・・・」

「失礼ですが、コルトレーンをお好きなんですか?」
お話をお聞きすると、コルトレーンに限ったことではないけど、若い頃にジャズ喫茶の雰囲気が好きで良く行っていたのだとか、そのせいで今でも車の中ではいつもジャズが流れているのだそうです。(なんだか話が合いそう)
そんな□さん、コルトレーンの「AFRICA / BRASS」か「THE AFRICA BRASS SESSIONS Vol.2」になにやら大切な思い出があるのだそうで(お話だけではどちらかの判断はつきませんでした。)、CDもLPも探されたようなのですがなにぶん田舎のこと、お店で見つけることが出来なかったのだとか。
それでママにそんな話をしたら「バブちゃんなら持ってるかも」って事になったのだそうです。

「大丈夫ですよ、コルトレーン関連ならほぼ手中に取りそろえておりますから(笑)」
録音を約束すると、
「ママ、こちらに一杯お出しして」
「いやいや、それは録音して来てからいただきます。」

それからは、ジャズ喫茶話、ジャズ話、音楽話に盛り上がり、なんと「気分が良いからママもいっしょに飲みに行っちゃおう!!!」と□さん。
「えっ?えっ?え?」
いやね、ママのお店は今日お休み、□さんも今日仕事が休みなのだそうです。
「そりゃないジャン、オレは明日仕事なんだから、それに手持ちも少ないし、二人には付き合えないよ」と私。
「まぁ、いいからいいから」
何がいいんだか分かりませんが、結局2時までお付き合いさせられてしまいました。
「あら、そんなこと言っちゃって、一番楽しんでたのはバブちゃんじゃござんせんでしたかねぇ」
「返す言葉もございません。」
3月3日、雛祭り、娘の誕生日の夜は、そんなふうに過ぎていきましたとさ、めでたしめでたし(なんじゃそりゃ)

ともかく、忘れないうちに「AFRICA / BRASS」と「THE AFRICA BRASS SESSIONS Vol.2」をCD-Rに落としておきましたので、こんど持って行きますね。そうそう、ついでにママが聴きたいって言ってた「ちあきなおみ」も持って行きます。とりあえずはお楽しみに。
「それにしても「AFRICA / BRASS」にまつわる思い出話は聞かずじまいだったなぁ、ひょっとして女がらみかぁ・・・・・」
「こら!」

さて、今日の一枚は、ジョニー・グリフィンです。
以前もお話ししましたが、1960年代、アメリカのジャズ状況はロック・ムーブメントに多大な影響を受け、さらにジャズ・シーンすらもマイルスに代表されるエレクトリックへと移り、とくにハード・バッパーにとっては最悪の環境にありました。
そんな環境から脱出を謀ったミュージシャンの多くは、ジャズをアートとして評価してくれる下地を持ったヨーロッパへと向かったのです。グリフィンもその一人でした。
そんな中、デンマークはコペンハーゲンで1972年に設立した新鋭レーベルがスティーブルチェイスです。

スティーブルチョイスが他のヨーロッパレーベルと決定的に違ったのは、「カフェ・モンマルトル」に録音機材を持ち込んだニース・ウィンターの趣味のようなものから始まったために、当時の「カフェ・モンマルトル」に集まった、ある意味旧泰然としたベテラン・ハード・バッパー達の演奏を中心にレコード化していったという点です。
それは、ジャッキー・マクリーンの復活であり、ケニー・ドリューであり、デクスター・ゴードンであり、そしてジョニー・グリフィンであったということ、
これを「ハード・バップ・リバイバル」などと称するむきもありますが、新しい時代でも「良いものは良い」ということを示したレーベルであったと私は思っています。

今日のこのアルバムも「ジョニー・グリフィンの新譜が聴ける」というだけで当時話題になった一枚です。
ジャケット写真の善し悪しは別として(笑)B面の「SOFT AND FURRY」あるいはタイトル曲「BLUES FOR HARVEY」あたりに全盛期のグリフィンを感じ取れる嬉しい一枚だと思います。

BLUES FOR HARVEY/ JOHNNY GRIFFIN
1973年7月4,5日録音
JOHNNY GRIFFIN(ts) KENNY DREW(p) JOHNNY VINDING(b) ED THIGPEN(ds)

1.THAT PARTY UPSTAIRS
2.ALONE AGAIN
3.SOUND TRACK BLUES
4.THEME
5.SOFT AND FURRY
6.BLUES FOR HARVEY
7.RYTHEM-A-NING / THEME


置いてけぼりの夜・・・それも楽しい

2008年03月02日 | p-r

「ご飯食べるんなら、炊かないと無いからね」
なんて事でしょ、今晩は置いてけぼりをくらって、一人でお留守番の真っ最中です。しかも私の夕食のことなど何も心配していないというのは「あんまりじゃござんせんか」ってんですよねぇ・・・・・・がしかし、よくよく考えてみれば、今日は日曜日ですから夕食は最初から私が作る日なのでありまして「一人きりということは、飲み放題ジャン」ということで、早速つまみの買い出しへと出かけました。

そこで、今週は早めの『料理当番、本日の一品』いやもとい『酔っぱらいオヤジ、本日の肴』であります。

まずは得意の『モツ煮込み』

こちらは『メヒカリの唐揚げ』でありまして、今回は前もって軽く醤油味を付けて揚げてみました。もちろんどちらも日本酒用の肴。
えへへへへへへ、早い時間から始めたもので、新聞を読み読みはや五合ほどいただいて、後は部屋にこもってのジャズ&バーボンタイムというわけです。

「さて、今日は何を聴こうかな????」

先日、レコードを眺めていてふと思ったのですが、ここ数年聴いていないものがけっこうあったりするものです。
本来、レコードもCDも「聴いてなんぼ」のものでワインのように寝かしておくものではありません。そう考えると私はじつにもったいない事をしています。つまりあれもこれもと買い集めることが良しとは言えないということでして、リスナーとしてあるまじき事だと反省しきり、そこでそんなもったいないレコードを毎日一枚は聴いてやろうと思っています。独りぼっちの今日は3枚聴くことにしました。

キース・ジャレットとオスカー・ピーターソンというのが、いかにも私らしいでしょ(笑)

さて、ということで今日の一枚は、そのオスカー・ピーターソンにしました。
何故かといえば、この3枚の中で一番アルコールに合っているのではないか、という単純な理由なのですけど・・・・

この「カナダ組曲」をピーターソン本人は「いつもの自分たちのトリオの演奏とは違った気分で聴いて欲しい」と言っていたそうです。たしかにいつもよりあまり弾かないピーターソン(なんじゃその表現は)といった感じはします。

ジーン・リース氏の解説によれば「カナダが空虚で寂しい国である反面、美しい風物を持った国であり、何よりもピーターソンにとってはかけがえのない国であったことを受け入れた、美しい故郷の讃美の歌が流れている。」つまり、そこに他の曲とは違ったピーターソンが見えるのだそうです。

でも、私にはそんなことはどうでもいいことで、うるさいほどのこれでもかってくらい弾きまくるピーターソンより、これくらいさり気なく聴かせて、なおかつ高度なテクニックを見せるピーターソンの方が好みであるということです。(それなら、もっと聴け!....笑)

久しぶりに聴きましたが、昔の「ピーターソンをわけもなく避ける病」は完治したようで、日本酒の追い打ちに注ぎ込んだバーボンも心地よく喉を通りすぎて・・・
いくら一人だからといって飲み過ぎちゃいけませんよね。
それじゃあ、あと一杯だけ(やっぱり飲むんかい!!!!!)

CANADIANA SUITE / OSCAR PETERSON
1964年録音
OSCAR PETERSON(p) RAY BROWN(b) EDMUND THIGPEN(ds)

1.BALLAD TO THE EAST
2.LAURENTIDE WALTZ
3.PLACE ST.HENRI
4.HOGTOWN BLUES
5.BLUES OF THE PRAIRIES
6.WHEATLAND
7.MARCH PAST
8.LAND OF THE MISTY GIANTS


予定外の良い休日

2008年03月01日 | v-x

今日の午前中は
「○○、病院におくってってくんないか」
との母のリクエストで、眼科までの送迎担当となってしまいました。
もともと病院の待合所というのは苦手な私ですので、母の診察が終わるまで病院の近くをぐるっと散歩です。

午後には北風に変わり少し寒くなるとの予報も、午前中の散歩にはなんの影響もありません。そこは我が家のある住宅地とは違い、まだ若い方が多く住んでいる地域、子供達の元気な声もそこかしこから聞こえてきます。


住宅地の遊歩道にこんなんがあるんですよ

お年寄りがいて、働き盛りもいて、子供たちも遊ぶ、そんな住宅地が理想でしょうが、現代はそんなあたりまえも難しくなりつつある時代なのだと何となく思いながら病院へ戻ると、まだ母の診察は終わっていません。
するとそこへ、真ん丸お目々のカワイコチャンがやってきました。おかあさんのお付き合いでしょうか、3才くらいのその女の子はとてもヤンチャさんで、おかあさんがちょっと目を離すと走り回っています。
「こら!ダメでしょ!」
すると突然そんなカワイコチャンが、私に飴をくれるというのです。
「なに?おじちゃんにくれるの?・・・ありがとう」
と言って、そっとお母さんに返しましたけど、その可愛さときたら、まさに天使ですね。病院の待合所がちょっと好きになった午前中でした。

午後からは、先日壊れた物置のドアをなんとかしようかとも思っていたのですが、風が強くなってきましたので(じつはホッとしてたりして...笑)久しぶりに喫茶店のマスターの顔でも見に行こうと出かけてきました。

「あれ?マスター珍しいのかかってんじゃん」
「あっちゃ~バブさんが来たんじゃ、ジャズにかえるしかないかぁ」
「べつにいいよ、ほら、フィル・ウッズのアルトも聴けることだし」
店に流れていたのは、ビリー・ジョエルの「THE STRANGER」というCDでして、つまり「JUST THE WAY YOU ARE(素顔のままで)」が入っている=フィル・ウッズのアルト・サックスが聴けるというわけです。
「それにしてもビリー・ジョエルなんて誰の趣味?」
「オレだよオレ」

休日の午後に、自宅で自分がいれた珈琲を飲むのも良いですが、プロにいれてもらった美味しい珈琲を、ビリー・ジョエルを聴きながらゆっくりと味わうのも悪くありません。
2時間ほどくだらない話をしながら珈琲を二杯楽しんできました。

3月1日、終わってみれば、カワイコチャンには声をかけられるし、美味しい珈琲は飲めたし、なかなか良い休日でありましたとさ。

さて、ということで今日の一枚は、当然のごとくフィル・ウッズです。
ヨーロッパ・リズム・マシーンに区切りを付け、アメリカ西海岸に戻ってきたウッズは、帰国後1年経ってこのアルバムを録音しました。
この時、まだウッズはヨーロッパへの郷愁さめやらぬといった状態だったのかアルバム名はフランス語、ちょっと寂しかったのかなぁ・・・・・
「だけどもだけど」
内容は、まさに「そんなの関係ねぇ」でありまして、ウッズ節全快です。
このひとのアルトの響きって、何だか「何処までも飛んでけ~~~!!」的な感じがありますよね。

てなこと言うと、「「ALIVE AND WELL IN PARIS」以降のウッズは、このアルバムと「THE PHIL WOODS SIX LIVE FROM THE SHOWBOAT」ぐらいしか聴かんだろおまえは!」なんて言われそうでもあります。

ともかく「聴いて爽快な気分になれる」この時期のウッズのそれが魅力だと思います。

MUSIQUE DU BOIS / PHIL WOODS
1974年1月14日録音
PHIL WOODS(as) JAKI BYARD(p) RICHARD DAVIS(b) ALAN DAWSON(ds)

1.SAMBA DU BOIS
2.WILLOW WEEP FOR ME
3.NEFERTITI
4.THE LAST PAGE
5.THE SUMMER KNOWS
6.AIREGIN