「♪ ドミニク ニクニク タラリ~ラタララ・・・・・♪」
アハハ、突然なんだというお話しでありますが、今週の朝日新聞土曜版beの「song 歌の旅人」が『スール・スーリール「ドミニク」』であったので、ついつい口ずさんでしまったのです。
まさに「すり込み」、小さいときに聴いた童謡と同じように、この「ドミニク」のメロディーも脳の絶対に忘れない『記憶保存庫』に保管されています。
ところが、我が『絶対記憶保存庫』はじつに適当というか不完全でありまして、「♪ ドミニク ニクニク」以外の歌詞は全く保存されておりません。(笑)
記事であらためて歌詞を見ても全く思い出せないんですからひどいもんです。
それはともかく、私の『不完全絶対?記憶保存庫』にでさえ、メロディーが保存されていたほど日本でも同曲はヒットしたのでありますが、原曲を歌ったシスター・スマイル、スール・スーリルさんの存在も(幼い私は、完全にペギー葉山が、また何処かの国の民謡か何かを歌ってんだろ、くらいにしか思っていなかったんでしょうね)、まして彼女の生涯がどんなものであったかなど、もちろん全く知りませんでした。
それが、今日のこの記事を読んで、がぜん興味が湧いてきたのです。
母親との確執、自分を慕う少女アニーからの逃避、ギターとの出会い、ローマ・カトリックの開放政策、「ドミニク」のヒット、不合理なレコード契約、修道院を飛び出し慕い続けてくれていたアニーのもとへ・・・・・・そして、二人での自殺。
現在、東京は銀座の『シネスイッチ銀座』で公開されている、ステイン・コニンクス監督の映画「シスター・スマイル ドミニクの歌」を観てみたい・・・・・・
くそう、こういう映画って地方じゃ公開されないし、DVDにもならなかったりするんですよねぇ
『新潟ジャズストリート』にすら出掛けられずにいるこの私が、映画一本のために東京まで出張って行けましょうや・・・・・・
この後、大阪、名古屋でも公開が予定されているそうですから、お近くの方、ぜひともご覧いただいて感想だけでもお聞かせいただければと思います。
「DVD化されねぇかなぁ・・・・」
さて、今日の一枚は、ソニー・クリスです。
土用の丑の日、違った土曜の午前中だから「SATURDAY MORNING」って、安易といえば安易でありますが。
「ハード・バッパー再び」70年代にそれを切に祈るファンはじつに多かったんでありまして、そんな願いの中から生まれた傑作と言ってよいのがこのアルバムかもしれません。
哀愁の音というのは、出そうと思って出せるもんじゃないんでしょうねぇ、楽器というのは人生を映し撮る鏡のようにも思えます。
バリー・ハリスをバックに奏でられるクリスのアルトは、まさにそれではないでしょうか。
明るく抜けるような爽快アルトもクリスの魅力であるとすれば、熟成されたウイスキーのごとく渋さの中に湧き出る甘さを感じ取れる、これもまた鏡が映し出したクリスの魅力だと、そんなことを感じさせる一枚だと思います。
う~~ん、もうこの頃は自殺を考えていたんでしょうか?クリスさん。
SATURDAY MORNING / SONNY CRISS
1975年3月1日録音
SONNY CRISS(as) BARRY HARRIS(p) LEROY VINNEGAR(b) LENNY McBROWNE(ds)
1.ANGEL EYES
2.TIN TIN DEO
3.JEANNIE'S KNEES
4.SATURDAY MORNING
5.MY HEART STOOD STILL
6.UNTIL THE REAL THING COMES ALONG