春分の日。
お彼岸。
親父の命日の前日。
だけど、長男がミニバスの練習試合なので、
母親を連れてお墓参りに行くのは弟にお任せしてしまった。
僕は次男坊と国立西洋美術館のラファエロ展に。
上野は花見客で混雑していたけれど、ラファエロ展はそれほどでもなかった。
作品の点数は少なめだけど、子どもと観るにはちょうどいい。
これは何の絵?
赤ちゃんとお母さん。
これは?
寝てる人。
この絵はなんだ?
お父さん。
え、どこが?
一番好きな絵はどれだった?
赤ちゃんとお母さんの絵。
なかなかミーハーだな、うちの子。
スポーツ観戦が好き。
スポーツをするのが好き。
冬はスキー場へ。
旅行に行く。
おいしい料理を食べる。
本を読む。
パソコンで遊ぶ。
ギターを弾く。
ピアノを弾く。
映画を観る。
芝居を観に行く。
ミュージカルを観に行く。
クラシックコンサートに行く。
ロックコンサートに行く。
美術館に行く。
身近にそうした環境がなければ、自分の中に文化は根付かない。
大人にとっての環境は広範囲だけど、
子どもにとっての環境は範囲が狭い。
幼稚園児なら幼稚園と家庭が環境のほとんどだ。
だから親の役目、責任は大きい。
4歳の子どもにラファエロを鑑賞して何かを感じてもらおうなんて考えているわけじゃない。
美術館に行ったという事実、経験を大切にしたいのである。
身近な出来事としての美術館。
美術館に行くことは特別だとは思ってもらいたくない。
普通行くでしょ美術館、
という文化を彼の中に築きたい。
彼が大人になった時、
大学生くらいになった時に、
ふらっと一人で美術館に行って、
感情を揺さぶってクリエイティブを充電する、
そんな楽しみ方をしてくれたらいいな、とか思う。