今回で、やっと完結編までこぎつけたものの、このシリーズは書くのが本当に嫌だった。
お上品で通っている私なのに、肛門さまじゃの、トイレの話題は美を売りにしている者にとっては禁句なのに、無理に書いてしまった・・・・( 一一)
まだ、強者の彼女のようにデリケートな神経を持っていた頃、私はデパートのトイレで隣の個室で用を足している、おばさんが発する高らかな音を聞きながら「何て恥じらいがないのだろう。絶対にああはなりたくないもんだ」と同性ながらムカついた覚えがある。
いくら人間の生理現象とはいいながら、あんなに、あからさまにすることはないだろうと、呆れかえったのであるが、今の私は、段々、そんなおばさんに近づいている。
他人がどう思おうが、遠慮なんかしていられない。
そんな事をしていたら、自分の体が悪くなるに決まっている。
恥じらいをとるか、自分の体調をとるか。
若い頃は恥じらいだったが、今は、もちろん自分の体調である。
どうせ隣の個室に入っている人なんか、私の人生で二度と会わないに決まってるんだから、どう思われようがかまわないのである。
「今日、デパートのトイレに恥知らずの女の人がいたのよ。よく平気であんなことができるわよね」と言われる可能性があったって気にしない。私の耳に入ってこなければ、もうどうだっていいのである。
図々しさのおかげで快便を続けているのであるが、これが年齢による図々しさだとわかって、私は愕然とした。
彼女と同じ年頃の私だったら、男性と同じ屋根の下でひとつのトイレを使うと聞いただけで、肛門がちち”こまってしまい、便秘の日々になったと思う。
しかし今の私は「あーー懐かしい汲み取り式トイレ」と感慨を抱きながら、平気で用を足せる。
あぁ、あんなに純情だったのに汚れてしまった私。
旅行の間、ずっと便秘だった彼女は「家に帰った途端、嘘みたいに、ぜーんぶ出てすっきりしました」と明るい声で話してた。
あぁ、若いっていうことは、面倒くさいところもあるけれど、いいなぁと私はつくづく思ったのだった。
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