愛ーエステ

長年のエステティシャンとしての経験を生かし正しいスキンケアをお伝えします。

スケバン4

2019年04月30日 | 美容

スケバンと揉めることなく、一日を終えた翌日、亡霊が「3人で休憩に行っていいよ」と言った。

 

 

 

珍しいなあと思っていると、売り場の上司がやってくるのが見えた。

 

 

 

「さ、早く、早く、いいから休憩してきてよん」亡霊は暗いなりに、はしゃいでいた。

 

 

 

私達は追い立てられるように、上の階にある喫茶店に行き、ホットケーキセットを注文した。

 

 

 

スクバン二人は、くすくす笑いながら煙草を吸い始めた。

 

 

 

下手に口を挟んで「うるせえな」と言われると困るので黙って彼女達を見ていたら「なんか、変じゃないすか」とスケバンが言った。

 

 

 

 

「何が?」

 

 

「あの女、あいつのことが好きなんで、私らのことをおっぱらったんですよ」二人は親指を立てた。

 

 

 

 

「ああ、そうか」私が感心していると「だめっすよ、ぴんとこなきゃ」とスケバンに怒られてしまった。

 

 

 

 

しばらくホットケーキを食べ、ぐだぐだしていると、店が混んで来たから戻ってきてと亡霊が呼びに来た。

 

 

 

 

私はスケバンを先に行かせて、お金を払ってから売り場に戻った。

 

 

 

彼女たちは「うっす。ごちそうさんです!」とぺこりと頭を下げた。

 

 

 

 

別に空手もやっていないのに、「空手道」という言葉がぴったりしそうな態度であった。

 

 

 

そしてホットケーキセットをおごってもらったことで、心がなごんだのか、彼女はそれ以来、私のことを「先輩、先輩」と呼んで、なついてくるようになってしまったのだ。

 

 

 

 

彼との仲がうまくいっていないのか、亡霊がヒステリーを起こして理由もなく私を叱ることがあった。

 

 

 

亡霊がいなくなるとスケバン達がやってきて

 

 

「あったま来るなあ、あいつ」

 

 

「どうして先輩を怒るんすか」

 

 

「いっちょ、ヤキをいれてやりますか」などと言いだす。

 

 

 

「ひぇーっ、そんなことはやめて」

 

 

 

そう言っても、彼女達は舌打ちしながら

 

 

「許せないっすよ。いいじゃないすか、一発や二発くらい。それとも根性焼きをしたろか」と真顔で話していた。

 

 

 

「頼むからやめて」と言って、やっと彼女達に納得してもらったこともあった。

つづく

 

 

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