宮田線は、筑豊本線の勝野駅と筑前宮田駅とを結んでいた全長5,3kmの全線単線非電化のローカル線でした。
(勝野)ー磯光ー筑前宮田
筑豊地区有数の炭鉱だった貝島炭鉱から掘り出された石炭の輸送のため、九州鉄道の貨物線として1902(明治35)年2月19日に開業した宮田線は、最盛期には各駅から総延長20kmにも及ぶ専用鉄道が伸びていたほど繁栄していました。 しかし、その後の国の石炭政策の変化に伴って貝島炭鉱が閉山したことにより、宮田線は主力だった貨物輸送を失い、それとともに旅客輸送も減少していき、1980(昭和55)年12月27日に施行された国鉄再建法(日本国有鉄道経営再建促進特別措置法)によって宮田線は1987(昭和62)年2月3日に第3次特定地方交通線として廃止承認されます。
そして、1987(昭和62)年4月1日の国鉄分割民営化により九州旅客鉄道(JR九州)に承継された後、1989(平成元)年12月23日に廃止されました。
ちなみに、宮田線は九州では最後まで残っていた特定地方交通線でした。
<宮田線の年表>
・1902(明治35)年2月19日:九州鉄道の貨物線として開業
・1907(明治40)年7月1日:鉄道国有法により九州鉄道が国有化されて、国鉄の貨物線となる
・1909(明治42)年10月12日:国鉄線路名称制定により筑豊本線の貨物支線となる
・1912(明治45)年7月21日:線路名が桐野線に改称され、旅客営業を開始する
・1937(昭和12)年8月20日:線路名が宮田線に改称される
・1982(昭和57)年11月15日:貨物営業を廃止
・1987(昭和62)年2月3日:第3次特定地方交通線として廃止承認される
・1987(昭和62)年4月1日:国鉄分割民営化により九州旅客鉄道(JR九州)に承継される
・1989(平成元)年12月23日:全線が廃止される
(廃止前の磯光駅)
(廃止前の筑前宮田駅)
撮影年月日:1989(平成元)年2月21日