兵庫県朝来市生野町口銀谷字中筋にあるJR西日本の生野駅は、山陽本線の姫路駅と山陰本線の和田山駅とを結び、陰陽連絡路線としての役割も担っている全線単線の播但線(65.7km)の駅です。
もともとは播但鉄道の一般駅として1895(明治28)年4月17日に開業しましたが、その後、山陽鉄道を経て国鉄播但線の駅となりました。
相対式ホーム2面2線を有していて列車交換可能な簡易委託駅です。
旧来から東口(和田山方面行きホーム側)に1960(昭和35)年7月に建てられたコンクリート製の駅舎がありましたが、2009(平成21)年3月に西口(姫路方面行きホーム側)に新しい駅舎が建てられたことに伴い、東口の駅舎は無人化されてしまいました。
この生野駅は、特急「はまかぜ(大阪駅~香住駅・浜坂駅・鳥取駅間)」の停車駅です。
また、この駅は全国でも珍しい右側通行となっています。これは駅の北側が上り勾配となっていて、新井方面から見て駅構内は左側にカーブしており、さらに左側分岐であるため、左側通行では勾配途中で分岐制限を受けてしまうので、蒸気機関車はホームへの停車が困難だったからだそうです。
2018(平成30)年度の1日の平均乗車人員は518人で、これは起終点駅を除く播但線の全16駅中11位です。
この駅の和田山寄りにある全長615mの生野トンネルは、古い規格で掘られた断面の小さいトンネルだったので、1959(昭和34)年4月16日に上り回送列車の蒸気機関車を運転中の機関士と機関助士がトンネル内で窒息して失神したまま生野駅を通過してしまい、長谷駅までの間のトンネルの坑門に衝突して死亡するという事故が起きました。
生野駅が属する播但線は、兵庫県の中央部を流れる市川・円山川に沿って山陽本線と山陰本線を結ぶ陰陽連絡路線ですが、普通列車は電化区間の姫路駅~寺前駅間と、非電化区間の寺前駅 - 和田山駅間で運行系統が分かれており、1998(平成6)年3月14日のダイヤ改正以降は全線を通して運行される列車は、特急「はまかぜ」のみです。
<生野駅の年表>
・1895(明治28)年4月17日:播但鉄道の終着駅として開業
・1901(明治34)年8月29日:播但鉄道が新井駅まで延伸したことに伴い、南へ300m移転して途中駅となる
・1903(明治36)年6月1日:播但鉄道が山陽鉄道に譲渡され、同鉄道の駅となる
・1906(明治39)年12月1日:鉄道国有法により山陽鉄道が国有化され、国鉄の駅となる
・1909(明治42)年10月12日:国鉄線路名称制定により国鉄播但線となり、同線の駅となる
・1960(昭和35)年7月 :東口に駅舎が竣工
・1973(昭和48)年4月1日:貨物取扱い廃止
・1987(昭和62)年4月1日:国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅となる
・1991(平成3)年4月1日:福知山支社から福崎鉄道部の管轄に変更される
・2009(平成21)年3月:西口駅舎が竣工
・2010(平成22)年4月:西口駅舎内に朝来市観光情報センターがオープンする
・2010(平成22)年6月1日:福崎鉄道部が廃止され、福知山支社の管轄に戻る
・2013(平成25)年8月1日:駅構内終日全面禁煙化
(駅 名 標)
(和田山方面を望む)
(旧来の東口駅舎・ホーム側)
(生野駅の東口駅舎)
(生野駅の東口駅舎)
(生野駅の東口駅舎内)
(2009年3月に竣工した生野駅の西口駅舎)
撮影年月日:2014(平成26)年1月2日