大阪市北区で行政書士・海事代理士・マンション管理士を営んでいる原田行政書士法務事務所の駅ブログ

主に学生時代から撮り続けている全国の駅の写真等をブログで毎日公開しています。

旧国鉄池北線 川上駅!

2019年11月20日 | 

北海道足寄郡陸別町にあった川上駅は、根室本線の池田駅と石北本線の北見駅とを結んでいた全長140.0kmの旧国鉄池北線の一般駅として、1920(大正9)年6月1日に開業しました(開業時は網走本線に所属)。

開業時は単式ホーム1面1線の他に貨物ホームや貨物側線も有していましたが、1962(昭和37)年10月の貨物取扱い廃止後に側線は全て撤去されてしまい、廃止時は単式ホーム1面1線のみの無人駅でした。 
開業時に建てられた木造駅舎は、無人駅化後もそのままの姿で廃止時まで解体されずに健在でした。

もともと川上駅は、この周辺の豊富な木材資源を搬出するために設けられ、かつては駅裏の利別川沿いに富士製紙の木材流送の陸揚網場も設置されていたので、最盛期の1923(大正12)年には1日当たり約80人もの利用者がありました。
しかし、その後、木材の輸送は次第にトラックに切り替わり、また木材そのものの需要も低下したことから、昭和30年代の後半になると川上駅周辺はほぼ無人地帯となり、国鉄時代末期には利用者はめったにいませんでした。

川上駅が属していた池北線は、1980(昭和55)年12月27日の国鉄再建法(日本国有鉄道経営再建促進特別措置法)施行による特定地方交通線選定の際には第2次特定地方交通線に選定されますが、営業キロが140kmもあった長大路線であったため地元の自治体が特別な配慮を求めたことや、沿線道路が未整備だったため、冬季の代替輸送に問題があるなどの理由により、1984(昭和59)年6月22日に一時廃止承認が保留されたものの、その後、運輸省(現在の国土交通省)の調査結果を受けて1985(昭和60)年8月2日に追加廃止承認されてしまいます。 しかし、池北線は長大4線(名寄本線・標津線・天北線・池北線)の中では最も営業係数(100円稼ぐのに必要な費用)が低かったことと沿線自治体や住民の熱意により、1988(昭和63)年11月14日の対策協議会において第3セクターとして存続することに決定しました

そして池北線は、1987(昭和62)年4月1日の国鉄分割民営化により北海道旅客鉄道(JR北海道)に承継され、さらに1989(平成元)年6月5日に第3セクターの北海道ちほく高原鉄道に転換されますが、2006(平成18)年4月21日に同鉄道が経営悪化で廃止されたことにより、川上駅も廃駅となりました。

  <川上駅の年表>

 ・1920(大正9)年6月1日:旧国鉄網走本線の一般駅として開業
 ・1961(昭和36)年4月1日:網走本線のうち、池田駅~北見駅間が池北線に改称されたことにより、池北線の駅となる
 ・1962(昭和37)年10月1日:貨物・荷物の取扱い廃止、
 ・1962(昭和37)年10月1日:駅の無人化
 ・1985(昭和60)年8月2日:地北線が第2次廃止対象特定地方交通線に選定
 ・1987(昭和62)年4月1日:国鉄分割民営化により北海道旅客鉄道(JR北海道)に承継される
 ・1989(平成元)年6月4日:北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線の駅となる
 ・2006(平成18)年4月21日:北海道ちほく高原鉄道が廃止されたことにより廃駅となる

 
(駅 名 標)

 
(駅舎・ホーム側)

 


 撮影年月日:1988(昭和63)年11月3日