梅枝の巻
明石姫君の裳着、入内に備え、如月の十日に蛍兵部卿を判者に招き、薫香合わせを行った。
(写真は源氏物語図典より)
この場合の薫香は練物(ねりもの)で色々と材料をブレンドして練り固めるようだ。
ブレンドの方法は各家の秘伝である。
また女性のみ、黒方と侍従を伝承する。
朝顔の前斎院 黒方(くろぼう) 冬の香り 心にくくしずやかな匂い
紫上 梅花 (ばいか) 春の香り はなやかに今めかしう、少しはやき心しひを添えて、めずらしき香り
源氏 侍従 秋の香り なまめかしうなつかしき香り
花散里 荷葉(かよう) 夏の香り 蓮の香り さまかはりしめやかな香して、あはれになつかし
明石上 薫衣香(くんのえこう)の百歩(ひゃくぶ)の方(ほう)百歩先でも薫る 世に似ずなまめかしさを取りあつめたる心おきてすぐれたり
蛍兵部卿の判定は各自の個性を表現している。
源氏物語の匂い 参照
http://homepage2.nifty.com/ukifune/Genji/gkunko.htm
その後、音楽が男君達によって奏じられ、
蛍兵部卿は琵琶、源氏は筝の琴、
柏木が和琴、夕霧が笛、弁少将が梅が枝を歌った。