(梅枝)
紅梅の花盛りの頃に朝顔から届けられた明石姫の裳儀の贈物の返礼に
紅梅襲を送る場面。
「紅梅襲の唐の細長そへたる女の装束かづけさせたまふ」
梅は中国語ではメイ(mei)と読み、そこからウメと発音するようになったそうである。
また長崎盛兼氏によれば、梅は白・淡紅・紅色があるが、
白梅は香りを愛で、紅梅は色を賞翫したという。
また紅梅は春の季節のものであった。
枕草子にも<すざましきもの>22段に「3・4月の紅梅の衣」とあるから、
時季はずれの着用は興ざめだったようである。
実際私も桜の柄のお皿を持っているが、
春以外に使う時はちょっと季節に合わないと感じるのと同じかもしれない。
しかし、そうもいっておられず普段は使用している(^^ゞ
紅梅襲は表紅 裏蘇芳となっている。
ちなみに梅かさねというものもあり、
表紅 裏紅梅とされるが、表白 裏蘇芳という別説もあり、
長崎盛兼氏によれば別説は白梅を表しているのではないかといわれる。
また吉岡幸雄氏は紅白梅を一度に表しているかもしれないとの事。
いずれにせよ、紅白両方のかさねがあったという事なのだろうか。
かさねの説は色々あり、難しい。
織では経(たて)紫系と緯(よこ)紅系だそうである。
長崎氏によれば、
色目では紅梅色には、濃き紅梅・中(なか)紅梅・淡(うす)紅梅の3流があり、
普通に紅梅というのは中紅梅の事であるそうだ。
したがって梅の木の紅梅とだいたい同じ色になるそうだ。
ウィッキぺディアの紅梅 参照
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%A1
画像は源氏物語図典、長崎盛兼<かさねの色目>、吉岡幸雄<日本の色事典>