文在寅(ムン・ジェイン)政権の国防部長官がUAEを訪れ、当時結んだ軍事協力条項に手を付けようとしたことから、波風が立った。

恐らくは国防部の積弊清算委員会で非公開の協定を発見し、「またネタをつかんだ」と考えたのだろう。

そして、UAEとの軍事協力を「自動介入」「傭兵」などと非難している。

国会の同意なく1人たりとも派兵できない国で自動介入など全く不可能だ。

UAEは韓国だけでなく、多くの国と軍事協力関係を結んでいる。

 新政権の関係者は何かを建設したわけではなく、外野で騒いでいた人たちだ。

何も持たない最貧国がごく少数の先進国による専有物である原発市場に参入できたことも、彼らには成り行きでそうなったように見えるはずだ。

UAEが韓国に北東アジアでの拠点原油貯蔵施設を建て、自国内の油田開発権をみとめたこと、軍事支援協定で韓国製武器を大量に購入したことも全て何の努力もなしに実現したものだと考えるはずだ。

この機会に激しい国際競争の現実の中で国家経営とは何かを考えてもらいたいと切に願う。
(引用ここまで)

李明博(イ・ミョンバク)政権時代に韓国とアラブ首長国連邦(UAE)の間に締結された軍事協力了解覚書・約定に、UAEに非常状況が発生すれば派兵韓国軍が自動介入するという内容が盛り込まれていたとの主張が提起されている。

これを「毒素条項」とみた文在寅(ムン・ジェイン)政権が協定修正を要請するとUAEが強く反発し、これを揉み消すために昨年12月に任鍾ソク(イム・ジョンソク)大統領秘書室長がUAEに急派されたということだ。 (中略)

外交消息筋は「李明博政権の秘密合意文書が現政権になって外交部の積弊清算過程で見つかった。

宋長官が昨年11月にUAEを訪問して『毒素条項』を修正したり削除すべきで、そうでなければ国会の同意を経なければならないという事実を説明した」と話した。
(引用ここまで)

 ムン・ジェイン政権になってからというもの、さまざまな省庁で「積弊清算委員会」が作られて過去約10年間の保守政権における政策について検証が為されています。

 チェ・スンシルの国権介入だけでなく、イ・ミョンバク政権における4大河川整備事業や、第2ロッテワールドタワーの建設許可が出た経緯、大統領選挙時のコメント部隊などについて「政府による捜査」が行われているといえば分かりやすいですかね。


 ソ・ギョンドクのコメント部隊参加疑惑なんかもその一環で発見されたものというのが実際のようです。

これについては「どうやらとばっちりだったらしい」という話になってはいますが、それでも現政権の間のうちはソ・ギョンドクが国からの支援を得るのは難しいでしょうね。

このUAEからの原発受注とバーターとなっている軍事協力も、「適法ではない」ということで嬉々として大統領秘書室長(日本でいえば官房長官のような立場)がUAEに渡って覆そうとしたのですが、当然のことながらUAEはそれを拒否。


 原発輸出を成し遂げるために、UAEに対して軍事協力を申し出たフランスと同様に、韓国も戦時協力をはじめとした戦力提供を申し出て、フランスよりも有利な条件だったために受け入れられた。


 いまになってそれを反故にしようとしているわけですから当然ですが。


 UAEとの交渉内容はまったく出てこないのですが、「だったら原発受注そのものをひっくり返す」くらいのことを言われていてもおかしくないでしょうね。

国内事情を外交にも持ちこんでいる。

いわば慰安婦合意をまったく同じことをやろうとしているわけですが……。外交相手にしてみたら受け入れる余地がゼロ。


 というわけで、朝鮮日報がまた政権を攻め上げているわけです。

 「イ・ミョンバク政権が原発受注に成功した時、おまえらがなにをしてたんだ」と。

原発受注だけでなく、その他のUAEとの協力関係もすべて反故にするつもりがあってそんなことをやっているんだろうな、っていうことですね。

 こっちはこっちでちょっと面白いことになってきたかなー。