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韓国徴用工判決 事実上の国交断絶を突きつけたに等しい

2019-03-04 17:51:07 | 日記
韓国徴用工判決 事実上の国交断絶を突きつけたに等しい



国際情報


韓国徴用工判決 事実上の国交断絶を突きつけたに等しい

2018.11.05 11:00

埋めがたい溝が生じた(共同通信社)


「嫌韓」だの「反日」だのといった好き嫌いの話ではない。

日韓関係を根底から覆す国際常識外れの歴史修正というしかない。

「国交正常化の前提となっていた合意を反故にするのですから、事実上の“国交断絶”を突きつけたに等しい」

 朝日新聞元ソウル特派員でジャーナリストの前川惠司氏は、韓国の大法院(最高裁)が10月30日に下した判決について、そう呆れた。

 韓国人の元徴用工4人が、日本による朝鮮半島統治時代に「強制労働させられた」として、

新日鉄住金に損害賠償を求めていた裁判の差し戻し上告審で、大法院は被告側の上告を棄却し、原告の元徴用工に対して1人あたり1億ウォン(約1000万円)の賠償を命じた。

「徴用工」とは、戦時中に日本政府が軍需工場などに動員した労働者のことで、日本統治下の朝鮮半島でも動員がかけられた。

まず、はっきりさせておかなければならないのは、元徴用工に対する補償については、すでに日韓両政府の合意のもと解決済みであるということだ。

 日韓国交正常化が実現した1965年に、「日韓請求権協定」が結ばれた。協定によって、日本政府は韓国に対して「3億ドルの無償経済支援」を行ない、その代わりに韓国は「個人・法人の請求権を放棄」すると決まった。

協定には請求権に関する問題が「完全かつ最終的に解決された」と明記されているのだ。日韓問題に詳しい麗澤大学客員教授の西岡力氏が解説する。

「日韓国交正常化交渉の際に、日本政府は韓国人の元徴用工に対して、個人に直接支払うかたちでの補償を提案していました。

しかし、韓国側はそれを拒否。政府に一括して支払うことを求めたため、日本がそれに応じた経緯がある」

つまり、元徴用工に補償しなければいけないのは、日本政府でも新日鉄住金などの日本企業でもなく、補償金を“預かっている”韓国政府なのだ。

だが、韓国政府は日本からの経済支援金を元徴用工たちに渡さなかった。1

965年当時の韓国の国家予算は約3億5000万ドルであり、それに匹敵する額の日本からの経済支援は、インフラ整備などに充てられた。

その結果として、韓国は「漢江の奇跡」と呼ばれる経済成長を遂げたわけである。

そうした経緯を踏まえれば、「日本企業が元徴用工に補償しろ」という判決が、国際法はもちろん、物事の筋を大きく違えたものであることがよくわかる。

※週刊ポスト2018年11月16日号





文在寅氏に大ブーメラン 徴用工被害者1386人が韓国政府訴えた

2019-03-04 17:26:08 | 日記
文在寅氏に大ブーメラン 徴用工被害者1386人が韓国政府訴えた


3月4日(月)7時0分 NEWSポストセブン


3・1独立運動100周年に際して国家総出で「反日の炎」を燃やした韓国で、文在寅政権に“巨大なブーメラン”が突きつけられた。

大統領自ら「日本は謙虚になるべき」と訴えていた徴用工問題で、被害者団体がなんと韓国政府を訴えたのだ。

本誌・週刊ポスト前号「封印された慰安婦涙の“感謝”映像」で慰安婦問題の矛盾を浮き彫りにした気鋭のジャーナリスト赤石晋一郎氏が、韓国反日運動の「内実」を明かす。


 * * *

「私が韓国政府に言いたいのは、徴用工問題で日本企業相手に裁判を起こす動きを政府が止めさせるべきだ、ということです。

なぜなら韓国政府はその前にやるべきことがある。だから我々は韓国政府を訴えたのです」


こう語気を強めて語るのはアジア太平洋戦争犠牲者韓国遺族会の崔容相(チェ・ヨンサン)事務局長だ。

同遺族会は多数の太平洋戦争被害者や遺族が参加する有力団体の一つである。

3・1独立運動(※日本統治下の朝鮮で1919年に起きた日本からの独立運動)から100年を迎え、韓国では反日イベントが国家的な盛り上がりを見せた。

しかし、そうした中で危機感を覚えている人々がいた。

太平洋戦争で人生を翻弄された被害者や遺族たちだ。

いま、彼らが“韓国政府批判”を口にし始めたことには、深い理由があった──。


文在寅政権のもと、慰安婦や徴用工などの歴史問題が再燃している。

特に徴用工問題では日韓の経済関係にも打撃を与えかねない大きな動きが起きた。

昨年末に元徴用工が日本企業を訴えた裁判で、韓国大法院(最高裁)が新日鉄住金、三菱重工に対して、相次いで賠償を命じる判決を下したのだ。

新日鉄住金に対しては原告代理人が差し押さえ資産の売却を宣言しており、強引に賠償金を得ようと行動をエスカレートさせている。

韓国政府はそうした動きに対し司法に介入せずと静観しており、事実上の追認をしている。

 今回、韓国大法院判決が出た徴用工裁判は、実はそれで問題が解決するという類いのものではない。


「例えば新日鉄住金の裁判の原告は4名とごくわずか。だから彼らが賠償金を得たとしても、数万人にも及ぶと予想されている他の徴用工の問題は、まったく解決しないのです」(韓国人ジャーナリスト)

この裁判がことさら韓国内でクローズアップされたのは、裁判を支援する「民族問題研究所」の影響力が強かったからだといえよう。

民族問題研究所は「親日派バッシングを行動原則とする“極左”の市民団体」(同前)で、2018年8月29日にソウル市龍山区に「植民地歴史博物館」をオープンさせたことでも知られている。

文政権とは“反日”という部分も含め、思想的に深く繋がっているとされる。


前出の崔事務局長は、「民族問題研究所は、我々のような被害者団体ではない。その本質は“政治団体”なのです」と指摘し、こう続ける。


「現在、民族問題研究所は被害者団体のふりをして、テレビを通じて原告探しまで行なっています。なぜ民族問題研究所の呼びかけに応じて被害者が集まらないといけないのでしょうか。

彼らの方針どおりに日本企業を訴えても被害者にはひとつもプラスにならない。

なぜなら日韓関係が悪化すれば日本政府や日本企業はますます頑なになるでしょう。

それによって残された徴用工問題の被害者が賠償を受ける機会が潰えてしまう可能性が高くなる。

一部の被害者だけが補償を受け、他は置き去りにされるという不平等が起こる。

そこで我々は被害者のための基本的な裁判を起こすことにしたのです」


 その訴訟相手こそ、韓国政府だったのだ。


◆原告は1386人


アジア太平洋戦争犠牲者韓国遺族会は、昨年12月20日、徴用工被害者と遺族を原告として、韓国政府を相手取り1人あたり1億ウォン(約1000万円)の補償金を求める訴訟をソウル中央地裁に起こした。
「韓国政府は韓日条約に基づいて日本からお金を受け取っています。

韓国政府はその受け取った資金を(戦争)被害者に渡さなかった過去がある。

だから私たちは、日本から韓国政府が貰ったお金が被害者に渡っていないという状況を“正す”ことが必要だと思いました」(前出・崔事務局長)

 日本と韓国政府は1965年、日韓基本条約を結んだ。そのときに協議した日韓請求権協定に基づき、日本政府は無償3億ドル、有償2億ドルの計5億ドル(当時のレートで約1800億円)を韓国政府に提供している。

条文には〈日韓両国とその国民の財産、権利並びに請求権に関する問題が、完全かつ最終的に解決されたことを確認する〉とあり、植民地時代の賠償問題はこれで解決したとされた。

「しかし、昨年末の徴用工裁判では、韓国大法院は植民地支配を不法なものとして、『不法行為における損害賠償請求権』は日韓請求権協定の範囲に含まれないという解釈を発表し、企業側に賠償を命じたのです。

常識では考えられないような司法判断だと、日本政府側も驚いていました」(ソウル特派委員)


 だが崔事務局長らは、問題は別にあると着目した。

日本が渡した5億ドルは韓国内では主に経済開発に使われ、被害者賠償は十分になされなかった。


だから賠償責任は第一次的には韓国政府にある、と考えたのだ。訴訟を担当する朴鍾泰(パク・ジョングアン)弁護士が法的根拠を解説する。

「韓国では1965年に結ばれた韓日条約の交渉記録が公開されています。

それによると賠償については日本側が行なうという申し出について、韓国政府は『自国民の問題だから韓国政府で行なう』と返答しています。

『韓国側が無償提供された3億ドルを使い、強制連行者を含む賠償協議を行なう』ともあります。

これらの資料は証拠として裁判所に提出しました。

韓国政府には、国家が利益を横領したという『不法行為』と、国家が不当に利得を得たという『不当行為』、その2つの問題があるという理由で我々は裁判を起こしたのです」


つまり、被害者が手にする権利を有する金銭を政府が「横領して使い込んだ」という主張なのである。



今回、徴用工で韓国政府を提訴した原告は1103人。

韓国政府を相手に複数の裁判が起こされており、軍人・軍属等の広義の意味での徴用者を含めた原告の累計は1386人に上り、さらに増え続けているという。


「日本企業を訴えている民族問題研究所などは日本による植民地支配が不法だったと主張し裁判をしていますが、韓国が弱かったから植民地にされたということに対して、ナショナリズムの観点だけで不法と言うのは間違っている。

さらに韓日条約での取り決めを無視して、日本企業を訴えることにも無理がある。国家間の問題は事実と公平性を鑑みて取り組むべきなのです。


我々の裁判は新しい視点を取り入れた、理知的なものだと考えています。

今まで韓日条約を対象とした裁判は前例がありません。秋頃にソウル地裁で判決が出ると考えていますが、これは史上初の注目すべき判例となるはずです」(同前)


◆被害者と遺族の苛立ち


こうした韓国政府相手の裁判が起こされた背景には遺族会の焦燥があった。


慰安婦問題では挺対協(現・日本軍性奴隷制問題解決の為の正義記憶連帯)、徴用工問題では民族問題研究所といった“極左”市民団体──韓国では「運動圏」と呼ばれる──が文政権と歩調を揃えるような意見を唱え、歴史問題を牛耳っている状況にあるからだ。


市民団体だけが我が物顔で活動する一方で、被害当事者は道具として利用されるだけ。

状況が何も改善されない現実に被害者や遺族は苛立ちを覚えている。


「政府は挺対協や民族問題研究所を経済的に支援し、メディアも彼らに協力している。

一方で、私たち被害者団体には1ウォンの援助もありません。

被害者に顔を背け、『運動圏』だけを支援することは本末転倒なこと。

だから、我々はまず韓国政府の力で請求権問題は解決すべきだと考え裁判を起こした。

それでも不足する場合は、日本政府に人道的支援として補償を求めるということがあってもいいでしょう。

民族問題研究所などが行なっている裁判は、被害者救済ではなく政治的な裁判です。

そんなことをしては韓日関係が悪くなるだけで、問題は何も解決しません」(前出・崔事務局長)


常々「日本政府は被害者の声を聞いてない」と主張する文政権だが、その言葉はブーメランのような形で訴訟として戻ってきた。

何より大きな問題は、文政権や市民団体が進めている反日行動により、本当の被害者が置き去りにされようとしていることにある。


◆「文政権は極左だ」


2月25日、日本大使館前で白装束の人だかりができていた。その数は50人あまり。

先頭に立ち「日本政府は問題を直視しろー!」とシュプレヒコールを上げていたのが、太平洋戦争犠牲者遺族会会長の粱順任(ヤン・スニム)氏だ。


太平洋戦争犠牲者遺族会は、崔事務局長の団体をはじめ現在はいくつかに枝分かれした遺族会の本家ともいえる組織。

梁氏は「慰安婦問題」を報じた元朝日新聞記者・植村隆氏の義母で、韓国で1990年代から始まった戦後補償要求運動の草分け的な人物としても知られる。


デモの翌日、ソウル市内で梁氏に話を聞いた。

日本に厳しい対応を迫ってきた彼女だが、今訴えているのは、意外にも日本以上に韓国国内の問題だった。


「被害者団体として長く活動をしてきましたが、高齢化など様々な理由で我々の声が届きにくくなってしまった。

今では、活動の中心が左派・運動圏に移ってしまいました。

このままでは韓日関係は悪くなると憂慮しています。いまこそ被害者の真の声を届けないといけないと考え、日本大使館前でデモを行ないました」


──デモでは天皇についても言及されていました。


「天皇を取り上げたのは平和の象徴としてです。まず、お互いが理解し合える対話を重ねることが大事なことなのです。そうすれば韓日の橋渡しをする平和の使者として、天皇が来韓できる道筋ができると思う」


 梁氏が表情を曇らせたのは、民族問題研究所傘下で徴用工裁判支援の中心人物であるA氏について質問したときだった。

A氏は現在韓国内で徴用工問題に尽力する“名士”として崇められている人物だ。


じつは梁氏とA氏は、もともと太平洋戦争犠牲者遺族会の同志だったという。遺族会関係者がいきさつを明かす。


アジア女性基金が元慰安婦に償い金を渡す事業を始めたときに、受け取った元慰安婦に『日本の汚いお金は返しなさい!』と脅して回ったのがA氏でした。

1996年に遺族会に日本政府から1億円の慰霊費用を出す計画があったときも、A氏は『日本は信用できない』と大反対して潰してしまった。

A氏は運動圏に寝返ってしまった人間で、遺族会にとっては裏切り者といえます」


 日本企業相手の徴用工裁判の原告が少ないのも、A氏のこうした行状が遺族などの間で不信感として広がっているからのようだ。


再び梁氏に聞いた。


──民族問題研究所等の市民運動家たちについてはどう考えているのか?


「日帝時代を知らない運動家たちが反日の声をあげているのを見ると、いったい彼らは何を知っているのかと思ってしまう。

運動圏が被害者活動を乗っ取ってしまったことで、遺族会はバラバラに分裂してしまい被害者の声が届き難くなってしまったという現実がある。

どこが民族のための活動なのか、と私は言いたい」


 そして、文大統領への評価も辛辣なものだった。


「文大統領の周りはチュサパ(主思派)で固められています。

チュサパは北朝鮮よりも強い主体思想(金日成が提唱した独自の社会主義理念)を持つ人たち。

彼らは歴史問題にも強い影響力を持つ。だからこそ、日本政府主体の解決を目指してほしいと、私は訴えているのです。

いまは文政権・運動圏vs日本政府という構図になってしまっている。私たちはそれを、被害者中心の直接協議に戻したい」

 奇しくも遺族団体のリーダーたちが揃って口にしたのが文政権や極左市民団体への批判の言葉だった。


被害者の声が後回しにされ続けてしまう──。戦後賠償の迷走は、もう一つの“恨”を韓国社会に産み落としてしまった。

日本政府はいつまでこの韓国国内の問題に振り回されなければならないのだろうか。


※週刊ポスト2019年3月15日号

 「韓国の文在寅(大統領)も左翼集団を基盤にのし上がった政治家だ」

2019-03-04 17:13:10 | 日記
 「『民主主義の敵』は必ずしも保守反動ばかりではない。

一部省略

左翼、極左反動も独裁化すれば『民主主義の敵』になり得る。プーチンはその典型だ」

 「韓国の文在寅(大統領)も左翼集団を基盤にのし上がった政治家だ」

 「確かに前任者の朴槿恵(前大統領)は個人的な不正や不正腐敗などで追放され、投獄された。だがそれによって朴槿恵の成し遂げた政治をすべて否定する権限などないはずだ」

 「それは、トランプ大統領がオバマ前大統領のやってきたことをすべて破棄すると似ているではないのか」

 「その錦の御旗は『民族』『自主』『正義』そして『反日』。

韓国人は何人でも『反日』を無条件に受け入れなければ生きていけないような土壌が出来上がってしまった」

 「そのあおりを受けて、日本との慰安婦問題では『最終的かつ不可逆的に解決した』日韓合意といった外交上の約束事まで破棄した」

 「それを司法は支持するかような判決を次々と出している。韓国の司法は、今や文在寅と同じ思想を持つ同じ世代の『革新』分子に牛耳られている」
 「本書の著者たちが挙げている権威主義的指導者の条件を満たす4つのカテゴリーうち、1と2は適用されるんじゃないか」

「自分たちだけが世界のすべてと考える」
韓国のネオ『衛正斥邪派』

 筆者はたまたま読んでいた著名な韓国人ジャーナリストの記事を紹介した。韓国有力紙「朝鮮日報」の元主筆、柳根一氏のコラムだ。

 「今(韓国は)混沌の局面だ。庶民生活が無茶苦茶になっている。『進歩』を掲げる政府でありながら、その政策は貧富の格差を一層ひどくした」

 「混沌をまざまざと示すのは20代男性の最近の動向だ」

 「当初は文在寅大統領を支える大きな支持層だった。その後わずか半年で年齢層の中で文大統領を最も支持しない層に変わった」

 「実は20代だけでなく、多くの国民が自分たちの生活を以前よりも苦しくした張本人は『保守』だと確信し、『進歩』に投票した。ところがどっこい、実際にその『進歩』が彼らを苦しめているのだ」

 「彼らが『進歩』と考えていた当事者たちは実は『進歩』でなく、歴史の反動であり、守旧の愚か者だったのだ」

 「(今、文在寅政権で要職に就いている)かっての学生運動家たちは近代文明における左派ではなく、前近代の朝鮮王朝時代における『衛正斥邪派』*1のようなものだったのだ」

元来は正学(朱子学)を守り、邪学(仏教や天主教など)を排斥する学派だったが、欧米列強の侵略に直面し、欧米諸国を夷狄視して排斥する学派に転じた。朝鮮王朝末期の政治思想及びその学派。

 「左派は自由民主主義を否定し、産業化に反対し、ビジネス文明に無知。

彼らはかっての中華帝国とその子分として自分だけが世界のすべてのように考えた朝鮮王朝時代の発想に基づいて行動している」

 「今(韓国で行われている)戦いは大韓民国と朝鮮(北朝鮮+南朝鮮)王朝との間で起こっている」

渡邉恒雄氏の「反ポピュリズム論」

とも相通ずる「民主主義の死」

 勉強会に出席した米主要紙のコラムニストはこうコメントした。

 「『保守反動独裁に対する抵抗』を掲げる自称『民主闘士』たちが政権を握ると、今度は自分たちに反対する者たちを査察し、裁判にかける。投獄する」

 「どこの中堅民主主義国家にも見られる現象だ。文在寅(大統領)が南北朝鮮和解だ、統一だ、と大騒ぎするのは、国内的に政権持続が怪しくなってきたからだろう。

『反日』は文在寅政権にとっては命綱のようなものなんだろう」

 かって読売新聞主筆の渡邉恒雄氏は著書『反ポピュリズム論』の中で「大衆迎合は国を滅ぼす」と指摘している。

 まさに本書の著者たちが指摘した「民主主義は大衆が選んだ指導者の手で死ぬ」という論点にも相通ずるものがある。

 著者たちが指摘した「民主主義の死」。それはただトランプ政治にだけに当てはまるものではない。

 また右とか左、保守とか革新とは別次元のものだろう。

(ややもすれば、「進歩」だとか「革新」と言うと、何となく反民主主義独裁とは無関係と思いがちだが、反民主主義と政治哲学は無関係だ)

 「民主主義は大衆に選ばれた指導者によって死ぬ」——。

 噛みしめたい主張だ。韓国の知識人の意見も聞きたいところだ。

 本当に今、韓国では「大韓民国と朝鮮王朝の戦い」が起こっているのか。

筆者:高濱 賛

米朝会談決別、韓国は思惑外れ窮地、揺れる「反日政策」どうなる

2019-03-04 16:45:59 | 日記
勝又壽良の経済時評

日々、内外のニュースに接していると、いろいろの感想や疑問が湧きます。それらについて、私なりの答えを探すべく、このブログを開きます。私は経済記者を30年、大学教授を16年勤めました。第一線記者と研究者の経験を生かし、内外の経済情報を立体的に分析します



2019-03-04 05:00:00

米朝会談決別、韓国は思惑外れ窮地、揺れる「反日政策」どうなる

テーマ:ブログ

米朝交渉への文氏の思惑

米国の強襲に敗れた南北

文氏の描く危険な反日策


ベトナムで、2月27~28日に開かれた米朝首脳会談は、物別れとなりました。

米国による核の完全放棄の要求に対して、北朝鮮の経済制裁解除要求が噛み合わなかった結果です。

北朝鮮は、寧辺の核施設解体に向けた提案内容が明確でなかったことが、米国の疑念を招きました。

米側は、北朝鮮の隠してきた新たな核施設も指摘して、北朝鮮を驚かせる一幕もありました。

米国は、用意周到に会談へ臨み、成果が期待できないと見るや、会談を打ち切るなど、主導権を握りました。

北朝鮮は、今回の米朝首脳会談で米朝終戦宣言を実現できると楽観的でした。

事前に、合意書の準備もされ署名を待つばかりの状況であったことが、北朝鮮の詰めの甘さを呼んだと見られます。

この裏には、韓国の文在寅氏の影もちらつきます。

文氏が、米国の全面的な核廃棄要求スタンスを、北側へ正確に伝えなかったと見られます。そうでなければ、北朝鮮があれだけ楽観的な姿勢を見せるはずがなかったでしょう。



北朝鮮の金正恩氏は、今回の米朝首脳会談でベトナム旅行に当たり、事前にスケジュールを発表するなど、「会談成果間違いなし」のムードでした。

また、首脳会談終了後は、ベトナムに滞在して工場見学を企画するなど、会談後の経済発展策の準備をする予定でした。

だが、会談が決別したショックか、正恩氏は体調を崩したと報じられています。

こうして、ベトナムにおける残りのスケジュールを取り止め3月2日、帰国の途についたのです。

北朝鮮は、米国から「肘鉄」を食って、面目が丸つぶれとなりました。

従来の例では、烈火のごとく怒り米国を批判します。今回は、「会談成功」と発表しました。

これは、米国と引き続き交渉する姿勢を示唆したことになります。

米国の「完全非核化」要求を前提に、米朝交渉を進めざるを得ないという意味です。

北朝鮮は、老朽化して使えない核施設の廃棄だけで、経済制裁解除を取り付けようという思惑は外れました。


米朝交渉への文氏の思惑

金正恩氏は、文在寅氏と連絡を密にして、今回の米朝会談に臨んだはずです。

その点で米朝首脳会談失敗は、文氏の見通しが誤っていたとも言えます。

文氏は、なぜこのような楽観的な予測をしたのか。その背景には、きわめて興味深いものがあります。

第一は、国内経済の不振を南北交流事業でカムフラージュしようとしたことです。

韓国経済は、最低賃金の大幅引上げで失速しています。

普通の感覚であれば、最低賃金の引上げ幅を修正するはずです。

フランスでもかつて、最賃の大幅引上で景気が失速し急遽、手直しをしました。

文政権は、自らの支持基盤である労組への義理立てもあって、修正に手を付けません。

その代替案として、南北交流事業を取り上げたのです。

北朝鮮の鉄道や道路などのインフラ投資は荒れ放題と言われます。

ここへ韓国の資金を投じれば、韓国の国内ムードは一変して明るくなるという思惑が先行したと思います。

そうなれば、最賃の手直しはしないでそのまま続けられる。

さらに、南北交流事業が新規に加わって、「さすがは進歩派政権」という評価につながり、文政権の支持基盤は盤石なものになる。

このようにソロバンを弾いたとしても不思議はありません。

ここで、北朝鮮の概略をみておきます。

韓国国会予算局(NABO)は2015年の報告書で、韓国政府が人道支援を提供し平和的シナリオで26年に統一を果たすと仮定した試算があります。

それによると、北朝鮮のGDPを韓国GDPの3分の2程度に押し上げるためのコストは、約2兆8000億ドル(約310兆円)に上ると見られました。

19年の韓国予算の約7倍にもなるのです。北朝鮮には、大変な投資機会が存在するのです。


韓国にとって、北朝鮮は「宝の山」に映るでしょう。

しかも、韓国で出生率(合計特殊出生率)が昨年、歴史上でもっとも低い「0.92人」という絶望的な事態に直面しました。

一方、北朝鮮の出生率は「1.91人」(2016年)です。

韓国のざっと2倍です。韓国の平均年齢は40.78歳(2015年)ですが、北朝鮮は34.04歳(2015年)と6歳余りも若いのです。

この点も、韓国には魅力です。