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2019-03-16 05:00:00
テーマ:ブログ
韓国大法院(最高裁判所)は、旧徴用工の賠償問題を「人権擁護」という観点で、日本企業の責任を認定した。
判決文では、「人権に関わる賠償請求権に時効はない」という名文句を使った。
その韓国が13日、米国務省の公表した国ごとの人権報告書の中で、「韓国政府は脱北者や脱北者団体を抑圧している」と指摘されたのだ。
韓国が、日本を批判する際に使う最大の「セールスポイント」は人権である。
慰安婦や徴用工は人権に関わる道徳問題である。
日本は、その点がルーズであるから日本を厳しく批判するとも言ってきた。
その韓国が、米国務省から人権で批判された。これ以上の皮肉があるだろうか。
韓国の人権発言は、「セールストーク」である。
『朝鮮日報』(3月15日付け)は、「米国に脱北者団体への抑圧を批判された韓国政府」と題する社説を掲載した。
米国務省の指摘した「人権蹂躙」の事例は、『朝鮮日報』が過去に報道した記事が採用されている。
私も読んでおり、「なんと矛楯した行動か」と文政権への義憤に駆られた思いが残っている。
米国が批判するのは当然である。
日本を批判する文政権が、脱北者を冷遇している現実は、北の正恩氏への義理立てに過ぎない。
文氏の人権意識は、ダブルスタンダードなのだ。
(1)
「米国務省は13日に公表した国ごとの人権報告書の中で「韓国政府は脱北者や脱北者団体を抑圧している」と指摘した。
報告書には「韓国政府が北朝鮮との対話に乗り出した時から、脱北者やその団体は韓国政府から『北朝鮮への非難を控えよ』と直接あるいは間接的な圧力を受けた」との記載がある。
その具体的事例として脱北者団体への財政支援の中止、財政や運営に関する情報提供命令、北朝鮮へのビラ散布遮断などが取り上げられている」
文氏は、自らの政治的業績として南北交流から南北統一の道筋をつけたい。
その政治的野心にとって、脱北者の存在は目障りになってきた。文氏の本音は、こんなところかも知れない。
(2)
「報告書にはさらに、「韓国政府は平昌オリンピックを前に、脱北者たちに北朝鮮への批判を控えるよう要請したとの報道があった」
「脱北者らは、政府の対北朝鮮政策に批判的とみられる大衆向けの演説に参加しないよう要請を受けた」などの記載もあった。
脱北者でもある本紙記者の板門店取材が認められなかったことも「言論の自由に対する侵害」と指摘されている」
保守派の前政権は、脱北者の保護に力を入れていた。
革新派を名乗る現政権は、北への配慮が先行して脱北者の人権を抑圧している。
この矛楯の原点は何か。文氏は、金日成主唱の「チュチェ思想」を信奉している。
北の政権は、「ご本尊様」として崇め奉るに値するに違いない。
その北からの「脱走者」は、異分子という認識なのだろう。
文氏にとっては、「チュチェ思想」=人権思想という確固たる信念がある。大統領府に集められた秘書官もその一派である。
(3)
「実際に現政権発足後、脱北者らは「苦難の行軍」とも言うべき苦しい状況に追い込まれている。
ある脱北者団体の代表は団体の運営費確保のため代理運転をしており、
1980年に発足したある脱北者団体は今年1月、事務所を40坪(約132平方メートル)から10坪(約33平方メートル)に縮小せざるを得なくなった。
故ファン・ジャンヨプ元朝鮮労働党秘書が立ち上げた団体は発足20周年行事ができなかった」
韓国の労組や市民団体は、文政権を支えるために存在するのでないはずだ。
慰安婦や徴用工の問題になると口角泡を飛ばす議論をしながら、同じ「人権問題」であるはずの脱北者に対して、何らの支援もしない。
これ以上の「ご都合主義」はない。彼らにとっての「人権」は、政治的な目的に利用する便宜主義であることを証明している。
(4)
「元脱北者の映画監督は右派団体の集会に参加した様子が一瞬テレビに映っただけで、現政権を支持する勢力から攻撃され、経営していた飲食店も廃業に追い込まれた。
ある大学の講師は脱北者の学生が聴講している講義で「統一が実現すれば、脱北者は南北双方から銃弾を受けて死ぬかもしれない」と語ったという。
北朝鮮住民を奴隷として抑圧している金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は「偉人」として称賛され、残酷な北朝鮮から逃げ出し真実を伝えようとする太永浩(テ・ヨンホ)元駐英北朝鮮公使は韓国国内で脅迫を受けている」
韓国人の人権意識は、この程度なのだろう。
脱北者に対する同情はなさそうだ。
日本のTVで、脱北女性が韓国でいかに差別されているかを赤裸々に語っていた。
勤め先で、「脱北」という事実が知られただけで解雇されるという。韓国社会の「南北統一の夢」は、どこまで本当か不明である。
2019年03月15日07時32分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
日本を見る文在寅(ムン・ジェイン)大統領の視線は穏やかでない。
三・一節(独立運動記念日)100周年の前後に日本に対して激しい表現をした。
彼は韓国社会の多くの不条理を日帝植民支配から引き出した。
慢性的理念葛藤、経済的不平等構造、君臨する検察・警察の胎生的限界をすべて日帝のせいにした。
左右のイデオロギー衝突は親日派のパルゲンイ(=赤い奴、共産主義者)指弾にその起源を見いだそうとした。
「日帝が独立活動家を弾圧しようと押した理念の烙印」がパルゲンイだとし、「今でも政治的競争勢力を攻撃するセッカル(=色)論であり、清算すべき親日残滓」と述べた。
不公正な富の偏りと世襲の一因として「親日をすれば3世代が羽振りよく生きる」世相に言及した。
ゆがんだ権力機関の弊害は「日帝の刀を持った巡査」に圧縮した。一言でいえば日帝は悪の帝国という印象を残した。
我々の歴史で過去100年は日帝強占期、解放と分断、冷戦と韓国戦争(朝鮮戦争)、産業化と民主化争奪時代の屈曲した時間だ。
長い流れの中で抗日独立運動・民主化進歩勢力と親日派・産業化保守勢力に区分しようとするのが文大統領の歴史解釈であるようだ。
そのような二分フレームを作って現政権の正統性を確保しようとする個人的な所信は自由だとしよう。
しかし大統領が日本の過去を批判して大衆の怒りを刺激する行為は賢明でない。
日本は気に入らない隣国だ。
我々に癒されない傷を負わせ、まだ明確な謝罪がない。
だからといってなくなることを願ってもなくなりはしない。
米国、中国に次ぐ世界3大経済大国として日本の力と外交力は厳格に存在する。
文大統領が金正恩(キム・ジョンウン)委員長といくらうまくいっても日本を無視してはいけない理由だ。
30年前のドイツ統一の過程はその理由を説明する。
統一ドイツは「ゲルマン民族同士」で実現させたのではない。
第2次世界大戦の敗戦で分断した東ドイツと西ドイツが一つになるには、米国・英国・フランス・ソ連の戦勝4大国の承認が必要だった。
冷戦時代の2つの軸の米国とソ連がカギを握っていたが、英国とフランスの同意なしには不可能だった。
彼らにはドイツも日本のようにぎこちない関係の隣国だった。
特にフランスとドイツは19世紀と20世紀に4回も覇権を争った敵同士だ。
1806年10月にナポレオンがベルリンを占領し、普仏戦争(プロイセンとフランス、1870-71)ではフランスが敗れた。
第1次世界大戦(1914-18)でフランスが勝ったが、第2次世界大戦(1939-45)ではフランスが6週ぶりにパリを占領され、ヒトラーから屈辱を味わった。
1989年11月9日にベルリンの壁が崩壊した当時、フランスと英国は表面上は歓迎した。
しかし「我々は一つの民族」というゲルマンの叫びに戦犯国ドイツの悪夢を思い出して激しく反対した。
西ドイツのコール首相の執拗な説得を拒否してフランスが最後まで意地を張ったとすれば、1990年10月3日の統一ドイツは永遠になかったかもしれない。