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文在寅の大誤算、日本企業「資産差し押え」は韓国衰退の引き金

2019-03-11 16:38:53 | 日記
勝又壽良
Sent: Monday, March 11, 2019 5:00 AM

文在寅の大誤算、日本企業「資産差し押え」は韓国衰退の引き金

北批判を日本にすり替え

資産差し押えに日本対抗

半導体輸出は急激落込み

日本へ依存する産業ロボ

韓国の文大統領は、3月1日の「3・1節100周年」の演説で日本への協調を呼びかけました。

一方で、日本への歴史戦争を仕掛けたと見られています。

それは、日本統治下の1919年の民族独立運動(3・1節)100周年に当たり、「親日残滓一掃」を高らかに宣言したからです。

政府機関、メディア、学校、市民団体などが総動員されています。

例えば、学校の校歌の作詞・作曲者に「親日派」が関わっていれば、それだけで内容と無関係に改正せよと迫る強引さです。

地名に親日派の名字がついていれば改名させる。

韓国全土において、「日本」との関わりを示すものすべてが憎悪の対象にされています。

この裏には、韓国の1人当たりの国民所得が昨年、3万ドルになったという「自信」があります。

韓国は、「人口5000万人以上・1人当たり所得3万ドル以上」という、「50,30クラブ」で米国、日本、ドイツ、英国、フランス、イタリアに続いて7カ国目になったのです。

韓国が、長いこと渇望してきたものでした。これで「日本と同格」と自信をひけらかしています。

北批判を日本にすり替え

文在寅氏は、「3・1節」の大演説において、朝鮮戦争を仕掛けた北朝鮮への国民的怒りを、日本へすり替える巧妙なワナを仕掛けました。

文大統領の演説では、日帝(日本帝国主義)が独立運動家に投げつけた言葉の「パルゲンイ(アカ=共産主義者)」を、一日も早く清算しなければならない「代表的な親日の残滓」と規定したのです。

実は、北朝鮮が韓国を突然侵略した朝鮮戦争(1950~53年)終結後、韓国では厳しい軍事政権による統制が行なわれ、疑わしい者を「パルゲンイ」呼ばわりしたのです。

韓国警察は、戦前の日本警察の流れを引き継いだので、思想犯を「パルゲンイ(アカ)」と呼んだことは想像に難くありません。

その後、韓国国民は広く警察当局による「パルゲンイ=アカ」呼ばわりを恐れたのでしょう。

文氏は、「パルゲンイ」が日帝の使った言葉で、北朝鮮と無縁であることを偽装したのです。

日帝を悪者にして北朝鮮の侵略戦争を糊塗しようという巧妙な動きなのです。

文政権は、朝鮮戦争による莫大な被害について完全沈黙し、日韓併合だけを糾弾しています。

日韓併合では、日本の財政支出でインフラ投資を行い、近代教育制度と学校や大学を建設しました。

朝鮮の近代化に寄与したのです。

朝鮮戦争は、韓国国民の生命と財産を破壊しただけで、一銭のプラスもありません。

その朝鮮戦争を仕掛けた北朝鮮の蛮行を隠すために、日本をことさら悪者者に仕立てています。

本来、「パルゲンイ=アカ」に該当する北朝鮮を、日本にすり替えようという戦術は成功するはずがありません。

韓国の良識派が見破っているからです。

文氏は、徹底的に日本を「残虐国家」と規定しています。

文氏が大統領に就任以来、過去に結ばれた日韓協定はすべてご破算になりました。

戦時中の徴用工問題は、日韓基本条約で解決済みです。

文氏は昨年8月、これをひっくり返す判決を大法院(最高裁判所)から出させる誘導演説をしているのです。

大統領がそういう演説をすれば、それを斟酌するのは韓国司法です。政治に影響を受けるのが韓国司法の特色です。

資産差し押え日本が対抗

韓国の強制徴用被害者が3月7日、三菱重工業の資産に対する差し押さえ申請しました。

これをきっかけに日韓関係は、重大な危機を迎えました。

韓国政府は、文大統領の直接指示によって、この問題に介入しない方針を決めています。

日本政府が、強硬手段に訴えればそのままにして、国内を反日に向けさせる。

これによって、来年の国会議員選挙で与党有利にさせる狙いと見られます。

韓国経済が失速状態になり、政権批判の声を反日で鎮める戦略でしょう。

文氏の頭には、日韓関係改善意識は絶無です。

菅義偉官房長官は8日の記者会見で、「そうしたこと(注:差し押え申請)が進んでいることは極めて深刻な状況だ」と発言しました。

しかし、韓国政府が何らの対策もとらなければ、日本政府は、「自国民の安全や資産を保護する責務がある」という視点から行動に出ざるを得ません。

日本政府は9日、韓国人元徴用工訴訟の原告側が差し押さえ済みの日本企業の資産を売却した場合、企業に実害が生じたと見なし、対抗措置を発動する方針を固めたようです。

『時事通信 電子版』(3月10付け)が報じました。対抗措置の内容を要約します。

1.韓国産の一部物品に対する関税の引き上げを軸に検討している。

2.日本政府は対抗措置として既に100前後の選択肢をリストアップしている。

3.関税引き上げに加え、一部日本製品の供給停止や、ビザ(査証)の発給制限も浮上している。

4.世界貿易機関(WTO)協定との整合性や日本経済への影響も考慮し、措置の内容を決める。

韓国政府は、この問題で種々の対応策を検討していると繰り返しましたが、前述の通り文大統領が、韓国が対応策を取ることを禁じた結果、ついに来るところまで来た感じです。

韓国で資産差し押え手続きが始った以上、近々、日韓関係に激震が走ります。この激震は、韓国経済を揺るがす騒ぎに発展するでしょう。

半導体輸出は急激落込み

韓国の今年の経済は、すでに八方塞がりの状況です。

先ず、輸出が振るいません。

世界経済が下降局面に向かっています。

半導体輸出は価格下落が響いて、利益率の圧縮が起こっています。1月の世界半導体市場は30カ月ぶりに前年水準を割り込みました。

主要半導体メーカーで構成する「世界半導体市場統計」(WSTS)によると、1月の世界売上高(3カ月移動平均)は前年同月比5.7%減でした。

20%を上回る高成長が続いていた半導体市場は、2018年後半に減速。今年1月、ついにマイナス圏に入ったのです。

韓国もこの状況から抜け出られません。

半導体不況はいつ底入れするのか。韓国の半導体業界関係者は、「5Gが普及すれば世界でやりとりされるデータ総量は現在の2倍になる」と指摘、中長期でみれば市場の成長は間違いないと話しています。

問題は、その「5G」(次世代通信網)がいつ軌道に乗るかですが、「23年の通信市場に占める5Gの比率は35%」と4年も先の話をしているほど。

つまり、ここ2~3年の半導体市場の回復は望み薄です。韓国の輸出額の20%が半導体です。

韓国経済には痛手です。

昨年10月から、韓国景気は後退局面に入っています。

韓国政府が正式に認定していないだけの話で、正式発表待ちの段階です。

輸出がダメならば内需はどうか。内需は昨年4~9月までGDPへの寄与率でマイナスでした。

10~12月期は、財政支出が下支えしてプラスに転じましたが、今年の1~3月期は再びマイナス寄与、つまりGDP成長率の足を引っ張る形になるでしょう。

内需がマイナス寄与である理由は、最低賃金の大幅引上げが理由です。

韓国の最賃法は罰則を伴います。

経営者は罰金を科されるのを避けるべく、やむなく従業員の解雇に踏み切っています。

最低賃金法の目的は、底辺労働者を保護することにあります。

韓国では、最賃法が底辺労働者を解雇させる「悪法」になっています。

目的は立派でも、やり過ぎは逆効果を生みます。薬と同じで過剰摂取は不健康の原因になります。

半導体輸出が落込むことになれば、利益率は大幅に圧縮されるので、設備投資にも悪影響を与えます。

こうして輸出不振が内需に負の影響を与えることは不可避です。

こうなると。今年のGDP成長率はかなりの低下を見込まざるを得ません。

世界的な格付け会社のS&Pは、2.1%成長という厳しい線です。

私も、かねてから2%スレスレを予想している所です。昨年のGDPは2.7%成長でした。

文大統領は、反日風を吹かせて来年の国会議員選挙を勝ち抜こうと計画しています。

この目算は、低い経済成長率になれば完全に外れます。

韓国経済の不振による失業率の高い状況で、選挙に勝てるはずがありません。

その上、日本企業の資産を差し押さえれば、日本政府はその金額に見合った関税を引き上げる。

これが、韓国経済に与える精神的な負の効果は無視できません。

これが、文政権の対日政策へ批判を招く悪循環に陥るでしょう。

韓国の大学生の有力就職先として、日本企業にスポットライトが当ってきました。

そうなると、若者から「反日」を煽る文政権への批判が高まる可能性が強くなります。


20~30代の若者は、「文政権批判」の色彩を強めています。経済政策の失敗が理由です。

そこへ、就職問題が絡んで、韓国政府が日本批判を強めれば「花より団子」で、逆に韓国政府は窮地に立たされるリスクを抱えるでしょう。

選挙となれば、韓国の未来産業が問題になります。

半導体輸出低迷の中で、将来の韓国経済を支える産業が議論されるはずです。

残念ながら、韓国には有望産業は見当たりません。

「反日」ムードに乗って日本を批判しても、「克日」できる産業がないのです。

日本には、製造業の生産性上昇に不可欠の「産業用ロボット」があります。

韓国の出生率(合計特殊出生率)は、1を割って「0.98」(2018年)と史上最悪です。

2021年から韓国の総人口は減少に向かいます。


日本へ依存する産業ロボこういう中で、韓国政府が「反日」を煽り、次々と日本企業の資産を差し押えれば、日本はやむを得ず対抗措置を取るでしょう。

例えば、産業用ロボットの輸出禁止措置を取るかも知れません。

韓国は、脆弱な産業構造ゆえに、日本と対決は不可能です。

現在の振る舞いは、韓国の足下を見つめない驕った行動と言わざるを得ません。

『朝鮮日報』(3月9日付け)は、日本の産業ロボット特集を組みました。以下は、その抜粋です。

日本は、世界最大の産業用ロボット生産国です。

一方、韓国は半導体、自動車、ディスプレー、鉄鋼、造船など製造業分野で世界的なロボット導入大国です。

国際ロボット連盟(IFR)によると、韓国の従業員1万人当たりの産業用ロボット台数は710台(2017年現在)で、世界で導入密度が最も高いのです。

ロボット密度の世界平均(85台)を8倍以上も上回っています。

韓国へ産業用ロボットを供給しているのは日本です。

日本のファナックは、世界最大の産業用ロボット・メーカー(世界シェア21%)です。

スマートフォンの金属ケースを加工するロボットドリル市場では、世界シェア80%を誇るほか、工場の自動化に必須の数値制御(NC)工作機械(シェア60%)、尖端産業用ロボット(20%)ではいずれも世界トップと言われます。

こうした飛び抜けた日本の産業ロボット技術が、韓国へ輸出禁止になったらどうなるか。

韓国は、頭の体操をやって見るべきでしょう。

韓国の専門家は、産業用ロボット分野での日本依存が、韓国製造業の未来競争力にとってアキレス腱になりかねないと懸念しています。

日本のロボット企業が主導する「完全無人化」(ファナックではすでに720時間完全無人化成功)になれば、韓国製造業の優位性が消えると指摘されています、

AI(人工知能)を搭載したロボットが、第5世代(5G)移動通信網とクラウドに接続されると、人間よりもはるかに膨大な作業を素早く処理できるからです。

このように見てくると、韓国製造業の未来は限りなく日本の産業用ロボットに支配されていることに気付くはずです。

『朝鮮日報』が特集を組んで、日本の産業用ロボット技術に畏怖の念を持つのも分る気がするのです。

韓国大統領府を占領している「86世代」(1960年代生まれ、80年代に学生時代)は、世間知らずの「お坊ちゃん学生時代」を送ったという批判があります。

「漢江の奇跡」と呼ばれる高度経済成長期のまっただ中で、青春時代を謳歌しました。

現在の若者より、はるかに恵まれた経済生活を送ったのです。

「漢江の奇跡」は、1960年代半ばから1990年までの約25年にわたる高度経済成長期でした。

日韓基本条約(1965年)を契機に日本からの資金と技術で経済発展を実現したものです。

それにも関わらず、「86世代」は日本を恨み「反日路線」一直線です。

経済史をまともに学ばないで、火炎瓶闘争に明け暮れていた弊害が、今現れているとしか思えません。

「86世代」が眼を醒ますとき、韓国経済は取り返しのつかない局面に落込んでいるはずです。

文在寅氏は、韓国経済の発展の芽を摘んだ大統領として、長く記憶されるでしょう。