2020年01月16日 00:00
韓国の若年層失業率 世界最悪
18年度OECD調べ 20代後半21.6%
国の若年層の失業率が、世界で最も深刻なレベルであることが分かった。
経済協力開発機構(OECD)が先ごろ発表した統計によると、韓国は全失業者のうち25~29歳の占める割合がOECD加盟国で最も高いことが明らかになった。
(ソウル=李民晧)
安定志向や初任給の高さ要因
先進国クラブと称されるOECDの中で加盟国36カ国中、韓国は20代後半の失業率が最も高かった。
2018年度基準で、韓国の失業者のうち25~29歳の占める比率は21・6%、2位と3位のデンマーク(19・4%)とメキシコ(18・2%)とも大きな開きがあった。
米国と日本はそれぞれ13・0%と12・6%だった。
また、当該年齢層における韓国の失業率は12年以来、7年連続で1位ということも明らかになった。
欧州各国のうち、失業率の高さで知られるギリシャ(14・7%)、トルコ(18・1%)、スロベニア(17・4%)より高いという点が注目される。
11年まではギリシャとスロベニアがそれぞれ20・8%で1位、韓国は20・1%で2カ国よりも低かった。
ギリシャは10年に国際通貨基金(IMF)の融資を受けており、スロベニアはグローバル金融危機の影響を被った国だ。
それらの国々よりも、韓国における20代後半の失業率が高いのはなぜなのだろうか。
そこから脱け出すことは可能だろうか。
一般的な要因としては、韓国では経済活動のスタートが遅いという点がある。
世界で最も高い大学進学率と、徴兵制に伴う若者の軍入隊による社会進出の遅れで、この年齢層の失業率は高くならざるを得ない現状がある。
高校卒業後、大学に進学する人の割合は85%前後で、韓国の「学歴インフレ」は世界で最も高い。
こうした一般的な現象を鑑みても、韓国の状態は深刻と言わざるを得ない。
若者が就職先として大企業と公的機関を希望する傾向が強いことも原因だ。
薄給で社会保障システムが脆弱な中小企業に就職するよりは、それらが安定した企業への就職を求めている。
そのため、長期間にわたって就職準備期間を設けているのだ。
統計庁が昨年末に公開した「2017年賃金勤労勤務先別所得(報酬)結果」によると、
17年の中小企業勤務者の平均月給は223万ウォンで、大企業(488万ウォン)の45・7%に過ぎなかった。
新卒者の給料の高さも失業率を高めている要因とみられる。
韓国の大卒初任給は、多数の就業先があり求人難に悩む日本企業よりも高い。
韓国経営者総協会が分析した資料によると、18年の韓国大企業における大卒初任給は年3万6228ドルで、日本(2万7647ドル)よりはるかに高い。
専門家は「日本は初任給が高くないため、企業は新卒採用への負担が少ない。
その半面、韓国は労組が強く、労働柔軟性が低いため新規雇用を避ける傾向にある」と指摘している。
また大企業と中小企業間の賃金格差、就職後の将来性の有無などにより、大企業や公的機関への就職を希望する若者が多いという現状を変えることが難しいのだ。
一方、若年層人口が減っても若者の就職難解消は難しいという分析結果も出ている。
政府中央銀行である韓国銀行の経済研究院が先ごろ発表した「韓国と日本の青年失業比較分析及び示唆点」という論文では、
「回帰分析の結果、20代の青年人口の割合が高くなるほど青年失業率は低くなる。
青年人口が減少する経済では市場も縮小し、青年失業を深刻化させ得る」と指摘した。
表説明:「18年度の15歳以上の失業者のうち、25~29歳の失業者の割合(%)―OECD統計(LFS by sex and agecomposition)」
韓国の若年層失業率 世界最悪
18年度OECD調べ 20代後半21.6%
国の若年層の失業率が、世界で最も深刻なレベルであることが分かった。
経済協力開発機構(OECD)が先ごろ発表した統計によると、韓国は全失業者のうち25~29歳の占める割合がOECD加盟国で最も高いことが明らかになった。
(ソウル=李民晧)
安定志向や初任給の高さ要因
先進国クラブと称されるOECDの中で加盟国36カ国中、韓国は20代後半の失業率が最も高かった。
2018年度基準で、韓国の失業者のうち25~29歳の占める比率は21・6%、2位と3位のデンマーク(19・4%)とメキシコ(18・2%)とも大きな開きがあった。
米国と日本はそれぞれ13・0%と12・6%だった。
また、当該年齢層における韓国の失業率は12年以来、7年連続で1位ということも明らかになった。
欧州各国のうち、失業率の高さで知られるギリシャ(14・7%)、トルコ(18・1%)、スロベニア(17・4%)より高いという点が注目される。
11年まではギリシャとスロベニアがそれぞれ20・8%で1位、韓国は20・1%で2カ国よりも低かった。
ギリシャは10年に国際通貨基金(IMF)の融資を受けており、スロベニアはグローバル金融危機の影響を被った国だ。
それらの国々よりも、韓国における20代後半の失業率が高いのはなぜなのだろうか。
そこから脱け出すことは可能だろうか。
一般的な要因としては、韓国では経済活動のスタートが遅いという点がある。
世界で最も高い大学進学率と、徴兵制に伴う若者の軍入隊による社会進出の遅れで、この年齢層の失業率は高くならざるを得ない現状がある。
高校卒業後、大学に進学する人の割合は85%前後で、韓国の「学歴インフレ」は世界で最も高い。
こうした一般的な現象を鑑みても、韓国の状態は深刻と言わざるを得ない。
若者が就職先として大企業と公的機関を希望する傾向が強いことも原因だ。
薄給で社会保障システムが脆弱な中小企業に就職するよりは、それらが安定した企業への就職を求めている。
そのため、長期間にわたって就職準備期間を設けているのだ。
統計庁が昨年末に公開した「2017年賃金勤労勤務先別所得(報酬)結果」によると、
17年の中小企業勤務者の平均月給は223万ウォンで、大企業(488万ウォン)の45・7%に過ぎなかった。
新卒者の給料の高さも失業率を高めている要因とみられる。
韓国の大卒初任給は、多数の就業先があり求人難に悩む日本企業よりも高い。
韓国経営者総協会が分析した資料によると、18年の韓国大企業における大卒初任給は年3万6228ドルで、日本(2万7647ドル)よりはるかに高い。
専門家は「日本は初任給が高くないため、企業は新卒採用への負担が少ない。
その半面、韓国は労組が強く、労働柔軟性が低いため新規雇用を避ける傾向にある」と指摘している。
また大企業と中小企業間の賃金格差、就職後の将来性の有無などにより、大企業や公的機関への就職を希望する若者が多いという現状を変えることが難しいのだ。
一方、若年層人口が減っても若者の就職難解消は難しいという分析結果も出ている。
政府中央銀行である韓国銀行の経済研究院が先ごろ発表した「韓国と日本の青年失業比較分析及び示唆点」という論文では、
「回帰分析の結果、20代の青年人口の割合が高くなるほど青年失業率は低くなる。
青年人口が減少する経済では市場も縮小し、青年失業を深刻化させ得る」と指摘した。
表説明:「18年度の15歳以上の失業者のうち、25~29歳の失業者の割合(%)―OECD統計(LFS by sex and agecomposition)」