韓国の出生率にみるバブル崩壊の健全性
2020年における韓国の出生率は0.84という信じられないような数字でした。
韓国の出生率が低いことは再三書いていますが、その最大の理由は住宅価格の高騰にあると言われています。
住宅価格が高騰した韓国(特にソウル)では若者が自分の家を持つことは不可能に近く、ほとんどの人が高い家賃を払ってそれほど広くない部屋で生活をしています。
結果、結婚を考えるような若者世代は経済的な余裕がないわけです。
日本でも1980年代後半に不動産バブルが起こり、東京23区の土地だけでアメリカ全土の土地を買えるという異常な土地価格の高騰を招きました。
その後このバブル経済は崩壊し、日本は長い経済の低迷期を迎えます。
日本人はこのバブル崩壊についてトラウマになるほどの負のイメージを抱いていますが、0.84という聞いたこともないような韓国の出生率をみると、日本のバブルは崩壊したほうが良かったのかもしれません。
もし日本で不動産バブルが継続していたら、韓国と同じように日本でも若者の経済的なゆとりがなくなり出生率の異常な低下が起こっていた可能性があります。
今でも歪すぎる年代別の人口分布のせいで社会保障費に対する若者の負担率が大きな問題となっている日本ですが、
1990年代から出生率が現在の韓国のように低ければ自体はもっと深刻になっていたはずです。
韓国は日本のバブル崩壊を反面教師とし、高騰した住宅価格の崩壊が起きないように対策しているものと思われますが、
そのことが却って将来の大きな問題に繋がる可能性もあるわけで、一層のこと住宅価格を崩壊させてしまったほうが健全なのかもしれません。
住宅価格が崩壊するにせよ、今のような出生率を維持するにせよ、韓国の将来がかなり厳しいものになることは確実かと思います。