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50代貯蓄なし夫婦「将来年金額26万円」の先に待つ老後破綻

2021-05-05 18:29:17 | 日記

50代貯蓄なし夫婦「将来年金額26万円」の先に待つ老後破綻

4/24(土) 11:01配信

 

将来不安から、貯蓄額は増え続けているという昨今。

もし「貯蓄なし」という状況であれば、その先、どのような未来が待っているのでしょうか。

定年前の50代で貯蓄のない夫婦の場合を考えていきましょう。

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定年前の50代…貯蓄はいくらあるのか?

毎月の住宅ローンの返済、または家賃、そして子どもの教育費……将来を見越して貯蓄をしたいと考えても、なかなか進まずに焦る気持ちばかりがつのって……そんな人も多いのではないでしょうか。

金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年』で、金融資産*の保有額(金融資産を保有していない世帯含む)の推移を見ていくと、金融資産は50歳代で大きく増えていることが分かります。

*本調査における金融資産=定期性預金・普通預金等の区分にかかわらず、運用のため、または将来に備えて蓄えている部分とする。

ただし、商・工・農・林・漁業等の事業のために保有している金融資産や、土地・住宅・貴金属等の実物資産、現金、預貯金で日常的な出し入れ・引落しに備える部分は除く

■金融資産平均保有額 20歳代 

平均値292万円/中央値135万円

30歳代 平均値591万円/中央値400万円

40歳代 平均値1012万円/中央値520万円

50歳代 平均値1684万円/中央値800万円

60歳代 平均値1745万円/中央値875万円

70歳代 平均値1786万円/中央値1000万円

さらに借入金のある世帯にその残高を聞いてみると、

50歳代で保有金融資産額を上回るようになります。

■借入金平均額

20歳代 平均値478万円/中央値200万円

30歳代 平均値2367万円/中央値2450万円

40歳代 平均値2058万円/中央値1700万円

50歳代 平均値1316万円/中央値1000万円

60歳代 平均値691万円/中央値498万円

70歳代 平均値1349万円/中央値500万円

また厚生労働省

『令和2年賃金構造基本統計調査』で平均年収(男女計、学歴計)の推移を見ていくと、年齢とともに年収はあがっていき、50代前半でピークを迎えます。

その後、若干減少するものの50代後半も同水準をキープ。

60歳以降は、役職定年や再雇用など、雇用関係の変化もあるのでしょう。徐々に下降していきます。

平均年収 20~24歳 313万9500円

25~29歳 389万5400円

30~34歳 441万4200円

35~39歳 493万5000円

40~44歳 530万6200円

45~49歳 560万6600円

50~54歳 590万4400円

55~59歳 584万2600円

60~64歳 430万1700円

65~69歳 357万7000円

このように見ていくと、50代は年金世代を見越した貯蓄において、重要なタイミングだと言えるでしょう。

前出の世論調査で金融資産の目標残高を聞いたところ、

30歳代以降、中央値は2000万円。

一時、「老後資金は夫婦で2000万円は必要」などと騒がれたことも関係しているのでしょう。

多くの人が老後のために「2000万円」を目標にして貯蓄に励んでいます。

■金融資産平均目標額 20歳代 

平均値945万円/中央値1000万円

30歳代 平均値2230万円/中央値2000万円

40歳代 平均値3173万円/中央値2000万円

50歳代 平均値2963万円/中央値2000万円

60歳代 平均値2761万円/中央値2000万円

70歳代 平均値2576万円/中央値2000万円

50代で貯蓄なし…定年後の生活はどうなる?

 

お金がない…(※画像はイメージです/PIXTA)

ここで考えたいのが、もし50代で貯蓄できなかったら、ということです。

非金融資産保有世帯は、60歳代で18.3%。

「200万円未満」の世帯も合わせると、60歳代世帯の4分の1にもなります。

もし貯蓄額が最も増える50代で「貯蓄なし」だったら、どのような未来が待っているのでしょか。

総務省『2020年家計調査 家計収支編』で、年金世代となった65歳以上の平均的な家庭を見ていきましょう。

■二人以上/世帯主65歳以上世帯の平均家計

世帯人員:2.43人 世帯主の年齢:74.3歳 持家率:92.9% 消費支出:24万1724円  

うち食料:7万2069円  うち住居:1万5495円  うち光熱・水道:2万1703円  

うち家具・家事用品:1万1387円  

うち被服及び履物:5786円  うち保健医療:1万6116円  うち交通・通信:3万266円  うち教養娯楽:2万393円  

うちその他の消費支出:4万8020円

仮に夫婦ともに正社員として60歳まで勤め上げたとしましょう。

ふたりで手にできる年金の総額は概算で28万円/月。家計調査の平均値と比較すると、プラス4万円。

50代貯蓄なし世帯でも、定年後に十分に生きていくことはできる計算です。

しかし月28万円の年金を手にするのは、夫婦二人とも正社員として40年近く働き、平均値以上の年収を手にしていた場合です。

結構、ハードルの高い条件ではないでしょうか。

また家計調査では、持ち家率は90%超で住居費は1.5万円程度となっています。

賃貸派の場合、

夫婦で賃貸住宅に住むのに、家賃1.5万円ではすまないでしょう。

賃貸派であれば、貯蓄なしでも生きていけるという前提は崩れてしまう可能性があります。

さらに年齢があがるにつれて、介護や医療への出費は増加していきます。

厚生労働省『サービスにかかる利用料』によると、要介護5で介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)に入居した際の1ヵ月の自己負担額は、

多床室を利用した場合で10万2200円、ユニット型個室を利用した場合は13万9500円。

介護老人福祉施設の平均入所期間は約4年といわれているので、

多床室で年間約122万円、4年で約490万円、

個室で年間約167万円、4年で約669万円の出費は覚悟しておく必要があります。

このように見ていくと「50代貯蓄なし」の場合、年金から将来の医療費、介護費を捻出しなければならず、平均的な年金生活を送るのは難しいと言えます。

状況によっては、すぐに老後破綻に陥る可能性が高いと言わざるを得ません。

50代は一番の貯蓄ができるタイミング。将来を見据えて、計画的な資産形成をすすめていきたいものです。

GGO編集部