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中国「習近平」政権“瓦解”のサイン 権力基盤の脆さを露呈した「胡錦涛」途中退場の真相

2022-10-30 17:36:45 | 日記
中国「習近平」政権“瓦解”のサイン 権力基盤の脆さを露呈した「胡錦涛」途中退場の真相

10/30(日) 11:03配信

驕る者は久しからず(習近平総書記)
 10月22日の中国共産党大会閉幕式で起きた胡錦涛・前総書記の“強制退場劇”――。

その真相をめぐって様々な憶測が飛び交うなか、改めて映像を注意深く見てみると、いくつかの「新事実」に気付く。

それは異例の3期目へと突入した習近平政権の権力が薄氷の上に立つことを物語っていた。 

 注目を集めているのがシンガポールのチャンネル・ニュース・アジアが撮影した3分弱の中継映像だ。

そこには以下のような場面が映し出されている。 

 習近平総書記の隣に座る胡錦涛氏が目の前の机に置かれた書類を見ようとすると、左隣の栗戦書・全人代常務委員長が手を伸ばして書類を自分のもとに引き寄せる。

まるで胡氏の目に触れないようにしたかに見えるが、この間、栗氏はずっと胡氏に何かを囁いていた。

しかし胡氏は状況が理解できないのか、怪訝な表情を浮かべたままだ。 

「その後、習総書記の護衛官とおぼしき男性が胡氏のもとに歩み寄って退席を促します。しかし胡氏がなかなか動こうとしないので、党中央委員会総局の副局長も駆け寄り、腕を取られる形で胡氏はようやく立ち上がりました」(全国紙外信部デスク) 

 退席する際、胡氏は習氏に何かを語りかけ、その隣に座る李克強首相の肩にソッと手を置いて、会場をあとにした――。

苛立つ表情を見せる習総書記


 中国共産党ナンバー2の要職にある李首相だが、今回の党大会で最高指導部から退くことが固まっている。

 「かつて胡氏の“意中の後継候補”と見られていた李氏ですが、習氏との後継争いに敗れ、来春には完全引退する見通しです。

胡氏の手元にあった書類は赤い表紙のもので、中国では重要書類によく用いられることから、新指導部の人事が記載された書類だったとの情報がある。

そのため自分に近い李氏が引退することを事前に知らされていなかった胡氏が、新指導部メンバーを確認して“混乱”が起こるのを防ぐため、なかば無理やり退席させたという憶測が流れています」(同)

  一方で、映像をよく見ると意外な事実に気付くと話すのは、中国事情に詳しいシグマ・キャピタル代表取締役兼チーフエコノミストの田代秀敏氏である。

 「私が注目したのは、胡氏の退席までの間、習総書記が終始、苛ついたような表情を見せていたことです。

それはまるで、議事が予定通りに進行しないことに苛立っているように映ります。

また胡氏の書類を取り上げたように見える栗氏の表情にも慌てたような狼狽の色が浮かんでいる。

さらには退場したあとも胡氏の名札と茶碗はそのままにされ、閉幕式が終わるまで習氏の向かって右隣は空席のままという異様な光景が映し出されていた。

これらが意味するところは、胡氏の退席はあらかじめ計画されたものでなく、突発的なアクシデントだった可能性が高いということです」

習近平と胡錦涛「本当の関係」

 中国メディアは今回の件を「体調不良が原因」としているが、胡氏に健康不安説が浮上していたのは事実という。 

「昨年7月に北京の天安門広場で行われた共産党結党100周年記念式典に胡氏も出席しましたが、付き添いを必要とし、手が激しく震える場面なども目撃されています。

パーキンソン病やアルツハイマーを疑う声は以前からありました」(前出・外信部デスク) 

 ただし“たとえ病気だったとしても、前総書記にあんな仕打ちをするはずはない”といった声も根強い。

 「胡錦涛氏までの総書記はすべて鄧小平が指名することで正統性が担保されてきましたが、習総書記は各勢力の“妥協点”として総書記に選ばれた経緯があります。

そんな習氏にとって胡氏はあくまで前任の最高指導者に過ぎず、自分を引き上げてくれた恩人でも、無条件の忠誠を誓った相手でもありません。

党大会という5年に一度の最も重要な会議で議事進行の妨げとなるなら“丁重にお引き取りを願う”のも厭わない――そんな関係性にあります」(田代氏)

  田代氏が続ける。 

「一部で“胡氏を見せしめとして退席させた”との説が流布していますが、自分の権威を誇示するのが目的なら、最初から胡氏を党大会の雛壇に座らせないほうがインパクトがありました。

今回の退席ハプニングで、3期目の門出を祝うはずだった大会に“傷”が付いた格好になり、習総書記ら新指導部にとっては“大失態”だったと考えるほうが自然です」

ライバルが公然と“反旗”のポーズ

 実は田代氏が胡氏の退席よりも驚いたのは、映像の最後に映る「次の首相候補」との呼び声が高かった胡春華・副首相の姿だったという。 

「胡春華氏は16歳で北京大学に入学し、20歳で総代として卒業した“超”の付く秀才。

胡錦涛氏や李克強氏と同じく、党のエリート養成機関・共産主義青年団のトップを務め、すこし前まで“次の総書記の大本命”と目された人物です。

その彼が今回、ヒラの中央委員に降格されてしまった。

どのメディアも指摘していませんが、胡氏が会場をあとにする間際に映る胡春華氏は口を真一文字に結び、憮然とした表情で腕組みしています。

党の最も重要な行事である党大会の雛壇でこんな態度を示すのは前代未聞。

無言の“抗議のポーズ”ではないかと受け止められています」(田代氏)  

ライバルが公然と“反旗を翻す”様子が世界に流れ、「波乱の船出」の印象を強める結果となった今回の党大会。

つねに権力闘争を繰り返してきた中国共産党の歴史において「絶対安定」が実現したことはなく、退席騒動もまた、習近平の前途が多難に満ちたものであることを示唆している。 

デイリー新潮編集部
新潮社

支持率急落の韓国 経済が3重苦で大変

2022-10-30 17:12:56 | 日記
支持率急落の韓国 経済が3重苦で大変

8/22(月) 11:00配信

政争してる暇はない

尹大統領=CC BY /대한민국 대법원

 今年5月に発足したばかりの韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の支持率が急落の一途をたどっている。

6月第二週には53%と高水準にあったが、その後は下落を続けて、8月5日の韓国ギャラップ調査では24%と就任後の最低を更新した。

  歴代政権にとってレームダック(死に体)とみられてきた30%をも割り込む結果である。

一方で不支持率は66%に達した。

与党「国民の力」の支持率も34%と政権発足後初めて最大野党「共に民主党」の支持率(39%)を下回った。 

 支持率急落の最も大きな要因は、検事総長であった大統領が周りを親族や検察出身者で固めるといった人事の在り方と与党「国民の力」の李俊錫代表を解任する動きが起きるなど与党の内紛にある。

  もともと、尹大統領と李代表の折り合いは悪かった。

これに党内の性的接待疑惑に端を発する処分問題が尾を引いたようだ。

李氏が反尹錫悦を旗幟鮮明にすれば政権の危機は深まっていくであろう。

  しかし、そもそも政局の混乱を起こしている余裕がないほど、韓国経済は短期的にもインフレ亢進、成長率の低下、高級マンションを中心とした不動産価格の上昇など難題に直面している。 

 韓国の景気は、世界的な半導体需要の拡大を受けて緩やかな回復過程にあった。

しかし、先行きはウクライナでの戦争、欧米景気の下振れ、サプライチェーンの混乱などが重なって成長率の鈍化が予想されている。

IMFでは韓国の22年の成長率を2.3%と潜在成長率(韓国銀行の試算で2.5%程度)並みに低下すると予測している。 

 第一の不安材料は中国である。

米国のペロシ下院議長が訪韓した際に夏休みを理由に尹錫悦大統領との面会を断っているが、これは中国との緊密な経済関係を考慮したものと言われる。

いまや中国は韓国の貿易相手として最大の存在であり(輸出の25%、輸入の23%)、中国の歓心を買わなくてはならないからだ。 

 しかし、その中国はゼロコロナ政策の下で厳格なロックダウンなどの影響で景気が減速しており、これが韓国経済にも大きな影響を与えそうだ。

  加えて、尹政権は、保守派として前任の左派革新系の文在寅(ムン・ジェイン)政権とは対照的に、米国との同盟強化と北朝鮮への厳しい姿勢を打ち出している。

  つまり、中国に対しては一種の「政経分離」を図っていきたいと虫のいい願望を示していると言えよう。

果たして強面(こわもて)の習近平政権に通用するであろうか不安視されるところだ。 

 第二の不安材料は国内のインフレ亢進である。

韓国の消費者物価指数(CPI)上昇率(前年比)は4月が+4.8%、5月が+5.4%、6月が+6.0%と期を追って上昇率を高めている。

  6月の水準はアジア通貨危機で韓国ウォンが投機筋から狙い撃ちにされて暴落、その影響で物価が高騰した1998年以来24年ぶりの水準となっている。

エネルギー、食品価格のほか、電気・ガス・水道料金など軒並み高騰している。 

 こうした中、韓国銀行は21年8月以来利上げを実施してインフレ抑制に努めている。とくに7月13日の利上げはインフレが高進している最中にあって、上げ幅は初の0.5%という大幅なものとなった。

政策金利の水準は2.25%となった。

  韓国銀行の李総裁は、利上げの背景として物価上昇圧力の高まりを挙げているが、このほか、FRBの利上げを通じる米韓の政策金利逆転に伴う資本流出増大とウォン安阻止も狙いに含まれていよう。

  加えて、長期にわたる低金利が家計債務を中心に急増してマンションブームの過熱などを起こした金融不均衡の是正も背景にあるものとみられる。

ちなみに韓国ウォンは世界的なドル高の中で1ドル=1,300ウォンの安値圏で推移している。

  李総裁は国会の業務報告でインフレのピーク時期は秋口の10月頃としたうえで今後も利上げを継続する意向を示した。従って、利上げの進行が今後、国内需要の冷え込みをもたらすものと予想されている。 

 第三は中長期的な課題である少子高齢化の進展が始まっていることだ。

合計特殊出生率は、最近4年連続で1.0を下回ってきたが、21年は0.81と過去最低を更新した。

日本(1.34)、OECD平均(1.61 )を下回る世界の中でも最低水準の部類に属する。 

 晩婚化、子供の受験競争、住宅難などが少子化に影響を及ぼしている。

ちなみに21年の婚姻件数は20万件を割り込み、統計開始以来の最低水準となっている。

一方で出生数が死亡数を下回るという事態が20年に初めて起きた。

21年もこの自然減が5.7万人とさらに拡大している。  人口の減少は一般的に潜在成長力の低下をもたらすとともに社会福祉費用の増大につながると言われる。

とくに韓国の場合は公的年金制度が不十分であり、これを是正しないと高齢者の貧困問題が深刻になるとみられる。 

 ただでさえ貧富の格差が大きい韓国でさらに新たな貧困問題が拡大して社会不安を助長しかねない。 

 韓国の皆年金制度の導入は2006年と日本(1961年)より50年近く遅れている。

高齢者(65歳以上)の受給率は53%に過ぎない。

しかも男女格差が大きく、男性の72%に対して女性は38%に過ぎない。  専業主婦の加入が任意にとどまっている影響が大きい。

国民年金の受給額(月平均)も40万ウォン程度(4万円)と少ない。

これは国民年金の保険料率が9%(使用者4.5%、加入者4.5%)と公務員年金(同8%、8%)などとの「官民格差」が大きいことと平均加入年数も少ないためだ。

  これが韓国における相対的貧困率(可処分所得が中央値の半分未満である世帯人口が総人口に占める比率)が40%を越えるというOECD加盟国の中でも極めて高い(OECD平均は14%)状況を作り出している。

  IMFでも「韓国では高齢者の貧困問題に対応する年金制度の確立が必要である」と指摘している。 

 歴代政権は人気取りに結び付く補正予算の大盤振る舞いをしてきた。

とくに新型コロナ感染の拡大から補正予算編成は20年度が4回(総額70兆ウォン)、21年度が2回(総額50兆ウォン)、22年度が2回(総額79兆ウォン)と合計8回にわたっている。

  すでに一般政府の債務残高は967兆ウォン、GDP比47%に達している。 

 もちろん、感染症防止、景気対策も必要であるが、多額の財政支出を伴うであろう社会保障分野の中長期的な青写真を描いていくのが現政権の最大の責務であろう。

  さらには財閥一辺倒、輸出偏重の経済構造を変革していくこと、経済安全保障の観点からも中国への傾斜を見直すこと、など政権の課題は山積している。

韓国の政界も本来は政争に明け暮れてる暇はないはずだ。

俵 一郎 (国際金融専門家)


外貨預金に走る人への警告・将来円高になって元本を失う危険がある 極めて危険な投機的行動

2022-10-30 11:21:37 | 日記

外貨預金に走る人への警告・将来円高になって元本を失う危険がある 極めて危険な投機的行動

 
 2022/10/30 06:00

円安が続いているので、資産防衛のために外貨預金をしなければ、と考える人が増えている。

そうした人たちに対して警告したい。

これは、極めて危険な投機的行動だ。将来、円高になって元本を失う危険がある。

資産防衛のために外貨預金するのは、正解か?

外貨預金への預入が増えている。

新生銀行の外貨定期預金残高は半年間で6割超増え、ソニー銀行では1カ月間の新たな預入額が半年前から8割増えた(日本経済新聞,2022年9月7日)。

外貨預金をする目的としてこれまで言われていたのは、金利収入を増やすことだ。

しかし、最近では、資産価値の維持が目的とされているようだ。

© 現代ビジネス 

つまり、いま外貨預金をしようという人が期待しているのは、今後、長期間にわたり円安が続くこと、そして、円安になっただけ為替差益を得られることだ。

しかし、その期待が実現する保障は何もない。

円安が続く可能性があるが、逆に、いまより円高になる可能性も、以下に述べる理由によって、十分ある。

なぜ円安が進んでいるのか?

今年になって急激な円安が進行しているのは、日米金利差が拡大しているからだ。

米連邦準備理事会(FRB)はインフレ対策のために利上げをしている。それに対して日本銀行は金融緩和を継続している。

このために、円で資金調達してドルで運用する取引(「円キャリー取引」という)が利益を生む。

ヘッジファンドや機関投資家などが、こうした取引を行なっている。

これは、円を売ってドルを買う取引であるため、円安が進行する。

この説明は、誤りではない。

ただし、不十分な説明だ。

なぜなら、金利差があるだけでは、この取引が利益を生むとは限らないからだ。

仮に将来円高になれば、為替差損が発生する。

それは、金利差による収入を打ち消す可能性がある。

その意味で、円キャリー取引は、きわめてリスクの高い投機的な行動なのだ。

それにもかかわらず、こうした取引が増えているのは、日銀が金融緩和を継続すると明言しているからだ。

つまり、将来円高になる可能性は低いと、投機者に約束しているのである。

そのため、為替差損が発生する可能性は低いと考えられている。

ただし、上の文章で「将来」と言ったのは、今後数ヶ月の期間についてのものだ。

もっと長期を考えた場合には、日銀が金融を正常化するかもしれない。

そうなれば、為替レートが正常な水準に戻り、いまより円高になる可能性がある。

「購買力平価」という考え方

では、長期的に見たとき、為替レートはどう推移するか?

これを考える参考となるのが、「購買力平価」と呼ばれる考えだ。

これは、「国際的な一物一価」を実現するような為替レートだ。

財やサービスは、国境を越えて取引されているから、世界のどの国でも同じ値になるはずだという考えに基づく。

購買力平価は、いくつかの機関によって計算されている。

その1つが、イギリスの経済誌『エコノミスト』が、ビッグマックを対象として算出しているものだ。

ビッグマックの価格をアメリカでの価格と同じにするような日本円のレートは、2022年7月で、1ドル75.7円だ(「ビッグマック指数』とは、このような為替レート〈1ドル=75.7円〉と、実際の為替レート〈1ドル=137.9円〉との比率から1を引いた値だ。

すなわち、マイナス45.1%〈=75.7/137.9-1〉)。

ただし、これはおそらく円の過大評価だろう。

ビッグマックは貿易されないので、これについて世界的な一物一価を実現するようなメカニズムは働かないからだ。

そこで、もっと広い範囲の財・サービスの価格を調べて、世界的な一物一価を実現する為替レートを計算する試みが行われている。

その1つが、OECDの計算だ。その結果を図表1に示す。2021年では、1ドル=100.4円だ。

■図表1 市場為替レートとOECDの購買力平価
© 現代ビジネス

図表1が示すように、OECDの購買力平価と実際の市場為替レ-トは、長期的に見て連動している。

傾向的に一方が他方を上回るような動きは見られない。だから、OECDの購買力平価は、少なくとも円については、市場為替レートのトレンド的な動きを示していると考えることができる。

いま外貨預金をすれば「安値売り」の可能性

現実の市場為替レートは、2022年には、2021年よりは大幅に円安になった。

だから、これまで外貨預金を持っていた人は、利益を得た。これは間違いない。

しかし、いま円から外貨に転換すれば、長期的な傾向から見て、円の「安値売り」となる可能性が高い。

それだけではない。購買力平価に比べても安値売りをすることとなる可能性が強い。その理由はつぎのとおりだ。

OECDの購買力平価は、2021年までしか計算されていないのだが、現時点では、2021年の値より円高になっている可能性が高い。

2022年には、外国の物価はかなり上昇した。

日本も物価上昇に見舞われたが、上昇率は外国より低い。

だから、国際的な一物一価を実現するためには、購買力平価は、2021年より円高になる必要がある。

ここで、将来の市場為替レートは、将来の購買力平価の周りを変動するものと考えよう。

その場合、購買力平価は市場為替レートほど大きくは変動しないので、2022年に円高になったレベルから、あまり大きくは変化しないだろう。

仮にそうなれば、将来の市場為替レートは、いまよりはかなり円高になる。

必ずこのようになるかどうかは分からないのだが、過去の動向から、そうなる可能性は十分ある。

日銀の金融政策が正常化された場合には、そうなる可能性が高まる。

仮にそうなった場合には、いまから外貨預金を始めるとすれば、引き出す時には、いまよりドル高になっている。

これから外貨預金をしようという人は、これからさらに円安になることを期待しているのだろう。

今後、数ヶ月とか数年の期間であれば、その期待が満たされる可能性がある。

逆に言えば、外貨預金にしなかった人は、それを悔やむかもしれない。

しかし、もっと長期間を考えれば、逆の結果となる可能性が十分にあるのだ。

そうなれば、外貨預金は、円で見て元本割れになる。

預金の多くは、生活の基本的なニーズに備えるために保有しているのであろう。

それが元本割れになれば、生活設計は大きく狂う。

とりわけ、退職後の生活に備えて蓄積している預金が元本割れになることは、重大な問題だ。

ファンドの取引と預金は同じではない

以上で述べたことについて、「ヘッジファンドというプロ集団も、円を売ってドルを買っているではないか。

外貨預金をするのもそれと同じだ。プロがやっているのと同じことをやって、損するはずはない」という意見があるかもしれない。

しかし、ファンドが行なっていることと外貨預金は違う。

最も大きな違いは、ファンドが行なっているのは、短期的取引ということだ。

例えば、来年の3月までに決済をするような取引だ。

そうであれば、来年の3月まで円安が続けば良いのである。日銀が金融政策を変更しないと明言しているので、これは実現する可能性が強い。

だから、円キャリーが利益を生む可能性が高いのだ。

それに対して、いま外貨預金をしたい人は、数十年というような長期間を考えているはずだ。

このような長期間について状況がどう変化するかは、大きな不確実性に包まれている。