【最新データ】所得の中央値「440万円」の現実。残酷な所得の分布をグラフで見る
9/14(水) 18:52配信
厚生労働省は2022年9月9日、「2021年 国民生活基礎調査の概況」を公表しました。それによると、2020年の1世帯当たりの平均は564万3000円となりました。
平均所得金額以下の割合は61.5%
国民生活基礎調査は、保健、医療、福祉、年金、所得などの国民生活の基礎的事項を調査し、厚生労 働行政の企画、立案に必要な基礎資料を得ることを目的としています。
所得金額階級別に世帯数の相対度数分布をみると、
「300~400万円未満」が13.4%、
「200~300万円未満」が13.3%、
「100~200万円未満」が13.1%と多くなっています。
中央値(所得を低いものから高いものへと順に並べて2等分する境界値)は440万円であり、平均所得金額(564万3000円)以下の割合は61.5%となっています。
平均所得「児童のいる世帯」は800万円超
同調査によると、2020年の1世帯当たり平均所得金額は下記の通りです。
・全世帯:564万3000円
・高齢者世帯:332万9000円
・高齢者世帯以外の世帯:685万9000円
・児童のいる世帯:813万5000円
2019年の調査はなかったため、直近の2018年と比較してみると、どの世帯も金額が増えていることがわかります。
特に児童のいる世帯は2018年は745万9000円でしたが、そこから70万円弱増加しています。
50代が782万7000円で最多!世帯主の年代別の所得
世帯主の年齢階級別に1世帯当たり平均所得金額をみると、
「50~59歳」が782万7000円で最も高く、
次いで「40~49歳」、
「30~39歳」となっており、
最も低いのは「70歳以上」の418万8000円となっています。
世帯人員1人当たり平均所得金額をみると、
「50~59歳」が303万7000円で最も高く、最も低いのは「70歳以上」の204万3000円となっています。
高齢者世帯の約4分の1が総所得=公的年金・恩給に各種世帯の所得の種類別1世帯当たり平均所得金額の構成割合をみると、
全世帯では「稼働所得」が71.3%、「公的年金・恩給」が20.2%でした。
高齢者世帯では「公的年金・恩給」が62.3%、「稼働所得」が21.5%となっています。
また、公的年金・恩給を受給している高齢者世帯のなかで「公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯」は24.9%となっています。
年金だけに依存しない老後資産を作る
今回は、厚生労働省「2021年 国民生活基礎調査の概況」から、各世帯の所得の状況を解説してきました。
平均所得は564万3000円でしたが、この金額以下の割合は過半数を超えていました。
また、中央値は440万円です。
また、高齢者世帯の多くが、収入を年金に頼っていることもわかりました。
現役世代の人も、いずれ来る老後に向けて、早めに貯蓄を進めておきたいところです。
参考資料
・厚生労働省「2021年 国民生活基礎調査の概況」(2022年9月9日)
齊藤 慧