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「人口減少社会は希望だ」京都大学広井教授が考える、成熟社会に生きる私たちのこれから

2022-12-25 12:21:14 | 日記
2020.04.06 Mon

「人口減少社会は希望だ」京都大学広井教授が考える、成熟社会に生きる私たちのこれから


文:森田 大理 写真:須古 恵
ゲストトーク
  1. 時流の兆しをつかむ
  2.  社会に寄り添う
私たちは人口減少というテーマを、ネガティブな側面だけで捉えていないだろうか。

「成長社会」から「成熟社会」へと移行した今、新たに訪れるチャンスについて考える

厚生労働白書によれば、日本の人口は、2008年をピークに減り続けている。

このまま進むと2050年には1億人を切る見通しで、医療・年金・介護といった現行の社会保障システムにも大きく影響する。

そのせいか、人口減少と聞くと厳しい未来を想像する人が多い。

そうした世の中の論調に一石を投じたのが、京都大学こころの研究センター 広井良典教授

2019年に上梓した『人口減少社会のデザイン』では、「日本の人口はある程度減少してもよい」と論じ、現代を未来への転換期と捉えて様々な観点から「持続可能な社会」へと進む道を提言している。

そこで今回は、広井教授が捉える人口減少社会の本質を伺い、これからの時代にどう向き合うべきかのヒントを探った。

歴史的に見ると、人口が急激に増大した20世紀は特殊な時代

――はじめに、広井先生が「日本の人口はある程度は減少しても良い」と論じられた背景を教えてください。

歴史的に見れば人口が右肩上がりに上昇を続けてきたこの100年間は、むしろ特殊な時代でした。

日本の人口は、794年に都が平安京に遷都して以降、ほぼ横ばいで推移していました。

江戸時代に入り若干人口は増えたものの、3,000万人程度に落ち着き再び横ばいに。

それが明治時代から急激に増加をはじめ、太平洋戦争時に一時的に減少しましたが、戦後の復興と高度経済成長期に再び爆発的に増加。

グラフにすると、ほぼ垂直に伸びているような図になります。

また、他の先進国と比較しても、私は日本が1億数千万人でなければならない合理性はないと考えています。

例えば、イギリス・フランス・イタリアはいずれも人口6,000万人程度で、ドイツは8,000万人。

国土の面積が異なるため単純比較はできないものの、1億人を割るから国が維持できなくなるとは必ずしも言えません。

――現代の私たちが人口減少に危機感を覚えるのは、高度経済成長期を前提に考えているからで、大局的に見てみると、むしろ近年の人口規模の方が珍しい状態にあると。

もちろん、減り続けるべきでもないですよ。

2018年の日本の合計特殊出生率は1.42。このまま少子化が進めば、若者が少なく高齢者が多い社会構造が続き、様々な問題に発展します。

国として出生率を上げる取り組みは必要でしょう。

ただ、どんな手を打ったとしても、今すぐ急激に上昇するとは考えにくい。

出生率がゆるやかに上昇し、やがて人口が下げ止まって横ばいになる時代を目指しつつ、当面は人口が減少していくことを前提に社会を考えるべきでしょう。

――急激な人口増加が特殊な時代だったと捉えると、むしろ人口が減ることで解消される問題もあるのではないでしょうか。

そうですね。人口減少は、日本が高度経済成長期に生んでしまった"歪み"を解消するチャンスです。

たとえば、東京一極集中。地方から東京への人口移動がもっとも大きかったのは1960年代で、"集団就職"という言葉が象徴するように、全国から多くの若者が東京に働きに出ていき、地方は過疎化。

現代の地域格差を引き起こしました。

この課題に対して、私も参加した日立京大ラボの研究では、AIを活用した「2050年の日本の持続可能性」についてシミュレーションを実施しました。

そこでは「社会を都市集中型か地方分散型のいずれに進めるか。

それが日本の未来にとってもっとも本質的な分岐点になる」という結果が出ています。

それと同時に、格差・健康・幸福度といった観点で見ると、地方分散型の方が望ましいという予測がはじき出されました。

このことからも、人口減少時代は都市集中型の社会モデルを見直すチャンスだととらえています。

一致団結で山登りをしていた時代から、山頂の平原で自由に遊ぶ時代へ
――広井先生は、日本が人口増加期に都市集中型の社会を加速させ、高度経済成長を実現したことを、「集団で一本の道を上る時代だった」と例えられています。

人口減少時代に突入した今の社会で「多様性」が重視されはじめたことは、この一本道とは真逆の現象ですが、この状況をどうお感じですか。

人口増加期は、「みんなで一致団結して経済的な豊かさを実現する」という時代で、集団で山の頂上へ急いで上るようなものでした。

それに対して、人口減少時代はいわば山頂に上った後の時代だと考えられます。

山の頂上にたどり着いたのなら、各自が好きなように過ごしても良いし、下り道は360度の方向に開かれており,道は人それぞれですよね。

今の日本は、成長社会の先にある「ポスト成長社会」や「成熟社会」とも呼ばれる時代に移行しているのです。

「多様性」という言葉が近年よく言われますが、現状は「なぜ多様性が大切なのか」を深く考えないままに動いている印象が強い。

周りがそう言っているから、海外ではそうだからと動いてしまうのは、まさしく人口増加時代に一本道を上ることで生まれた"同調圧力"です。

「忖度」「空気を読む」などといった言葉が流行するように、今はまだ人口増加時代の価値観から人々が完全には解放されていない、過渡期なのでしょう。

真に多様性を認め合えるように、私たちの価値観が変わるにはどうしたら良いでしょうか。

希望を込めて言えば、現代の若者たちの「ゆるく繋がる」動きに注目しています。

つまり集団の枠を越えて人と人が個人として繋がっていく。

家族や学校・会社といった既存の集団だけでない、新しいコミュニティが百花繚乱のように生まれています。

家と仕事の往復だけだった人口増加時代とは明らかに異なる動きで、様々なコミュニティに属することは多様な価値観の肯定にも繋がるはずでしょう。

また、これは日本とりわけ人口過密な東京都心で顕著な「社会的孤立」を解消するヒントだとも考えられます。

――たしかに、東京は人が多く物理的には近いはずなのに、マンションの住人同士でも挨拶をしないほど繋がりは希薄ですね。

これも人口増加時代が生んだ現象で、なぜなら戦後の日本人が信じてきた心の拠り所は、経済成長ただ1点だったからです。

それが、会社の終身雇用が崩れ従来の共同体が流動化したときに、集団の枠を越えて人と共感しあえるような他の心の拠り所を持っていないから、より一層孤立してしまうんです。

――どうしたら集団の枠を越えて繋がれるような心の拠り所を持てますか。

今日本の各地で個人・NPO・企業が連携した地域再生の動きが出ていますよね。
彼らは持続可能な社会を実現するためという、従来の利益至上主義ではない思想でコミュニティを形成しています。

そうした集団の枠を越えたつながりや拠り所を考える場合に、私は「自然」がひとつのポイントになると思っています。

これは、日本で古来より存在していた自然信仰とも共通点が多い。

私は「鎮守の森コミュニティプロジェクト」という企画をささやかながら進めていて、「鎮守の森コミュニティ研究所」を運営しています。

「八百万(やおよろず)の神様」という発想ですが、いわゆるパワースポットへの関心もあってか、各地の神社などを訪れると、意外にも高齢世代より若者の姿を多く見かけます。

人口減少時代とはそうした伝統文化をもう一度発見していく時代でもあると思います。

経済的な豊かさだけを追求しても、結果的に豊かになれない時代

――今のお話にもあったように、SDGsをはじめ「持続可能性社会」への転換の必要性がここ数年で強く叫ばれるようになりました。

その一方で、人口増加期の価値観のもとに育った私たちは、分かってはいても経済的な豊さや利便性を優先しがちです。

それが人口減少を悲観的にとらえることにも繋がっていると感じるのですが、こうした発想を転換するにはどうしたら良いでしょうか。

人口増加時代に構築された社会モデルのバラドックスを、私たち自身が自覚した方が良いでしょうね。

先に挙げた日立京大ラボのAIシミュレーションで、地方分散型が望ましいと導き出された根拠の一つは、全国の都道府県の中で「東京が群を抜いて出生率が低い」という事象でした。

つまり、日本のGDPを牽引しているはずの東京が、中長期的には労働人口を減らしGDPを下げる要因になっている。

「Japan as No.1」と呼ばれていた時代は、人口が増えていく=生産や消費のパイが自然と増えていくからこそ、大都市にあらゆるリソースを集中させ経済成長を最優先することがすべての問題を解決してくれるという発想でした。

しかし、その成功体験はもはや今の時代のお手本にはならないのです。

――経済的な豊かさのみを追求すると、巡り巡って経済が低迷する。一つのゴールに向かってみんなで走ってきた時代とは大きな違いですね。

そうですね。私はそういった意味でも、人口減少時代は個人がのびのびと自由に多様な幸福を追求すべき時代だと考えています。

また、人生100年時代と言われていますが、"生涯現役"とは何も一生労働を強いられることではないはず。

会社人間という発想にとらわれず、ライフステージの移り変わりとともに各自がいろんな活動に進んでいくような、"ハッピーリタイアメント"がもっと広がってもいいはずです。

また学生を見ていても、人口減少時代の若者は都心一極集中の負の側面に気づき、ローカル志向を持つ人が増えています。

特に地元志向の強い高学歴層が増えたのは、上の世代との明らかな違いでしょう。

かつては都心から地方への移住といえば50~60代が中心でしたが、最近では20~30代の希望者が増えています。

こうした点を含めて、人生における個人の自由度が広がり肯定されるのが、人口減少時代にあるべき幸福の形ではないでしょうか。

プロフィール/敬称略
※プロフィールは取材当時のものです
広井良典(ひろい・よしのり)
京都大学こころの未来研究センター教授。1961年岡山市生まれ。東京大学・同大学院修士課程修了後、厚生省勤務を経て96年より千葉大学法経学部助教授、2003年より同教授。この間マサチューセッツ工科大学(MIT)客員研究員。16年4月より現職。専攻は公共政策及び科学哲学。社会保障や環境、医療、都市・地域に関する政策研究から、時間、ケア、死生観等をめぐる哲学的考察まで、幅広い活動を行っている。



銚子港のサンマ水揚げ 初の0

2022-12-25 12:12:45 | 日記
子港のサンマ水揚げ 初の0

2022年12月25日 07時03分読売新聞



今年のサンマ漁を終え銚子漁港に帰港したサンマ漁船(5日)

 国内のサンマ漁船の大半を占める全国さんま棒受網漁業協同組合(全さんま)に所属する船の漁期が、24日で終了した。

今年は銚子漁港(千葉県銚子市)へのサンマの水揚げはこの日までなく、統計を取り始めた1950年以降、水揚げ量が初めてゼロとなることが確定した。

 今年のサンマ漁を巡っては、銚子市漁業協同組合所属の大型サンマ船2隻が今月5日までに漁を打ち切って帰港した。その後に期待された他県の船の入港もなかった。

 全さんまによると、今年11月末までの全国の水揚げ量は1万7869トンで、最悪だった昨年同期(1万7899トン)を下回った。

サンマは従来、晩秋から冬にかけて日本の沿岸を南下して銚子沖に近づくが、今年は12月に入っても、漁場は宮城県や岩手県から400~500キロ離れた公海にとどまっていた。

 サンマの歴史的な不漁は、銚子市内に約70か所あるという水産加工の事業所にとっても頭の痛い問題で、サンマの開きを製造する業者などはサンマの確保に苦労している。

約20業者が加盟する全銚子市水産加工業協同組合の担当者は「加盟事業者のうち4、5か所でサンマの加工を行っているが、国内でのサンマの入手が難しくなっているため、台湾からの輸入ものでやり繰りしているところが多い」と話す。

 これまでも輸入自体は一般的だったが、全さんまによると、かつて1キロ100円程度と安価だった台湾サンマもここ数年は価格が上昇し、昨年は1キロ300円を超えたという。

さらに今年は円安が追い打ちをかけており、全さんまの大石浩平専務理事は「全国的にも、サンマを使った加工品が作れなくなってきているのではないか」と指摘する。

 銚子市内の干物専門メーカーは、サンマの開きの製造を10年前の10分の1程度に減らしているという。

同社の担当者は「ここ数年の不漁でサンマの値段が上がり、消費者が離れてしまった」と嘆いた。





【社説】近づく「負債の危機」 綿密なモニタリングを=韓国

2022-12-25 12:03:49 | 日記
【社説】近づく「負債の危機」 綿密なモニタリングを=韓国

12/23(金) 14:30配信

韓国経済のアキレス腱、家計と企業の負債が増え続けている。
「負債危機」に近づいていく状況だ。

韓国銀行(韓銀)が発表した「金融安定報告書」によると、今年7-9月期、家計と企業の負債を合わせた民間の信用が名目国内総生産(GDP)の2.2倍を超える223.7%となり、歴代最高値を更新した。

所得に対する負債の比率が過去最高で、負債が所得より速いペースで増えているということだ。 名目GDPに対する家計負債比率は105.2%と、1-3月期に比べ0.3ポイント下落した。

しかし規模は1870兆6000億ウォン(約193兆円)と、1年前より1.4%増加した。

世界最高水準だ。

さらに目を引くのは企業の負債が急速に増加している点だ。

企業の負債は7-9月期末基準で1722兆9000億ウォンと、前年同期比で15%増えた。

負債比率も上昇した(昨年末80.1%→4-6月期末83.1%)。

こうした数値は、急激な利上げと不況が同時に進行して韓国経済が「負債の罠」に足を踏み入れていることを示している。

元金を償還できず利子負担は増え、全体の負債が増加する現象が深刻化するということだ。

韓銀が実物・金融指標に基づいて算出する金融不安指数(FSI)の上昇もこうした現象を反映する。

FSIは3月に8.6だったが、10月には23.6と「危険」段階(22以上)に入り、11月は23.0だった。

 脆弱層であるほど負債危機の厳しい風に無防備状態で露出する点は最も大きな問題だ。

一例として自営業者の負債は7-9月期末現在1014兆ウォンと14.3%増えたが、脆弱借主の増加率は18.7%も増加した。

利子補償倍率が1にもならず、営業利益で利子も返せない脆弱企業の比率も35.7%にのぼる。

不動産市場の本格的なハードランディングはまだ始まってもいない。

10月末の全国の未分譲住宅数は4万7000世帯と、前底点だった2021年9月末(1万4000世帯)の3.4倍に増えた。

未分譲が懸念される高リスク事業場に対する不動産プロジェクトファイナンシング(PF)融資も17兆ウォンを超える。

未分譲の増加は結局、不動産PF問題と建設会社の流動性危機を経て金融機関の危機につながる。

 すでに利上げがもたらした取引の絶壁で多くの賃借人が不安を感じている。

韓銀によると、伝貰保証金が10%下落しても家主が保証金を返せないところが4万4000世帯にのぼるという。

韓銀はまだ金融機関の健全性も復原力も良好だと評価している。
しかし来年は1%台の低成長が予想されるだけに、負債危機が経済の足かせとなる可能性を排除できない。

不動産市場や脆弱階層を綿密にモニタリングし、多様な場合を想定した対策をあらかじめ樹立しておく必要がある。