2019/01/29 10:01
冷え込む韓日関係、ようやく重い腰を上げた米国
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
冷え込む韓日関係、ようやく重い腰を上げた米国
駐韓米大使と韓国国防相が非公開会談
日本の植民地支配時代の強制徴用賠償や哨戒機の韓国軍艦接近飛行をめぐって韓日政府が衝突している中、
ハリー・ハリス駐韓米国大使が28日、非公開で韓国国防部(省に相当)の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)長官と外交部の康京和(カン・ギョンファ)長官に相次いで会った。
米国と同盟関係にある韓日の確執で「韓米日三角協力体制」に亀裂が入ることが懸念されているため、米国が遅ればせながら「調停」に乗り出したものと見られる。
■「三角安保協力」揺らぎ米が腰上げる
ハリス大使は同日午後、報道機関に予告せず非公開でソウル市竜山区の国防部庁舎を訪問、約1時間20分にわたり鄭景斗長官と会談した。
先月20日に韓日「レーダー照射問題」が浮上した後に行われた初の公式会談だ。
ハリス大使が提案したこの会談では、韓米防衛費交渉に関する意見交換もあったが、「韓日哨戒機問題」にかなりの時間が割かれたという。
軍消息筋は「鄭景斗長官は日本の主張の不当さと韓国政府の立場を説明し、ハリス大使は両国の確執に懸念を示した」と話す。
ハリス大使はその後、外交部庁舎を訪れ、康京和長官とも会談した。
外交消息筋は「米国は先日、韓日の『メディア世論戦』ばかりは避けた方がいいだろう」という考えを伝えたが、両国とも衝突の方向に進んでいる」と、ハリス大使が動いた背景を説明した。
トランプ政権はこれまで、米国の直接的な利害と無関係な韓日外交懸案には介入しない姿勢を示してきた。
「アジア重視戦略」を展開したオバマ政権が中国・北朝鮮に対応して「韓米日三角協力」を強調したのに対し、トランプ政権は「米国優先主義」を堅持し、韓日の確執とは距離を置いてきた。
しかし、2回目の米朝首脳会談を前に発生した韓日の確執が、3カ国の安全保障協力体制はもちろん、韓米日の対北朝鮮協調にも悪影響を及ぼすと予想されることから、トランプ政権が「確執の調停」に乗り出したものと見られている。
■米が仲裁外交でも確執は続く様相
外交関係者の間では、米国が仲裁に乗り出しても韓国政府が簡単に見解を変えるのは難しいという見方が多い。
強制徴用賠償に関連して日本政府が9日、要求した「1965年韓日請求権協定上の外交協議」について、韓国政府は事実上、拒否の方針を決めたと伝えられている。
ソウルの外交消息筋は「まだ大統領府の決定が残ってはいるが、日本側が2011年に従軍慰安婦問題に関する韓国政府の『外交的協議』要求を拒否しているだけに、韓国も受け入れることができないという見解をすぐに日本側に返答するだろう」と語った。
日本の河野太郎外相は同日の国会演説で「日本固有の領土である竹島(日本が主張する独島の名称)に対する日本の主張を確実に伝え、粘り強く対応する」と述べた。
これに対して韓国外交部は「強く抗議し、日本政府は不当な主張を直ちに撤回するよう促す」と反発した。
国防部は同日、4月に予定されていた西太平洋海軍シンポジウム(WPNS)実務会議で、日本の哨戒機接近飛行問題を取り上げるとの見解を示した。
韓国国防部の崔賢洙(チェ・ヒョンス)報道官は「その会議で話し合いがあるだろう。
国際的規範・習慣を決定することが事態の再発防止のために必要だと思われる」と述べた。
外交消息筋は「文在寅(ムン・ジェイン)政府も安倍内閣のように強硬な対応が国内政治に役立つ状況なので、方向転換は容易でない。
首相室主導の強制徴用タスクフォース(作業部会)も3カ月間にわたり大統領府の顔色をうかがっている」と語った。