韓国、2050年に高齢者世帯が全体の半数に。貧困問題に歯止めは?
海外の介護事情 社会問題 高齢者の一人暮らし
公開日 2022/06/30
世界一の長寿国である日本。1995年に高齢社会となり、2010年には世界に先駆けて65歳以上の高齢者の割合が人口の21%以上である「超高齢社会」になりましたが、それ以上のスピードで高齢化が進んでいる国があります。
それはお隣の国、韓国。2018年に高齢社会となった韓国は、2025年には超高齢社会に突入するという予測もあるのです。
さらに、今月28日には韓国の統計庁が「2050年には全世帯の半数が高齢者世帯となる」という推計を発表。特に単身の高齢者世帯が増える見込みだそうです。
Contents
- 1 高齢者世帯が半数に
- 2 さらに暮らしは苦しくなる?
高齢者世帯が半数に
今月28日、韓国の統計庁が「将来世帯推計 全国編 2020~2050年」を発表しました。
それによると、2020年時点での韓国の総世帯数は2073万1000世帯。
2039年には2387万世帯まで増えているものの、2040年から減少をはじめ、2050年には2284万9000世帯まで減るそうです。
ちなみに、韓国の総人口は2020年の2万5184人でピークを迎えて、現在は減少に転じています。
さらに、現在は30代以下の若者が多い単独世帯も、2050年には高齢者の単独世帯が最も割合が大きくなると見込まれています。
具体的には、65歳以上の高齢者の単独世帯は、2020年の161万8000世帯から2050年に467万1000世帯に。この30年の間で305万世帯も増えるそうです。
合わせて、韓国の全世帯のうち高齢者の単独世帯が占める割合は、2020年の7.8%から2050年には20.4%に増加。
夫婦で暮らしている場合を含めた「高齢者世帯」は、2020年の22.4%から2050年の49.8%まで増えるという予測が出ています。
さらに暮らしは苦しくなる?
「ひとり暮らしの高齢者が増える」という推計でさらに懸念されるのが、高齢者の貧困問題です。
韓国では公的年金の受給率が約50%と低く、半数の高齢者が年金の恩恵を受けていないのが実情。
日本よりも年金制度の開始が遅かったこともあり、受給面で浸透していないようです。
こうした状況となっている背景には、高齢者の多くが自分の子どもや親戚からの仕送りで生活費をまかなっている現状があるため。
しかし、過去よりも子どもが減っていたり若年層の就職も難しいこともあり、このような仕送りに頼ることも厳しくなっています。
さらに、韓国では結婚しない若者が増加。このような若者が高齢になったときに、誰かの仕送りに頼って生活することは難しいでしょう。
この記事の執筆者
いい介護 編集部
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